公開40周年!『地獄の黙示録』をフランシス・フォード・コッポラ監督が振り返る

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フランシス・フォード・コッポラ監督とスティーヴン・ソダーバーグ監督 - Ira L. Black / Corbis via Getty Images

 映画『ゴッドファーザー』シリーズなど、名作を手掛けてきた巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が、4月28日(現地時間)にトライベッカ映画祭(TFF 18th)で行われた『地獄の黙示録』の公開40周年を記念した特別上映後のQ&Aで、同作に対する思いを語った。

【作品写真】第32回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞『地獄の黙示録』

 ベトナム戦争末期。カンボジアの奥地に自分の理想の王国を築き上げたカーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺を命じられたウィラード大尉(マーティン・シーン)は、部下と共に河川哨戒艇で河をさかのぼるが、道中でさまざまなベトナム戦争の狂気を目にしていく。作家ジョセフ・コンラッドの小説「闇の奥」を基に、コッポラ監督が私財をなげうって手掛けた大作だ。

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 今作の前に手掛けた『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPART II』がアカデミー賞作品賞を受賞し、『カンバセーション…盗聴…』はカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。何でもできる状況にあったにもかかわらず、次回作に誰もがバッドアイデアだと思っていたベトナム戦争を描くことにした理由を、コッポラ監督はこう語る。「まだ誰も真のベトナム戦争を描いた映画を製作していなかったんだ。『ゴッドファーザー』の2作では原作から脚色する過程で奇跡を呼び起こすことができたし、『カンバセーション…盗聴…』は非常に高い評価を受けたが、誰も『地獄の黙示録』をサポートしようとはしなかったよ。当時のハリウッドでは監督として興行的に成功することより、成功した作品と似たような作品を作ることが望まれていたからね。それに、フィリピンまでわざわざ行って撮影したいと思っている俳優もいなかった」結局、『ゴッドファーザー』の成功により、自身で製作資金を捻出して手掛けることになったそうだ。

 同作は脚本家ジョン・ミリアスから生まれたものであったとコッポラ監督は強調した。「よく『地獄の黙示禄』でのあのシーンが好きだとか、あのせりふが好きだとか僕に言ってくるが、ほとんどのせりふはジョン・ミリアスから生まれたもので、『朝のナパームは格別だ』もそうだし、ワーグナーの『ワルキューレの騎行』を流して、ヘリコプターから攻撃するシーンもジョンのアイデアだ。彼の脚本こそがこの映画の初稿であり、記憶に残るシーンも彼の脚本から来ている」と語った。

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 当時、アメリカ政府やアメリカ軍の協力を得ることができなかったという。「僕らが必要としたF-5戦闘機やUH-1 ヘリコプターは、全てフィリピン軍のものだった。あの頃は(フィリピンでは学生運動に端を発した暴動により、マルコス大統領が戒厳令を敷いていた時期だったため)、暴動が起きるたびにヘリコプターが飛んでいってしまった。それに(反政府活動する)学生たちが仕掛ける爆発物の対象にならないように、たまに意図的に飛ばしていたよ」と振り返った。

 ソフィア・コッポラを含む子供たちと妻エレノア・コッポラも撮影現場のフィリピンにいたそうだ。「僕は妻にそばにいてほしくて家族で滞在したのだけど、彼女に16mmの手持ちカメラを持たせて、メイキング映像を撮らせたんだ(この映像は、後に『ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示禄』として公開された)。彼女は素晴らしい活躍をしてくれたよ。ある日、僕は撮影から戻ってきて『今作は僕の最低な映画だ。おそらくF評価を受けるような作品で、(映画界では)もう生き残ることはできない』と愚痴をこぼしたんだ。エレノアから『そんなことはないわ、あなた。全てうまくいくわ』と言われることを期待したけど、『今マイク持ってくるから、もう一度、そのせりふを言ってくれない?』と言われたよ(笑)」と妻の支えが大きかったことを明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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