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『ジョーカー』主演のアカデミー賞ノミネートは確実!町山智浩が予想

“ジョーカー”メイクで登場した町山智浩
“ジョーカー”メイクで登場した町山智浩

 バットマンの宿敵である狂気の犯罪者の誕生を描いた映画『ジョーカー』(10月4日全国公開)の試写会&トークイベントが18日に都内で行われ、映画評論家の町山智浩が一足先に映画を鑑賞した観客の前で作品の裏側について解説した。

狂気の連続!『ジョーカー』予告編【動画】

 『ザ・マスター』などの演技派ホアキン・フェニックスが、DCコミックスの悪役ジョーカーにふんした本作は、コメディアンを夢見る男が狂気の道化師へと変貌していくさまを描き出す。先日行われた第76回ベネチア国際映画祭では、最高賞にあたる金獅子賞を獲得。アメコミ映画初の快挙となったことも話題となった。

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 ジョーカーの白塗りメイクで登場し、会場を沸かせた町山は「トッド・フィリップス監督は70年代のアメリカ映画が好きで、そういう映画を作りたかったんですが、それだとなかなかお金が出ない。だから、お金が出る『ジョーカー』を利用したとインタビューで言っていました」と説明する。本作には名作映画のオマージュ・パロディーがふんだんに盛り込まれており、町山は『タクシードライバー』『狼よさらば』『エクソシスト』『キング・オブ・コメディ』といった1970~80年代の作品、さらに『笑う男』『モダン・タイムス』といったサイレント映画を挙げ、『ジョーカー』の劇中シーンと照らし合わせて解説。観客も熱心に耳を傾けていた。

 『ハングオーバー』シリーズなど、コメディー畑出身として知られるフィリップス監督が、シリアスな本作を手がけたことについて、町山はチャールズ・チャップリンの名言「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」を引用しながら解説してみせる。さらに、映画史的引用のみならず、聖書や暗黒舞踏、ホアキンの俳優引退&ラッパー転向騒動といった実人生なども虚実入り交じる形で織り込んでみせた本作について、「本当にすごい映画ですよ」と舌を巻く。

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 それらを踏まえた上で、「ホアキン・フェニックスは今回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされると思いますよ」と断言する町山。「この映画はまだアメリカでも公開されていないんですけど、非常に危険な映画として賛否両論を呼んでいるんです。映画を観ているとジョーカーという無差別テロリストに感情移入してしまうから。本当に危険な映画ですね」と笑いながらも、「アカデミー賞主演男優賞のノミネートは確実で、おそらく『ロケットマン』のタロン・エジャトンと一騎打ちになるんじゃないでしょうか。あちらもすごいですからね。アカデミー賞の前哨戦はこの段階でもう始まっているんですよ」と本年度の賞レースを予想した。(取材・文:壬生智裕)

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