新スネークアイズ俳優、るろうに剣心ファンだった！谷垣健治の殺陣は「唯一無二」

　映画『G.I.ジョー』シリーズ最新作『G.I.ジョー：漆黒のスネークアイズ』（10月22日全国公開）で主演を務めるヘンリー・ゴールディングが、コロナ禍前の2020年2月に茨城県のロケ施設でインタビューに応じ、日本での撮影やアクション監督を務める谷垣健治とのタッグについて語った。

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　米玩具会社ハズブロのフィギュアから派生したアニメをベースに、国際機密部隊G.I.ジョーと悪の組織コブラの戦いを描く『G.I.ジョー』シリーズ。最新作は、G.I.ジョーに所属する戦士スネークアイズが真の忍者になるまでを追う内容で、日本の平和を守る忍者組織・嵐影に入門したスネークアイズが、抜け忍集団とコブラの連合軍に立ち向かう。

　スネークアイズのオリジンストーリーであることから、最新作ではキャストを一新。過去2作のレイ・パークに代わり、2018年公開の『クレイジー・リッチ！』で頭角を現したヘンリーがスネークアイズ役に起用された。漆黒マスクをかぶり、その過去すらも明かされなかったスネークアイズだが、本作では「自分に自信が持てず、進むべき道が定かではないといった、ある意味で人生の岐路に立たされている」とヘンリーは説明する。

　「この映画では、彼がなりたい自分を見つけ、我々が知るところのスネークアイズへと進化・成長していくまでの自己探求の旅路が描かれます。その過程で彼はたくさんの失敗や過ちを犯し、そこから大切な教訓を学び、最終的には新たな自分へと生まれ変わるわけです。悩み、迷い、試行錯誤を重ねながら、厳しい試練を乗り越えてなりたい自分、なるべき自分を見出すという物語は、新シリーズの立ち上げという点でもピッタリなのではないかと思っています」

　本作は、内閣府が初めて実施する「外国映画ロケーション誘致に関する実証調査の対象作品」に選定されており、姫路・大阪・茨城といった日本各地で大規模な長期ロケが行われた。茨城県内のロケ施設にも嵐影一門の本拠地が再現され、ヘンリーふんするスネークアイズが屋根の上を疾走しながら戦うド派手なアクションシーンなどが撮影された。

　「フィルムメーカーなら誰しもが、日本で映画を撮ることを夢見ていると言っても過言ではない」とヘンリー。過去にタッグを組んだ監督たちに「次回作は日本で撮影するんだ」と伝えると、それぞれが「オーマイゴッド！」と口にしていたという。妻の仕事の都合や旅番組のロケで頻繁に日本を訪れていたそうだが、「こうして映画の撮影で長期間滞在できて、本当に嬉しく思っています」と目を輝かせる。

　本作の見どころとなるアクションを監督したのは、先ごろ完結編も公開された映画『るろうに剣心』シリーズなどで知られる谷垣健治だ。海外でも活躍する谷垣は、スネークアイズの俊敏性を存分に生かした忍者アクションを目指し、ワイヤーを使っての大規模なスタントや激しい殺陣を演出していった。

　『るろうに剣心』はヘンリーお気に入りの映画だそうで、「『Samurai X』（『るろうに剣心』の英題）が大好きでよく観ていました」とファンであることを告白。製作陣から谷垣がアクション監督を務めると聞かされると、「えーーっ!?」とリアクションしてしまったそうだ。谷垣が演出する日本刀を使った殺陣を「唯一無二」と絶賛したヘンリーは、「トレーニングは正直かなり厳しかったです。カナダのバンクーバーで1か月半ほど猛特訓を受けたのですが、終わる頃にはもう身体のあちこちが痛くて痛くて……（笑）」と過酷な準備期間を回顧しつつ、「でも彼（谷垣）のおかげで、ハリウッド映画では見ることが出来ない古典的かつスタイリッシュな、とてもユニークな武術・格闘スタイルになったと思います」と笑顔で語っていた。（取材・文：編集部・倉本拓弥）