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山田裕貴、職業・俳優を名乗る覚悟「知られないとカッコ悪い」

熱い思いを抱えるのと同時に、俳優として冷静に自分を見つめる 山田裕貴
熱い思いを抱えるのと同時に、俳優として冷静に自分を見つめる 山田裕貴

 今年だけで20本近いテレビ・映画が公開されるなど、まさにノリに乗っている俳優・山田裕貴。そんな彼の出世作のひとつが、2015年から出演する『HiGH&LOW』シリーズだ。EXILE TRIBE や人気俳優が勢ぞろいするなかにあって、不死身の番長役で熱狂的な支持を集める山田が、役柄への思いや俳優としての思いを語った。

【動画】衝撃の連続!『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』予告編

■「真似だけでも仕方がない」

 「山王連合会」「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」「達磨一家」という5つのチームが拮抗するSWORD地区をめぐる、男たちの熱いバトルを描く『HiGH&LOW』。今月11日から4本目の映画となる最終章『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』の公開を控える本作で山田は、“その道”のプロを輩出し続ける定時制高校・鬼邪高校(オヤコー)で、「100発殴られ続ける」苦行に耐えて番長になった男・村山良樹を演じている。

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子供のように無邪気でクレイジーだが、SWORD同士の闘いを通して、仲間の大切さに気づき、番長としての器を見せていく村山。その成長を山田は「拳一つで成り上がるって言っていた人間が、すごく変わりましたよね」と振り返る。

 「ヤバいヤツではあるけど、人間的な部分が欠落している役にはしたくはなかったんです。ほかの生き方を知らなかっただけで、もともと何かきっかけがあれば変わる人間なんですよね。だから、ドラマ版のシーズン1で、山王連合会のコブラちゃん(岩田剛典)に敗北してから、内面が変化していく。少しずつですけど、口調も優しくしていきました」。

 役づくりの参考は、映画『クローズZERO II』で綾野剛が演じた漆原凌。ほかにも、「バットマン」のジョーカーや「HUNTER×HUNTER」のクロロ、そして『レオン』でゲイリー・オールドマンが演じた刑事といったキャラクターの魅力を分析した。しかし、「そのままできるわけはないし、真似だけでも仕方がない」。個性的なセリフや戦闘スタイルの多くは、現場の山田の演技をきっかけに生まれた。

 「2作目の映画(『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』)の『オヤコー課外授業始めま~す!』ってセリフも言っちゃたらOK! みたいな(笑)。闘いのとき、手を前にダランとたらしてるスタイルも、(アクション監督の)大内貴仁さんとの『村山ってゾンビだよね』って会話がきっかけ。そういうものを拾って、皆さんが村山のキャラに反映してくれるんです。ここまでできるのは『HiGH&LOW』の現場くらい。村山が成長する物語も用意されていて、助けになりました」。

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■職業・俳優を名乗れるようになるまで

 現在こそ、シリーズでも一二を争うと言っても過言ではない人気を誇る村山だが、山田自身は、本作が決まった当初、ここまでの人気を予想できたのだろうか?

 「俺以外のSWORDの頭を演じるのがすごい人ばかりだったので、出演が決まったときは『絶対に負けられないな』って思いましたね。しかもオヤコーって(定時制の中心)メンバーの中に(EXILE TRIBEなどが所属する)LDHの方もいないんですよ。だから『俺らかませ犬だぜって』ってみんなと話していて(笑)。だからこそいいチームにしよう、何かしら爪痕を残してやろうって思っていました」。

 力強い「爪痕を残す」という言葉からは、山田の俳優としてもっと上を目指そうという気概が伝わってくるようだ。自身の抱える上昇志向について山田は「エキストラをやらせてもらっていたころから、この中で一番輝いてやる! って思っていました。あいつだけなんか違うぞ! って思われたかったんですよね」と語る。

 「個人的に、誰にも知られてないのに俳優を名乗るのがカッコ悪いなという意識があって。でもそれは、否定的な意味ではなくて、冷静に自分を見ているだけなんです。僕は“山田裕貴”という商品であって、名前を知ってもらわないと、テレビも映画も観てもらえない。だから、病院なんかで職業欄に『俳優』って書けるようになるまで、けっこうかかりましたよ(笑)。まだまだ、ぜんぜん名乗れねぇなって」。

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 『HiGH&LOW』の前には、寺山修司の小説を映画化した『あゝ、荒野』や人気コミックを実写化した『亜人』など出演作が立て続けに公開。来年秋に公開予定の台湾映画のリメイク『あの頃、君を追いかけた』では主演を務める。休む間もないのでは? と感じる忙しさだが、まだまだ足りないと語る。

 「足りる時なんてこない気がします。どんなことにしろ、チャンスなんてめったに来るものじゃないですから。自分の夢に、死んだときニュースになる俳優というのがあって。それくらい俳優として認められて、人間としてもすごいと言われる人になりたいって意味なんですけど。『あのころ~』の中で、『すごい人間になりたい』っていうセリフがあるんですけど、僕も多分、そうなりたいんです。そしてきっと、このままいければ、なれると思っています(笑)」。(編集部・入倉功一)

映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』は11月11日より全国公開

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