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久石譲、涙浮かべ高畑勲さんにお別れ 名曲「君をのせて」への思い

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高畑勲さんにお別れの言葉を送った久石譲
高畑勲さんにお別れの言葉を送った久石譲

 4月5日、肺がんのため82歳で亡くなった日本を代表するアニメーション監督・高畑勲さんの「お別れの会」が5月15日、三鷹の森ジブリ美術館で行われた。「会」の委員長を務めた宮崎駿監督が「開会の辞」を述べたあと、『かぐや姫の物語』など多くのジブリ作品で音楽を担当している久石譲が、高畑さんに「お別れの言葉」を、こらえきれぬ涙とともに送った。

アカデミー賞候補になった『かぐや姫の物語』場面写真

 久石と高畑さんは、高畑さんがプロデュースした宮崎監督の『風の谷のナウシカ』(1984)以来の付き合い。「お別れの言葉」で久石は「高畑さんとは『風の谷のナウシカ』でお会いしました。当時の宮崎さんは作画が本当に忙しかったので、音楽の方は、高畑さんが面倒を見ていらして、ずっと音楽のことでお話しさせていただきました。7時間以上のミーティングが何回もありまして(中略)僕も一生懸命、高畑さんと戦って『ナウシカ』ができました」と高畑さんと過ごした濃密な時間を回想。「当時、本当に無名だった僕を起用していただいた、今日があるのは、高畑さんのおかげです」と感謝を表した。

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三鷹の森ジブリ美術館で行われた高畑勲さん「お別れの会」にて

 続く『天空の城ラピュタ』(1986)では、「主題歌を作るときに宮崎監督からいただいた詩がありました。ただちょっと文章(の文字量)が足りなかったりして、それを高畑さんと2人で、メロディーにはめていく作業を何日もやりました。ですから今、世界中の人に歌ってもらっている『君をのせて』という曲は、宮崎さんと僕と、実は高畑さんがいなかったら完成しなかった曲です」と思いを込める。

 最後に「(高畑さん最後の監督作品)『かぐや姫の物語』の音楽を担当させていただいて、本当に感謝します。一緒に仕事ができたことを誇りに思います。僕は、仕事で悩むと、こういうとき宮崎(監督)だったらどうするだろう、鈴木(敏夫プロデューサー)さんだったらどうするかな、養老孟司さんだったら、といろいろ考えます。そのとき、最後にやはり、高畑さんならどうするだろうって考えるんです。そうすると高畑さんの笑顔が浮かんで、何か希望が持てて、次の自分の行動が決まります。そういう意味で、高畑さんは僕の中で生きています。本当にお疲れさまでした。お別れは言いません。心からご冥福をお祈りしますが、またいつか、どこかでお会いしましょう」と涙声で別れを惜しんだ。

 同日、同日午前中に行われた関係者による「お別れの会」には、岩井俊二監督、押井守監督、富野由悠季監督、山田洋次監督、シンガーソングライターの二階堂和美西村義明プロデューサー(スタジオポノック)、声優・女優の本名陽子、落語家の柳家小三治、俳優の瀧本美織竹下景子宮本信子野々村真柳葉敏郎益岡徹ら約1,200人が参会。故人を偲んだ。(取材・文/岸田智)

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