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『浅田家!』中野量太監督&浅田政志、二宮和也の魅力を語る

浅田政志&中野量太監督
浅田政志&中野量太監督

 東京・丸の内の日本外国特派員協会にて二宮和也の主演映画『浅田家!』の記者会見が9月30日に行われ、本作のメガホンを取った中野量太監督と、本作の原案となった写真集「浅田家」「アルバムのチカラ」の写真家・浅田政志が登壇し、二宮の起用理由や撮影現場での様子を明かした。

『浅田家!』二宮和也、妻夫木聡、菅田将暉らの舞台裏ショット!

 本作は、家族写真を撮りながら成長していく主人公の姿を描く人間ドラマ。家族を被写体にした卒業制作が高評価を得た浅田政志(二宮)は、両親、兄と共にコスプレした姿を収めた家族写真を撮影した写真集「浅田家」を出版。プロの写真家として歩み始めるも、写真を撮ることの意味を模索していたとき、東日本大震災が発生する。

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 浅田は、「映画になったこともそうですが、二宮さんが僕を演じることがただただ信じられなかった。光栄です」と嬉しそうに感想を述べる。中野監督によれば、二宮をキャスティングしたのは「浅田さんを取材していろいろおしゃべりして、生き方などを聞いていると、ちょっといい加減だったり、だらしない部分もある。でも人に愛される感じもある。そういう部分を持っている役者さんじゃないと、この浅田さんの味は出ないだろう」という思いがあったからだといい、「二宮さんは、ひょうひょうとして人たらしのようなところもある。二宮さんが演じればすごいだろうなと思った」と起用の理由を明かす。

 劇中に使われている写真は、映画のために浅田が取り直したもの。写真集の写真に似せて二宮らキャストを相手に撮影を行なったが、浅田は写真の世界とは全く違った映画撮影の現場に驚かされたとのこと。「映画の現場を初めて見させていただいて、すごく多くの方が関係していてびっくりしました。自分が写真を作るときは10人もいない。それのはるか十数倍の規模で行われていて、それをまとめている監督を見てすごいなって。自分が映画を撮ることはないなと素直に思いました」と振り返る。

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 撮影現場での二宮の姿も新鮮だったといい、浅田は「二宮さんが演じられているところも間近で拝見させてもらったんですけど、台本を見ながらいろいろ考えて撮影に入るのかなと思ったら、何気ない感じで本番に臨んでいく。その姿にまずびっくりしました」と感心しきり。家族写真の再現で浅田自らカメラを二宮に向けた際も、「ちょっと違ったら(元の写真と)同じにならないので、それを無理やり合わせようとするんですけど、僕が完璧と思っても、二宮さんが『ちょっと違う』って。僕が気づかないところに気づいて微調整してくれた。いろんなところが見える人なんだなって驚きました」と話していた。

 本作は、第36回ワルシャワ国際映画祭の国際コンペティション部門と、第25回釜山国際映画祭のオープンシネマ部門への正式出品が決定している。中野監督は劇中で東日本大震災の模様を描いているが、「いつか撮らなきゃと思っていたテーマ。今回、浅田さんを通して東日本大震災を僕らしく撮ることができるんじゃないか」と語っていた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『浅田家!』は10月2日より全国東宝系にて公開

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