アンネ・フランク逮捕の真相、元FBI捜査官が解明の試み

[アムステルダム 3日 ロイター] - 元米連邦捜査局(FBI)捜査官が、70年以上前にナチスドイツにより強制収容所に連行されたアンネ・フランク一家に何が起きたかを、ビッグデータの集積と最新の捜査技術を駆使して解明することを目指すチームを立ち上げた。
【写真】アンネ・フランクの知られざる最期の日々『アンネの追憶』
アンネは1944年8月4日、2年間潜伏していたアムステルダムの隠れ家が発見され、収容所に送られて死去した。潜伏中の日記を父親のオットー氏が出版、世界で60カ国語に翻訳され読み継がれている。
フランク一家の発見を巡っては、密告説などがあるが、真相は第二次大戦最大の謎とされている。
20人のメンバーから成る再捜査チームを率いるのは、FBI捜査官を引退したビンセント・パンコーク氏。ロイターとのインタビューで「連行から約73年が経過し、目撃証言ができる人はほとんど死亡している。したがって、法医学的な根拠のことは忘れよう」と語った。
捜査の根拠とされるデータには、ナチ協力者のリストや情報提供者、歴史上の文書、警察記録、新たな手がかりとなり得る過去の研究結果などが含まれるという。
パンコーク氏は「入手可能なあらゆる当時の資料に当たっていく。いままで顧みられなかった情報がたくさん存在する」と述べた。
パンコーク氏は、再捜査の目的は告発ではないと説明。アンネの逮捕から75周年となる2019年までに作業を完了する予定としている。