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『ジュラシック・ワールド』サム・ニール、グラント最大の後悔はエリーとの破局 21年ぶり再演への思い

新旧『ジュラシック』主人公がついに共演! - 画像は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』より
新旧『ジュラシック』主人公がついに共演! - 画像は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』より - (c) 2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

 映画『ジュラシック・パーク』(1993)で主人公アラン・グラント博士を演じたサム・ニールが、最新作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で約21年ぶりにシリーズ復帰を果たす。全米公開(6月10日)に先駆けリモートインタビューに応じたサムが、グラント博士再演への思いや、1作目公開当時の来日エピソードなどを語った。

レジェンド再集結!『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』特別映像

 サムが演じるグラント博士は、恐竜の化石の発掘に人生を捧げる古生物学者。『ジュラシック・パーク』では助手で恋人のエリー・サトラー(ローラ・ダーン)や、数学者イアン・マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)と共に、肉食恐竜たちの襲撃から生還した。第3弾『ジュラシック・パーク III』(2001)では再び恐竜が生息する島を訪れ、行方不明となった少年を救出するために奔走した。

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 『ジュラシック・パーク III』以来、21年ぶりにグラント博士を演じるサム。再演のきっかけは、メガホンを取ったコリン・トレヴォロウ監督も出席していたというシッチェス・カタロニア国際映画祭(SF、ホラーなどに特化した映画祭)でのランチだった。「シッチェス映画祭に出席していた時、偶然コリン・トレヴォロウ監督も居合わせて、彼から『新作について話がしたい』とランチの誘いがあったんです。私はその年、名誉賞を受賞したので、授賞式の直前にコリンとランチをして、『ジュラシック・ワールド』の次回作で何がしたいのかを聞きました」

 1作目で共演したジェフは、前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』でもマルコム博士を演じていたが、登場時間はカメオ出演程度の短さだった。シリーズ復帰にあたり、サムは『炎の王国』でのマルコム博士のような役割を務めるつもりはなかったという。「コリンから話を聞いた時、カメオ登場としてのグラント再演は引き受けないと伝えました。2日間程度で撮影をして去るような形での出演は、一切興味がないからです」。監督とのランチ後、サムはすぐにローラに電話をしたそうで、「彼女には『コリンに会ったよ、彼は素晴らしい。彼のアイデアはすごく興味深いんだ。君が(出演を)引き受けるなら、私もやる』と伝えました」と復帰についてのやりとりを明かした。

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 最後にグラント博士を演じてから21年が経過したが、サムは「私はグラントを誰よりもよく知っている人物だから、(再演にあたって)特に準備はしませんでした」と自信をのぞかせる。「グラントを再び演じることは、言い換えれば古い靴を履くことなんです。少し薄汚いけど履き心地はすごくいい。すぐ足に馴染みますしね。履いた靴が古くなっただけなんです」

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元恋人エリー博士とも再会 - (c) 2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

 最新作でのグラント博士は「年を取って、 より気難しくて無愛想な男になっている」と説明するサム。恐竜が人間社会に解き放たれた世界で、グラント博士はどのような生活を送っているのか。「化石発掘は今でも得意ですよ。恐竜たちが散らばった世界は、グラントには合わない。彼は科学と新種の発見が大好きで、今の世界には全く興味がありません。過去のトラウマ体験だってあります。彼は二度死にかけていますから(笑)。彼は静かな生活を望んでいて、一人で好きなことをして暮らしたい。彼にとって唯一の後悔は、エリーと別れてしまったこと。彼女はグラントの全てだった。彼は(彼女との試練を)乗り越えることができませんでした。子供を授かり、家族を築く準備ができていなかったんです。それこそ、グラントの最大の過ちです」

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 親日家で知られるサムは、「日本や日本文化にいつも夢中なんです。当たり前だと思っていることや、そうでないことまで、私は日本に魅了されています」と明かすと、今から約30年前、1作目のプレミアで日本を訪れた時に体感した日本人の映画鑑賞マナーについて、当時の心境を思い出しながら語った。

 「他の国で『ジュラシック・パーク』のプレミアを開催した時は、観客がみんな叫んだり、笑ったりと大盛り上がりだったのですが、東京では序盤から映画館がシーンとしていて、沈黙が続いたんです。上映が終わり、ライトがついた瞬間、私は『マズい、日本人は映画が気に入らなかったのか』と思いました。私たちは大きな間違いを犯した。日本でこの映画は売れないと、心が折れてしまった(笑)。しかし、映画館から出ると、作品を観た人たちが私たちを待っていてくれて、絶賛してくれたんです。文化の違いを体感して非常に興味深かったです。日本の方はとても礼儀正しく、鑑賞中は叫んだり、笑い声を発したりしないというのを学びました」

 来年は『ジュラシック・パーク』1作目が公開30周年を迎える。「私は100本近く映画に出演してきて、自分のTwitterにも公式マークがついた。私の名前だけを見ただけで誰だかわからなければ、“ジュラシック・パークに出てた男”と言うだけですぐわかる。映画一本で自分自身を表現するなら、迷わず『ジュラシック・パーク』を選びます」と感慨深げに話したサムは、「『ジュラシック・パーク』は30年前の映画かもしれないですが、特殊効果やアニマトロニクスの恐竜は今でも通用しますよ」と30年経っても色褪せぬシリーズへの愛を語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は7月29日全国公開

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