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水原希子「どこにも属していない感覚」幼少期に感じた葛藤

 旅作家・歩りえこの著書「ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記」を原案にしたHuluオリジナルドラマ「ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅」に出演するモデルで女優の水原希子。台本はあるものの、現地で起こることはほぼドキュメンタリーに近いハプニング続出の本作。かなりの対応力や人間力が問われるが、作品を通じて水原という女性の考え方が垣間見えてくるーー。

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 「よりインターナショナルでやっていきたいと思っている自分にとって、すごく必要な経験でした」と本作への参加について語る水原。仕事やプライベートで海外を訪れる機会が多く、異文化への適応力があるように感じられる水原だが「まだまだ経験が足りていません」と苦笑いを浮かべると「やっぱり同じ場所でずっと生活していると、その価値観が当たり前になって保守的になってきてしまう」と危機感があるようだ。

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 劇中では、おおまかな設定はあるが、出会う人たちとのやりとりは“生もの”。コミュニケーションがうまく取れず、目的の場所とは全く違うところに連れていかれ茫然自失になることも。そんな状況を「大変」と思うか「面白い」と感じるかで、旅の価値は大いに変わる。水原は“既成概念”が崩壊させられる瞬間が「楽しい」と目を輝かせる。

水原希子

 アメリカ人の父と韓国人の母を持つ水原。こうした視点になったのは幼少期からの経験によるところが大きいという。「父親がアメリカ人だったのですが、日本で育ったので最初英語をしゃべることができなかったんです。アメリカに行くと英語がしゃべれず恥をかき、日本に帰ってくると『英語をしゃべって!』とからかわれる……。韓国の要素もすごく少なくて、常にどこにも属していない感覚があったんです」

 しかし、モデルの仕事をするようになり東京に出てくると、インターナショナルな感覚を持つ人と接する機会が増えた。水原と同じような境遇の人々は世界中にたくさんいることが分かった。「ニューヨークなんて人種のるつぼですよね。世界に出ると、わたしのような人はまったく珍しくないんです」

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 これまで自分が持っていた考え方や信じているものが“崩壊”していく経験に出会えるとワクワクする。新しい自分がどんどん発見できる。だからこそ「できないかも」「ちょっと嫌かも」と臆することはもったいない。「だまされたと思ってまずはやってみる。その土地の感覚に染まってみる」。それが水原の強みでもある。

水原希子

 こうした彼女の考えは作品にも色濃く出ている。第1話では、いきなりタクシー運転手と意思疎通ができず、とんでもない展開になるが、どこかそれも楽しそうに見える。「順応しようと思うと、人は心を開いてくれる。そこから見えてくることもたくさんあります」。ある意味で究極のコミュニケーションの達人のようだ。

 作品冒頭、水原は「世界が保守的になってきているように感じる」と話していた。海外に出ることが多い水原だが、日本の芸能界はどう映っているのだろうか。「かたい部分もありますが、いまの日本の芸能界は多様性も認めてくれて、比較的自由だと感じます」と語る。特にソーシャルメディアが発達したことにより「思ったことをはっきり言える環境になってきた。自分の意見を言える場があることは、とても大切だと思います」とその重要性を説く。

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 「陸路でユーラシア大陸を横断して、国境ってただの線なんだなと感じました」としみじみ語った水原。「いろいろな人種の方たちが交ざり合うことで世界ができている。全然おかしなことじゃないんだ。みんな一緒なんだと感じました」。異文化同士のコミュニケーションが、より大きくの感情を生むーー。「人間って素晴らしい!」と満面の笑みで語る水原のすべてが詰まっているような作品だ。(取材・文・撮影:磯部正和)

「ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅」はHuluで独占配信中 毎週金曜更新予定(全6話)

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