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水川あさみ主演で故・萩原慎一郎さんの歌集「滑走路」映画化 共演に浅香航大&寄川歌太

映画『滑走路』に出演する寄川歌太、水川あさみ、浅香航大
映画『滑走路』に出演する寄川歌太、水川あさみ、浅香航大

 32歳の若さで命を絶った歌人・萩原慎一郎さんの短歌集「滑走路」が、水川あさみ主演で映画化されることが25日、明らかになった。いじめや非正規雇用など、自身の経験をテーマに短歌を発表し続けた萩原さんの初にして遺作となった歌集から着想を得たオリジナルストーリーで、水川は将来への不安を抱える30代後半の切り絵作家にふんする。共演に映画『見えない目撃者』などの浅香航大と、新星・寄川歌太(よりかわ・うた)。今秋公開予定。

【写真】水川あさみ出演の2002年のホラー映画

 原作は、新聞やテレビなどでも取り上げられ累計8刷3万500部を記録した2017年刊行のベストセラー短歌集。映画では、厚生労働省で働く若手官僚が、NPO団体から非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ、自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、死の理由を調査し始めるというストーリーが展開する。

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滑走路
映画『滑走路』より(C)2020「滑走路」製作委員会

 浅香は、非正規雇用者の自殺問題に向き合いつつ、自らも過重労働に苛まれる厚生労働省の若手官僚・鷹野に。映画『燃えよ剣』(5月22日公開)などを控える16歳の寄川が、幼なじみをかばったことでいじめの標的にされる中学二年生の学級委員長を演じる。

 主人公の切り絵作家・翠を演じる水川は、本作の撮影を「萩原さんの短歌は読む人の心にそっと寄り添いながらも包み込み、心に響くエールをくれるなと思いました。映画では、それぞれの人生が交差し行き交いながら葛藤し決断し立ち止まり、前に進む姿は誰しもの背中を押してくれる作品になったのではないかと思っています。沢山の現場を助監督としても経験されてきた大庭監督ならではの細やかな視点や発想力は、一緒にいて刺激的かつ面白い経験をさせてもらい感謝しています。原作同様に、観ていただいた人の心に寄り添う作品になっていれば嬉しいなと願っています」と振り返っている。

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滑走路
原作本「滑走路」書影

 萩原さんの両親は「滑走路」の映画化に「息子萩原慎一郎が苦難を乗り越え希望へと編んだ第一歌集『滑走路』をイメージした映画化に心から感謝します。慎一郎が空を飛ぶための翼になると願った三十一文字が、皆様の心に届きますように祈っております」、弟・健也さんは「歌集『滑走路』は、いかなる逆境にも立ち向かい、努力を惜しまなかった1人の歌人が作り上げた作品です。兄は文学史に名を刻んでゆくと僕は確信しています。映画となる今こそ、萩原慎一郎の真骨頂を見せる時です」とコメントを寄せた。

 脚本は、1月期の連続ドラマ「やめるときも、すこやかなるときも」(日本テレビ系)も記憶に新しく、劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』の公開も控える桑村さや香。監督を、映画『マチネの終わりに』などの西谷弘監督作品や『シン・ゴジラ』などで監督助手、助監督として活躍してきた大庭功睦(おおば・のりちか)が務める。

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 浅香、寄川、大場監督のコメントは以下の通り。(編集部・石井百合子)

 浅香航大(鷹野役)
 多くの人がなにかと生きづらさをどこかで覚えるこの時代に、ささやかな希望を見出せる、止まり木の様な作品だと思いました。僕が演じた鷹野は、厚生労働省に勤める若手エリート官僚で、官僚の仕事は、想像を超える仕事量と情報量、責任感などに圧倒されましたが、鷹野の苦悩や葛藤を演じるうえで重要なピースとなりました。撮影に入る前の打ち合わせから印象的に感じた大庭監督の熱量の高さと、キャスト・スタッフ共に高い緊張感のなか撮影を終えた今、仕上がりをとても楽しみにしています。

寄川歌太(学級委員長役)
 大切なものを守ること、それを貫くことで自分が辛い状況になっていく。そこから逃れたいけれど、人を傷つけたくない。前を向いて歩いていくんだ。この一つ一つの思いを大切に演じ、そして僕自身葛藤もしました。その葛藤に大庭監督はいつも気づき寄り添って、僕の思いを丁寧に聞き出してくださいました。全ての撮影を終え、役から自分自身に戻った瞬間、涙が止まりませんでした。沢山の方に支えていただき、僕にとって大きな一歩となりました。是非観て感じていただきたいです。

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大庭功睦監督
 「非正規雇用の歌人が遺した歌集」という触れ込みをもって読んだ歌集「滑走路」でしたが、そういった触れ込みには到底収まりきらない豊かな感情の機微が感じられ、それらの歌を綴った原作者・萩原さんの繊細な感受性、優しい眼差しに思いを馳せました。考案した企画の端緒となったのは、web に数多く書かれていた、原作読者の方々の書評でした。萩原さんの歌を、まるで自分自身の事が歌われたかのように感受した読者の方々が、自らを投影しつつ気持ちのこもったレビューを多数書かれているのを目にし、その深い交流に感銘を受け、「この読者の方々を登場人物に据えた群像として、ストーリーを紡げないか」と考えたのです。桑村さんとの脚本作り、また、撮影の現場において常に心がけていたのは、萩原さんの「繊細な感受性、優しい眼差し」を失わないことです。それらが読者の方々の共感を呼び起こした大元にあるのなら、オリジナルストーリーとして作られる映画も、その感受性、眼差しに寄り添いながら作られていく必要があります。何よりも、原作者の萩原さんと、そのご家族、そして、原作歌集を愛する読者の方々を失望させてしまうような映画にだけは絶対にしてはならないと考えていました。その思いを心強いスタッフ、キャストらと共有して映画作りに臨みました。皆さまに映画としてしっかりとお返し出来るような作品になればと思っております。

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