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『ウィンターズ・ボーン』監督、社会不適合者の父娘を描いた新作を語る

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左から、プロデューサーのリンダ・レイズマン、アン・ハリソン、共同脚本家のアン・ロッセリーニ、デブラ・グラニック監督

 ジェニファー・ローレンスをスターダムに押し上げた映画『ウィンターズ・ボーン』のデブラ・グラニック監督が、待望の新作『リーヴ・ノー・トレイス(原題) / Leave No Trace』について、脚本家のアン・ロッセリーニ、プロデューサーのリンダ・レイズマンアン・ハリソンと共に、6月26日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【写真】ジェニファー・ローレンスをスターダムに押し上げた『ウィンターズ・ボーン』

 本作は、社会から離れオレゴン州ポートランドの国立自然保護区の山奥でテント暮らしをする父娘を描いたドラマ。退役軍人のウィル(ベン・フォスター)と13歳の娘トム(トーマシン・マッケンジー)は、ある日、公園内でパトロール隊員に捕まり、強制的にソーシャルサービスを受けることになる。二人は借家で新たな生活を始めるが、父と娘にすれ違いが生じ始める。ピーター・ロックの著書「マイ・アバンドンメント(原題) / My Abandonment」をグラニック監督が映画化。アン・ロッセリーニが監督と共同で脚本を執筆した。

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 『ウィンターズ・ボーン』同様、人々が生きるために葛藤する姿を描いている本作。頭の中で原作の映像化を試みようとした際に、「なぜ彼ら二人はこのような誰にも気づかれないような生き方を選択したのか」という気持ちになったことがきっかけだという。「二人はどんな過去を捨てたのか、もしこれまでのような生き方ができなくなったらどうなるのか? と考えてみたの。社会に適合していない人たちに、社会適合者が生き方を導こうとしても、それは簡単なことではないわ。そこに興味を持ったのよ」とグラニック監督。再び長編映画を製作するのには、かなり時間がかかったことも明かした。

 共同脚本のロッセリーニは、ロケーションや現場でのリアリティーによって、脚本が改稿されていったと話す。「最初にデブラとニューヨークのオフィスで原作の解釈をした後に、原作に記されたロケーションに行ってみて、多くのリサーチをしたの。その過程が、(それまで書かれた)脚本を改稿することになる大きな変化をもたらしてくれたわ。わたしたちは、そこで何を発見し、何を理解できたかを加えていったのよ。実際に撮影現場でも、キャストされた俳優たちと(脚本を)煮詰めていったわ。そうして、一つの脚本を生み出していったのよ」。

 プロデューサーのハリソンは本作について、「映画内では緊張感のある感覚が続く」と語る。「今作の試写をした際に、観客は(二人が捕まったとき)何かひどいことをされるのではないかと疑うけれど、実際は彼らを助けようと優しく接してくれている。でも、何かひどいことが起きるのではないかという兆しもあるのよ」。その緊張感ある二人の行動と美しい自然の映像とで、目が離せない感覚になっていく。

 一方、同じくプロデューサーのレイズマンは、ポール・シュレイダーが監督の新作『ファースト・リフォームド(原題)/ First Reformed』を例に出し、「この作品は彼の個人的な美的感覚を通して、現代の問題点を指摘していたけれど、そういう映画を観客は愛情を持って受け入れてくれていると思うわ」と今作が観客のクリエイティブな面を刺激する作品になるだろうと語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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