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溝口健二監督の名作がカンヌで上映!マーティン・スコセッシが協力

第69回カンヌ国際映画祭

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第69回カンヌ国際映画祭カンヌクラシック部門で上映される『雨月物語』
第69回カンヌ国際映画祭カンヌクラシック部門で上映される『雨月物語』 - (C)KADOKAWA 1953

 溝口健二監督の名作『雨月物語』が、マーティン・スコセッシ監督の協力により4Kデジタル復元版として第69回カンヌ国際映画祭カンヌクラシック部門で上映されることが決定した。昨年の『残菊物語』(1939)デジタル修復版に続き、溝口作品が同部門において2年連続で上映されることとなる。

【写真】マーティン・スコセッシ監督が選ぶ『雨月物語』名場面集

 『西鶴一代女』(1952・国際賞)、『雨月物語』(1953・サン・マルコ銀獅子賞&イタリア批評家賞)、『山椒大夫』(1954・サン・マルコ銀獅子賞)でベネチア国際映画祭3年連続の受賞を果たし、海外では黒澤明小津安二郎と並ぶ人気を誇る名匠・溝口健二。DVD&ブルーレイレーベル米クライテリオン主催のもと、映画監督、俳優、ミュージシャンら著名人がベストムービーを発表する「クライテリオンコレクションベスト10」では、スコセッシ監督が2014年に『雨月物語』を4位に選出した。

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溝口健二
溝口健二監督 (C)KADOKAWA 1953

 『雨月物語』では、江戸時代に上田秋成が著した怪奇物語をベースに、戦乱の世に生きる貧しい陶工・源十郎(森雅之)と妖しい美女・若狭(京マチ子)の道行きが描かれる。スコセッシ監督は「ミゾグチの芸術性は、極限のシンプルさにある」と言い、『雨月物語』の選出理由において3つのシーンをピックアップ。一つ目は霧の中からゆっくりと小舟が現れるシーン、二つ目は魅力的な若狭に迫られた源十郎が草原で倒れこむシーン、そして三つ目は息子が母親の墓前に食べ物をお供えするラストシーンで、「これらのシーンは何度観てもはっとさせられる」と深い思い入れを語る。

 今回、スコセッシ監督の協力を得てカンヌでお披露目される4Kデジタル復元版は、本作の撮影を手掛けた宮川一夫の助手を長きにわたって務めてきた宮島正弘の監修のもと、ニューヨークにある老舗ラボ「シネリック」でマスターポジを4K高解像度でスキャン。デジタル技術で傷や汚れといった修復を行った上で、長期保存が可能なネガフィルムを制作した。これまでカンヌクラシック部門では、市川崑監督作『東京オリンピック』(1965)、大島渚監督作『青春残酷物語』(1960年)などが上映されている。(編集部・石井百合子)

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