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行定勲監督、森山未來『セカチュー』からの変化を指摘 竹葉リサ監督とトーク

『オルジャスの白い馬』公開記念トークイベントにて。行定勲監督と竹葉リサ監督
『オルジャスの白い馬』公開記念トークイベントにて。行定勲監督と竹葉リサ監督

 森山未來主演の日本・カザフスタン合作映画『オルジャスの白い馬』(公開中)の公開記念トークイベントが5日に新宿シネマカリテで行われ、本作のメガホンをとった竹葉リサ監督のほか、行定勲監督がゲストとして出席。本作に深い感銘を受けたという行定監督は、2004年の大ヒット映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で森山とタッグを組んでいるほか海外での撮影経験もあり、竹葉監督と共通の話題で盛り上がった。

【動画】森山未來が全編カザフ語!

 カザフスタンの大草原を舞台に描く本作は、父親を亡くした少年オルジャスと、彼の前に現れた寡黙な男カイラートの触れ合いを映し出すヒューマンドラマ。森山が、映画『アイカ(原題)』でカンヌ国際映画祭女優賞に輝いたサマル・イェスリャーモワとダブル主演を務め、全編カザフ語に挑戦。橋本環奈主演の学園スリラー『シグナル100』(公開中)も話題の竹葉監督が、カザフスタン人のエルラン・ヌルムハンベトフと共に監督を務めた。

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 本作を「好きな映画です」と評する行定監督は、「ある意味、西部劇調だなと思いました。もっといろんな展開を加えたり、主人公にかせを与えたり、ということをやりがちだけど、こんなにもそぎ落としたシンプルな作品はなかなか作れない。われわれがこの手の映画を作るとしたら時代劇にするしかない。人と人や、土地など、カザフスタンならではの距離感がある、うそがない映画でしたね」とその魅力を説明。その言葉に竹葉監督は「距離感というのは、今までにない感想で。うれしいですね」と笑顔を見せた。

 森山の才能に惚れ込んでいる様子の行定監督は、「何回か声をかけているんですけど、この男は断るんですよ」と笑いながら切り出すと、森山と行定監督の間で「(オファーした役は)この役は前を超えていないと思います」(森山)、「そうかな、この役もいいと思うよ」(行定)といったやりとりが続くことがしばしばだったそうで、「そんな人だから、彼がやりたいという作品のモチベーションにそもそも興味がある」という。

 さらに「そもそも『セカチュー』の頃の彼は器用すぎて、段取りを重んじるところがあった。『自分がこう受けるんで、ここで~』みたいな感じで。彼はダンサーでもあるので、そういうところから入っていると思う」と続けた行定監督は、「でも最近は歩き方とか所作とか、一つ一つの行動原理みたいなものが自由度を増している俳優だから、シンプルにそぎ落としたこの映画の役は、彼に合っているなと思いました」と森山の成長に触れる。

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 一方、竹葉監督もカザフスタンでの森山にまつわる撮影エピソードを紹介。「森山さんは、こちらがどういう風な意図で言っているのか、説得できないと動いてくれないので。それで話し合ったこともありました。それからスタントを他人にやられるのが嫌なところがありましたね。現地の雄馬が興奮して、かなり危険な状態だった時があったのですが、それでも果敢に挑戦していて。こちらがコントロールできないくらいに野性味あふれる俳優さんだなと思いました」と森山の才能に圧倒されているようだった。

 さらに、イベントでは海外との共同製作について語り合うひと幕も。行定監督は、韓国で撮影した2011年のオムニバス映画『カメリア』を例に挙げ、「あちらの役者が台本に対して『こんなことは言わない』と言って動かなかったことがあったんです。そこにソル・ギョングさんが来て、『お前たち、何を言っているんだ』と一喝したんです。それを言えるようにするのが我々の仕事だろう。そのセリフに日本人の情緒が加わっているんだと。それから彼らは文句を言わなくなった。むしろこういう風にしていいかと相談してくれるようになって」と、名優の忘れがたいハプニングに思いをはせていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『オルジャスの白い馬』は新宿シネマカリテで公開中(全国順次公開)

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