『真実』ジュリエット・ビノシュにとって“演じる”とは

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世界三大映画祭のすべてで女優賞を獲得しているジュリエット・ビノシュ - Photo L. Champoussin (C) 2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

 11日に封切られた是枝裕和監督の新作映画『真実』に出演しているフランスの名女優ジュリエット・ビノシュが来日中にインタビューに応じ、是枝監督とのタッグやカトリーヌ・ドヌーヴとの共演、世界三大映画祭のすべてで女優賞を獲得しているビノシュにとっての「演じる」ということについて語った。

【動画】是枝裕和『真実』予告編

 フランスの国民的女優ファビエンヌ(ドヌーヴ)が自伝本を出版したことから巻き起こる家族の物語を描いた本作。ビノシュはファビエンヌの娘で、フランスではなくアメリカで脚本家として生きる娘リュミールを演じている。ビノシュにとって是枝監督との映画は念願で、ともに作りたいという思いは以前から伝えていた。

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 「素晴らしい監督に一緒に仕事がしたいと伝えることは俳優として自然なことだと思っています。監督が俳優に言うだけではなく、俳優も監督に伝える。監督と俳優は『人間』としてのつながりも必要です。私は撮影中、自分の感情や考えをさらけ出し、自分の魂を完全にオープンにしますから」

 是枝監督の映画の登場人物たちをビノシュは好きに「なってしまう」そうだ。「ダメな部分があるから、その人のことを愛してしまうってあると思います。家族とかもそう。例えば両親に対して我慢できないことがあるのに、でもそれがあるからこそ、両親をもっと愛してしまったり。是枝監督はそういうことが描ける稀有な監督です」

Photo L. Champoussin (C) 2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

 是枝監督がつづる物語は監督の中の“本当のところ”から生まれているとビノシュは続けた。「彼が本当に感じたことと作家としての才能があわさり、生み出されています。人工的な言葉ばかりの映画だと俳優にとってはかなりの苦労があります。でも“本当のところ”から生まれた映画は俳優として演じやすいです。演じる時にそこにすでに真実があるから、どうやってそこに入るかを見極めればいいんです」

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 「演技をするということは『偽りを伝えるのではなく真実を伝える』ことだと思っています。自分の中にある『本当のこと』をつつみ隠さず見せるんです。何かのふりをするのではなく真実を見せます。シーンやセリフは手段で、それを使って自分の中の本当の感情や考え方を見せるんです」

 そんなビノシュだからこそ、撮影中はカトリーヌ・ドヌーヴとの関係を築くために懸命な努力があった。タバコを吸うドヌーヴと仲良くなるために、撮影中はタバコを吸い、わざとドヌーヴにタバコをもらいに行った。また、フランス語には相手との距離感によって使い分ける言葉があり、これもわざと、距離の近い相手に使う言葉をビノシュは大女優カトリーヌ・ドヌーヴに対して使い続けた。「ちょっと『挑発』に近かったかもしれません。でも(ドヌーヴとの)親密さがこの役には必要でした。映画の中で距離の近い人に使う言葉を使っているのに、撮影現場ではそれと違う言葉を使うなんて馬鹿げていると思ったんです」

Photo L. Champoussin (C) 2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

 取材の最後にファンへのメッセージを聞かれると「何を言えばいいかな……」と迷い、部屋にいたスタッフの「『映画を観に来てください』は?」という提案にも「もちろん観にきてほしいですけど、観るか観ないかはその人の自由だと思うので私は普段から『映画を観に来てください』とはあまり言わないんです」とビノシュ。

 「でもきっとこの映画を観ている時間は楽しくて、考えさせられるし、いろんなことを感じられる時間になると思います」とし、「実は、この映画の“答え”を出しているテイクの撮影を私はしたんです。でもそれを是枝監督はできあがった映画に使っていなかったのがとても面白いと私は思いました。だから私からのファンの方へのメッセージは『“答え”は何でしょう?』です」と笑った。(編集部・海江田宗)

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