『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』で何が起きる？『フォースの覚醒』が提示したミステリー

　映画『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』の12月15日公開を記念して、今月15日に前作『スター・ウォーズ／フォースの覚醒』（2015）をフルオーケストラの演奏と共に上映するフィルムコンサートが渋谷・Bunkamuraで開催された。あらためて鑑賞した同作には、次回作へと引き継がれた多くの謎がちりばめられていた。

【動画】予告編から衝撃的『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』

　旧三部作の完結編『スター・ウォーズ／ジェダイの帰還』の30年後を描いた『フォースの覚醒』を監督したのは、エピソード9の監督を務めることも発表されたJ・J・エイブラムス。『スター・ウォーズ』ファンでもあるエイブラムスが手掛けた本作は、ハン・ソロやレイアなど懐かしいキャラクターの再登板だけでなく、映像やセリフにいたるまで、シリーズの要素をあらゆる側面から詰め込みファンを満足させる、実に『スター・ウォーズ』らしい一本だった。

　主人公は、消息不明となったルーク・スカイウォーカーをめぐる、反乱軍と帝国軍の残党ファースト・オーダーとの戦いに巻き込まれた女性レイ。砂の惑星ジャクーでたった一人家族を待ち続けていた彼女は、ルークの居場所を示す地図を託されたドロイドBB-8やストームトルーパーの脱走兵フィンたち仲間との出会い、ソロとレイアの息子である強敵カイロ・レンとの戦いを経て、フォースに目覚める……。

　物語はレイとルークが出会うカットで美しく幕を閉じるが、レイが待ち続けた家族とは誰なのか、なぜ彼女はフォースに目覚めたのか、カイロはなぜダークサイドに落ち、カイロをダークサイドに引き込んだスノークは何者なのか、ソロの友人マズ・カナタはルークのライトセーバーをどうやって手に入れたのか……など、提示された多くの謎の答えは明らかになっていない。

　海外ドラマ「LOST」で“旅客機が謎の島に墜落する”というコンセプトに多くの謎を散りばめ、何シーズンにもわたりファンを熱狂させた、エイブラムスらしいアプローチともいえる。次回作のタイトルである「最後のジェダイ」という言葉も、すでにスノークの口から語られていたりする。エイブラムスが提示したミステリーの答え、もしくはヒントが提示されることになるのかは、『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』において重要な見どころになるだろう。

　キャスト陣が「予想もできない要素ばかり」と口をそろえる『最後のジェダイ』について、脚本・監督のライアン・ジョンソンは、「まずエイブラムスの書いた『フォースの覚醒』脚本を読み、撮影済みの映像を見せてもらい、ルーカスフィルムの人間たちと話し合いを重ね、自分の中でつじつまの合う物語を紡いでいった」と語っている。つまり本作では、仕掛け人のエイブラムスが予想しなかった展開が待ち受けている可能性がある。

　またジョンソン監督は「自分にとっては、オマージュという考え方はひとつも面白いと思えるところがない考え方なんです」とも語っている。『フォースの覚醒』で多くの『スター・ウォーズ』ファンを満足させた新シリーズは、“『スター・ウォーズ』らしさ”を保ちながらも、より刺激的な作品へと進化することになるのか。（編集部・入倉功一）