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濱口竜介監督『偶然と想像』がベルリン映画祭銀熊賞受賞

濱口竜介監督
濱口竜介監督

 『寝ても覚めても』などで知られる濱口竜介監督(42)の新作映画『偶然と想像』(劇場公開未定)が、第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。濱口監督は受賞に「会議室のようなリハーサル部屋で始まった時間が、このような結果にまで結びつきました。この物語の価値を信じて参加し、最高の演技をしてくださった役者の皆さんにこの場を借りて、御礼を申し上げたいと思います」とコメントを寄せた。

【写真】『偶然と想像』場面写真

 本作は、タイトル通り「偶然」と「想像」をテーマにした3話から成る短編集。濱口監督自身が『ハッピーアワー』などのプロデューサー・高田聡と共に企画を立ち上げ、2019年夏から約1年半をかけて製作。脚本も監督自身が手掛けた。キャストに、古川琴音中島歩玄理渋川清彦森郁月甲斐翔真占部房子河井青葉ら。

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 濱口監督は、これまで『寝ても覚めても』がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。黒沢清監督がベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した『スパイの妻<劇場版>』では共同脚本を務め、今後、村上春樹の短編小説を西島秀俊主演で映画化する監督作『ドライブ・マイ・カー』(今夏公開)が待機中。昨年は、映画監督の深田晃司ら有志と共に、コロナ禍で閉館の危機に陥った全国のミニシアターを支援するクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」に尽力した。

 濱口監督、キャストのコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)

<濱口竜介監督> 
 映画『偶然と想像』がベルリン国際映画祭審査員グランプリ(銀熊)賞を受賞しました。経験豊かな監督たちが揃った「審査員からの賞」が贈られたということを心から嬉しく、誇らしく思っています。撮影中ずっと、役者の演技を見ながら、カメラの後ろで驚いていました。その驚きが海を超えて伝わったことに感激しています。この映画、一番の見どころはと問われたら「役者の皆さんの演技」だと答えます。会議室のようなリハーサル部屋で始まった時間が、このような結果にまで結びつきました。この物語の価値を信じて参加し、最高の演技をしてくださった役者の皆さんにこの場を借りて、御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。そして、その役者の演技を支えるようにして、献身的に仕事をしてくれたスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。演技の素晴らしさは皆さんがつくってくれた環境から生まれたものです。今はなかなか集まる機会が持てませんが、早く皆さんと喜びを分かち合いたいと思います。そして、ベルリン国際映画祭にも改めて御礼を申し上げます。この映画を見つけてくれて、ありがとうございました。審査員グランプリ賞、とても光栄に思っています。

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<古川琴音>
 受賞の知らせを聞いて、とても嬉しく思います。このような素敵な作品に参加出来たことを幸運に思います。私の俳優としてのキャリアはまだ始まったばかりですが、ひとつひとつの仕事をより一層大切にしていこうと、身の引き締まる思いです。

<中島歩>
 「人を振り向かせる声」を探すところから始まったこの作品が、ひとつの大きな成果を得たことに興奮しています。それぞれが創造力を発揮し、信じ合えた結果だと思います。

<玄理>
 濱口監督の書く物語と言葉、独特のリハーサル期間、穏やかな表情に見透かされるような目、今日の台本はどんな台詞が、シーンが加えられているんだろう...まだここ数年の出会いなのに毎度濱口監督の現場に行く時間がいちばんの楽しみでした。その俳優としての喜びがスクリーンを通して今回ベルリン映画祭の審査員の方々に伝わったんだなと思うと感無量です。自分の信じる力をもう一度信じてみたくなりました。濱口監督、そしてスタッフキャストの皆様、おめでとうございます。
 
<渋川清彦>
 やったぜ! 濱ちゃん、おめでとう!常に進歩しながらも変わらない濱口節というか濱口竜介が好きです。ベルリンの地で祝杯をあげたかったが仕方がないので、PCR検査を受けて東京で祝杯をあげたいところですね。これからも希望をみせてください。この作品に限らず声をかけてくれてありがとう!またよろしく!

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<森郁月>
 銀熊賞受賞と聞き、感激しそして大変嬉しく思います。強い意志を持って完成まで導いてくださった濱口監督、そしてスタッフ、キャストの皆様に感謝します。この作品を撮影した頃から完成までの間に、世の中の状況は大きく変化しましたが、この受賞を機に、世界中の皆様の元へこの作品が届くことを願っております。

<甲斐翔真>
 銀熊賞受賞の吉報を耳にして、大変嬉しく思っております。この映画では、今までの自分にはない、挑戦的な役を演じさせて頂き、濱口監督の世界観にどっぷり身を任せ、見たことのない景色を見せて頂きました。この賞をきっかけに、海を越えて、より多くの方に届いて欲しいなと思います。

<占部房子>
 「時間をかけて作品を作りたいんです」と、共有する全ての時間を真摯に謙虚に創造していく濱口監督が作り出す時に身を置き、素晴らしい経験をさせて頂きました。『偶然と想像』は他者の内面に入り込む様で、実は自分の内面がすでに持ち合わせて居るのかも知れないと、深い驚きを体感する作品ではないかと思います。どうぞ、多くの方が濱口監督の作品世界を存分に楽しまれますように!

<河井青葉>
 銀熊賞!ばんざい!濱口監督の映画作りは私にとっても、映画界にとっても未来を切り開く一歩だと思っています。丁寧に時間を重ねるということの大切さを改めて感じる経験で、今回このような素晴らしい賞を授かったことはまさにその答えなのではないかと思っています。心からおめでとうございます!

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