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ノルウェー最悪の惨事描く映画が訴えるもの…ポール・グリーングラス監督が語る

第75回ベネチア国際映画祭

かなり衝撃的な作品でした… - 『22 ジュライ(原題) / 22 July』より
かなり衝撃的な作品でした… - 『22 ジュライ(原題) / 22 July』より

 イタリアで開催中の第75回ベネチア国際映画祭で5日(現地時間)、第2次世界大戦以降のノルウェーで最悪の惨事とされる連続テロ事件を描いた映画『22 ジュライ(原題) / 22 July』の公式記者会見が行われ、メガホンを取ったポール・グリーングラス監督が作品について語った。

【画像】グリーングラス監督が9・11を描いた衝撃作『ユナイテッド93』

 本作は2011年7月22日にノルウェーの首都オスロ・ウトヤ島で右派テロリストが起こした凄惨な事件を、『ジェイソン・ボーン』などのグリーングラス監督が映画化した作品。犯人、巻き込まれた兄弟とその両親にスポットをあて、連続テロ事件の発生とその後の加害者と被害者の姿をうつし出している。グリーングラス監督はアメリカの9・11同時多発テロを扱った映画『ユナイテッド93』なども手がけており、実話を基にした作品づくりに定評がある。

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 会見中に「決してエンターテインメントな作品ではない」と念を押す一幕もあったグリーングラス監督。「この世界をうつす鏡となり、世界がどのような状況にあるかを我々に見せるというのも映画の役割だと考えています。映画はひとつの出来事を選んでその細部に踏む込むことができます。『ユナイテッド93』でも行ったことですが、この映画でも『いま何が起きているか、どこに向かっているのか』を観客に届けたいと思いました」と作品に込めた思いを力強く語った。

『22 ジュライ(原題) / 22 July』レッドカーペット
本作のレッドカーペットに登場したポール・グリーングラス監督(中央)と出演者ら -Vittorio Zunino Celotto/ Getty Images

 グリーングラス監督の映画は手持ちカメラを多用した臨場感あふれるアクションシーンが大きな魅力の一つだが、今作におけるテロ事件の演出には特に気をつけたという。

 「映画を製作するにあたって話を聞いた事件の関係者は、事実と異なる描かれ方を良しとしませんでした。その一方で事件の被害者に敬意を払う必要があり、そこに大きな葛藤がありました」とし、「テロのシーンは長い映画の一部分です。暴力的描写はなるべく少なくしながらも、ショッキングで不穏なものにしました」と説明した。

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 グリーングラス監督は「この映画はテロ事件だけを描くものではなく、事件後のノルウェーで何が起きたかという映画で、そのことは私たちの今と未来に通じていることです」とコメントした。映画は配信サービス世界最大手のNetflixによるもので、そのことについては「この作品は特に若い人たちに観てもらいたいと思っていて、それが今回Netflixと組んだ大きな理由の一つです」と言及していた。(編集部・海江田宗)

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