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壮絶な痛み…顔面タトゥー男が長期にわたる過酷な除去手術で消し去ったもの

第43回トロント国際映画祭

『リトル・ダンサー』の子役として名をはせたジェイミー・ベルが激変 - 映画『スキン(原題)』より
『リトル・ダンサー』の子役として名をはせたジェイミー・ベルが激変 - 映画『スキン(原題)』より - Courtesy of TIFF

 現地時間10日、壮絶な顔面タトゥー除去手術を受けた元ネオナチのブライオン・ウィドナーの実話を基にした映画『スキン(原題) / Skin』が第43回トロント国際映画祭で上映され、ガイ・ナティヴ監督がQ&Aを行った。

【画像】ブライオンを演じたジェイミー・ベルの普段の顔

 ネオナチ集団のリーダーカップルに育てられて数々の暴力行為に手を染め、顔面まで他人種へのヘイトを表すタトゥーだらけだったブライオンが、これまでの自分に疑問を抱き、激痛を伴うタトゥー除去手術を受ける姿を描いた本作。ブライオンに手を差し伸べたのは、彼が毛嫌いしてきた黒人の活動家だ。

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 ナティヴ監督は製作のきっかけについて「2011年に新聞でクレイジーな写真を見た。顔面がタトゥーだらけの男が、何段階にもわたる手術を経てだんだん普通の男になっていく写真のモンタージュだ。その話に圧倒されたんだ」と振り返る。手術の過程を記録したドキュメンタリー「Erasing Hate」の製作者を介してブライオン本人に連絡し、ホロコーストに遭った祖父母を持つイスラエル人の自分がこの物語を語ることがどれだけ重要かを説いて、映画化の許可を得たという。

 「僕の祖父は怒って当然なのに、怒りが許しへと変わったと言っていた。ドイツ人の新しい世代の人々に、怒りを向けるのは違うとも言っていた。それは僕にとってとてもエモーショナルなことだった」とナティヴ監督。ブライオンも「Erasing Hate」を観た黒人女性から「あなたを許すわ」と涙ながらに言われたことがあったほか、彼自身もタトゥーを消すことで心にあったヘイトを消し、件の黒人活動家とは今やいい友達なのだそう。ナティヴ監督は「クレイジーな時代だけど、“相手を認める”というほんの一欠片の希望がある。それを失えば、僕たちは全てを失ってしまう」とこの物語の重要性を語った。

 20ポンド(約9キロ)の増量を行い、ブライオン役を務め上げたのは『リトル・ダンサー』や『ファンタスティック・フォー』などのジェイミー・ベル。そのほか『パティ・ケイク$』のダニエル・マクドナルド、『マイレージ、マイライフ』のヴェラ・ファーミガらが出演している。(編集部・市川遥)

第43回トロント国際映画祭は現地時間16日まで開催

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