『ROMA/ローマ』役者たちの演出法!いかにして名演を引き出すか

第91回アカデミー賞

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 第91回アカデミー賞で最多10部門ノミネートを果たした映画『ROMA/ローマ』のアルフォンソ・キュアロン監督がインタビューに応じ、演技未経験の主演女優ヤリッツァ・アパリシオや子供たちの演出法を明かした。

【動画】 演技未経験だった!ヤリッツァ・アパリシオ|インタビュー

 1970年代のメキシコを舞台に、家政婦のクレオ(ヤリッツァ)と雇い主一家の日々をモノクロの美しい映像で情感豊かに描いた本作。優しいクレオは子供たちから愛されており、互いを想い合う彼らの関係性は心を温かくする。

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 撮影用の家に加え、すぐ近くに別の家も用意したというキュアロン監督は「撮影がないとき、子供たちはその家にいた。それは子供たちとヤリッツァのための家だったんだよ」と明かす。「彼らは常に一緒に過ごし、その家では役名で呼び合うようにしていた。そうして築いた絆が、スクリーンに反映されたんだと思う」

 子供を演出するベストな方法は「ありのままでいさせること」。他の俳優も同様だが、特に子供たちは“ふさわしい子”をキャスティングすることが何より重要だという。「ふさわしい子たちをキャスティングできたなら、強要してはいけない。なぜなら、僕たちが欲しいのは“彼らがやるとも思いもしないようなもの”だから。僕たちが撮影しているということも忘れさせて、ただ彼ら自身でいてもらうんだ」

妻と子供たちを捨てようとしている父

 撮影も自ら行ったキュアロン監督は、本作では誰にも脚本を渡さなかった。「順撮りをしたんだ。毎朝、僕は1~3人の俳優にセリフを渡し、その他の人には明確な指示を与えた。指示はいつだって矛盾したものなんだ。例えば、母ソフィアが子供に何かを言うことになっていたら、僕はその子に『お母さんが話し始めたら、どこかへ行って』とささやいた。そうしてダイナミクスが生まれるんだ。思い描いたことを正確に撮影するのではなく、現場で生じる人間関係のダイナミクスを撮るということ、それこそ僕が興味のあることなんだ」。キュアロン監督のこの演出法により、クレオ役のヤリッツァとソフィア役のマリーナ・デ・タビラはアカデミー賞女優賞にもノミネートされる名演を見せた。

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 そしてキュアロン監督の半自伝的な物語である本作は、クレオのモデルになった、監督の子供時代の家政婦リボにささげられている。本作で父に捨てられる子供の一人は、キュアロン監督自身でもあるのだ。

 「リボは現場に何度か来た。とても奇妙で、多分僕がこの映画作りは想像したより複雑なものだと認識した日だ。クレオが(雇い主)ソフィアに『妊娠した』と伝えるシーンを撮影していて、テイクの合間に見に行くと、彼女は泣いていた。動揺させてしまったならこのシーンは完全に削除して、違うものにするよと言ったんだが、彼女は『いいえ!』って。彼女が泣いていたのは、子供たち(つまりかつての監督たち)が置かれた状況を心配し、彼らを想って心を痛めていたからだったんだ。彼女はそういう人。いつでも自分のことは後回しで、他の人のことを思いやるんだ」。そんなリボの精神は、クレオという形を取ってしっかりとスクリーンに刻まれている。(編集部・市川遥)

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