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『君の名は。』とオダギリジョー主演映画に共通点!?

最新作『The NET 網に囚われた男』を引っ提げ来日したキム・ギドク監督
最新作『The NET 網に囚われた男』を引っ提げ来日したキム・ギドク監督

 映画『The NET 網に囚われた男』のプロモーションで来日したキム・ギドク監督が、現在香港や台湾でも大ヒット中の新海誠監督作『君の名は。』と共通し、ギドク監督にとって重要なモチーフにもなっている「夢」について語った。

【写真】キム・ギドクの初期作品と共通するテーマを描く『君の名は。』

 オダギリジョーを主演に迎え、2009年に公開された日韓合作のギドク監督作『悲夢』。不思議な夢に翻弄され、入れ替わってしまう男女の切ない運命を描いていると同時に、撮影中に事故に遭った女優(イ・ナヨン)に対する罪の意識もあり、ギドク監督は突如姿を消し、3年間の隠居生活を送ることになったいわくつきの作品として知られている。

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 とはいえ、最終的に「愛はあらゆる境界を超える」という究極の回答を導き出している本作だけに、アジア各国で社会現象を巻き起こしている『君の名は。』との共通項も多い。その点について、ギドク監督は「日本だけでなく、アジア各国で大ヒットしている作品なので『君の名は。』はとても気になっていました。それに友人である行定勲監督から、新海監督の奥さんが女優の三坂知絵子さんだと聞いてビックリしていたんですよ!」と現時点では未見ながら興味津々の様子。

 まもなく日本公開される『The NET 網に囚われた男』の南北問題しかり、現実社会における諸問題やタブーなどをきわどい暴力描写で描くイメージが強いギドク監督。だが、『悲夢』以外にも想像力や夢を扱った作品は意外と多い。「『悲夢』はわたしの原体験から始まった作品ですが、『夢』は初期の作品でも扱っています。『うつせみ』のラストでも『わたしたちが住んでいるこの世が、夢なのか現実なのか誰にもわからない』という字幕で終わらせたぐらい『夢』という存在に惹かれるんです」と笑顔で語る。

 それでは「なぜ、映像作家たちは『夢』に惹かれるのか?」という理由を聞くと、「夢は単なる夢ではないから」とひと言。「夢とは現実に対する問いや疑問、またそれらを圧縮したイメージ。同時に、現実を改めて振り返らせてくれるもの。だからこそ、わたしたちにとって避けられない人生においての重要なパーツなんです」と持論を展開した。

 さらに、現在制作中である日韓合作の新作のテーマも「夢」であることを明かしたギドク監督。新海監督に負けないほど、かなりのロマンチストであることを踏まえて彼のフィルモグラフィーを振り返ると、新たな発見があるかもしれない。(取材・文:くれい響)

映画『The NET 網に囚われた男』は2017年1月7日より新宿シネマカリテほかで公開

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