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櫻井孝宏が語る藤原啓治さんへの感謝 『羅小黒戦記』で立ち返った原点

妖精のフーシー役を務めた櫻井孝宏
妖精のフーシー役を務めた櫻井孝宏

 昨年字幕版が上映となり、SNSを中心に大きな話題を呼んだ中国発の劇場版アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』。日本語吹替版では、人気声優の櫻井孝宏が心の奥底に譲れない思いを秘めた妖精・フーシーを演じている。本作に身を投じて「自分の原点を思い出してワクワクした」という櫻井が、フーシーの魅力や、自身に影響を与えてくれた声優で、今年4月に亡くなった藤原啓治さんへの感謝を明かした。

【インタビュー動画】櫻井孝宏、体を使ってアフレコに挑んだ!

宮野真守との格闘シーンで「やっぱり強い!汗を流しました」

羅小黒戦記
(C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 中国のアニメーターでアニメ監督のMTJJ、寒木春華(HMCH)スタジオが制作した本作。人間の手による自然破壊で居場所を失った黒猫の妖精・シャオヘイ(花澤香菜)が、妖精のフーシー(櫻井)、人間でありながら最強の執行人でもあるムゲン(宮野真守)らと出会い、人と妖精の対立に悩みながらも、未来を切り開いていく姿を描く。

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 ひとりぼっちだったシャオヘイを、仲間として優しく迎え入れるフーシー。しかし彼は譲れない正義を抱いており、そのことがシャオヘイとの関係にも変化をもたらしてしまう。櫻井は「フーシーにすごく共感できた」と吐露。「起こす行動は正しいとは言えないのかもしれませんが、彼なりの覚悟と大義を持って、突き進んでいる。フーシーは決して悪事を起こそうとしたんじゃない」とフーシーに寄り添い、「だからこそ、悪者にはしたくなかった」とこだわりを語る。

 考え方の違いは、ムゲンとの対立に発展。激しいバトルを繰り広げることとなる。格闘シーンの迫力も見どころだが、「僕は“頭脳労働タイプ”を担当させていただくことも多いので、体当たりで戦っていく役柄は珍しいかもしれないですね」と新鮮な役どころになった様子。「格闘シーンは、台本には『ハッ!』『フッ!』といった掛け声が書いてありました。映像を見ながらそれがパンチなのか、キックなのかと詳しく確認して、一生懸命メモって。アクションの手数もものすごい量でしたので、緊張感もありましたね。一瞬も気が抜けないなと思っていた」そうで、アフレコも「汗をタラタラ流していました」と熱の入ったものになった。

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 バトルの相手であるムゲンを演じた宮野については、「さすがですよ!」と賛辞を惜しまない。「ムゲンは、一見クールで、感情を読み取れないような人。本当に強い人って、感情が波立たないので、どんな人なのか悟られないんですよね。そういう役を表現するのは、本当に難しいことなんですが、宮野くんは見事にムゲンを形作っていた」と惚れ惚れとし、「やっぱり強かったですよ!」とニッコリ。「フーシーはムゲンの強さを十分に理解して、認めた上で、戦いに挑んでいく。二人の関係性の描き方もすごく面白くて、やりがいがあるなと思って取り組んでいました」と充実感を明かす。

原点に立ち戻り「エネルギーをもらった」

羅小黒戦記
(C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 映像のクオリティーの高さも話題となっている本作。そんな中でも櫻井がとりわけ惹かれたのが「アクションシーン」だという。

 「カンフーっぽい要素を感じるアクションでもあって。男の子目線になりますが、やっぱりそういうのって、ときめいちゃうんですよね」と目尻を下げ、「静と動がかっこよく、美しく描かれている。超人的なアクションでありつつ、古式ゆかしいものを感じるような、柳のように流れるような動きもあって。僕はジャッキー・チェンの映画を観て育った世代なので、“魅せるカンフー”といったアクションが大好き。観ていてワクワクしましたし、真似したくなっちゃって。もちろん真似はできませんが(笑)」と楽しそうに話す。

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 さらに「故郷への思いなど、王道感があって、壮大かつ、普遍的なストーリーをきちんと描き切っている。だからこそ、僕も子どもの頃に戻ったような感覚になって、観終わった後には素直な感想がポロポロと出てくるような体験ができた。自分自身、原点に立ち返ることができたきっかけになった作品です」と得難い経験ができたといい、声優としても「エネルギーをもらったような気がしています」としみじみと語る。

忘れられない、藤原啓治さんからの言葉

櫻井孝宏

 本作を通して「原点に立ち返った」という櫻井。今や数々の話題作に引っ張りだことなっている人気声優だが、声優という仕事に興味を持ったきっかけはどんなものだったのだろうか。

 「子どもの頃にテレビを観ていたら、声優さんが出ていて。『声優は、声ひとつで、いろいろなものになれる。人間だろうが、動物だろうが、目に見えない精霊にもなれる』という話をしていました。その頃、僕は単純に『ドラえもんはドラえもんが話している』と思っていましたから、衝撃で」と笑い、「ほんの小さなきっかけでしたが、それが憧れにつながって、高校卒業後に声優という仕事に飛び込んでみようと思いました。それまでは成り行きで生きていたようなところがあったので、何かをやろうと行動を起こすこと自体、自分としてはすごく画期的なことでした」と心を動かされた過去を述懐。

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 「自分に可能性があるかもわからないけれど、とにかくがむしゃらでしたね。ありがたいことに運と縁に恵まれて、ここまで進んでこられました」と感謝をあふれさせ、前進する上で欠かせなかったのは「大切な人との出会い」だと心を込める。

 「養成所で中尾隆聖さんに教えていただき、僕の土台ができた。また、仕事を始めてから出会った方では、藤原啓治さんは、僕にとってとても大きな存在です。それは今でも変わりません。デビュー間もない頃から共演させていただいて、一緒に飲みに行ったりもさせていただいて。いつも気さくで、考え方や役へのアプローチ法も素敵。すごく影響を受けています」というが、こんな忘れられない言葉があるのだとか。

 「藤原さんとはお酒の席でお話しをさせていただくこともよくあったのですが、『オレさ、『KAIKANフレーズ』でお前がやった役、すごく好きなんだよね。それ以降、一回もいいと思ったことないんだけど』と言われて。それ以降も結構、共演させていただいていますけど! って(笑)。いつも見ていてくれているんだなと思ったし、当時のみずみずしさを忘れるなよということだったのかもしれません。頑張ろう! と思わせてくれる存在です」(取材・文・撮影:成田おり枝)

映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』は11月7日より全国公開

櫻井孝宏、体を使ってアフレコに挑んだ 映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』インタビュー » 動画の詳細
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