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新海誠監督『すずめの戸締まり』でヒロインに抜てき!原菜乃華、19歳の素顔とは?

原菜乃華、19歳の素顔とは?
原菜乃華、19歳の素顔とは? - 写真:奥山智明

 大ヒット作『天気の子』から3年、新海誠監督による待望の新作『すずめの戸締まり』で、1,700人超のオーディションを経てヒロインの鈴芽役に選ばれた原菜乃華。サプライズでの合格発表を経て「すごいことが起きてしまった!」と驚く19歳の素顔とは?

【動画】原菜乃華、覚悟が決まった年『すずめの戸締まり』インタビュー

ヒロイン役に抜てきで「声優さんって本当にすごい」

 謎の猫に導かれ、災いの元となる扉を閉める旅に出ることになる女子高生・鈴芽の成長を描く『すずめの戸締まり』。叔母の環と暮らしていた鈴芽を演じる原はこれが声優初挑戦だったが、「アフレコ中は自分の声が思うように扱えなくて、凹む瞬間がたくさんありました。それで毎日、声優さんって本当にすごいな……って」と驚くさまも初々しい。

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 準備のため、事前に動きのついた絵コンテであるVコンテを渡されたそうで「新海監督が声をあててらっしゃるのですが、どのタイミングでセリフを言い始めるか、どれくらいの尺で言わないといけないのか? 画を見ただけでわかるくらいまで繰り返し観ました。アフレコに入ってから柔軟に対応出来なくなるのが怖かったので、鈴芽の内面についての役づくりは固め過ぎず、必要最小限に。アフレコで演出をつけていただいたときに混乱しないようにと考えていました」としっかりした口調で語る。

 新海監督の演出については「1から10まで教えていただきました。一言一言、細かく演出をつけてくださって、納得いくまでやらせてもらえたのが嬉しくて。最終的に全体のバランスを見てどのテイクを選ぶかを決めるため、とにかくたくさん、いろんなパターンを録りました」という言葉からは奮闘が伝わるが、鈴芽を演じる彼女の声は感情表現も多彩。巧みなボーカリストのように、聴く者の耳に気持ちのいい声の響き方までマスターしている。

 「声でしか表現できないので、細かく組み立てをします。一度録ったものをすぐ流してくださるので、その場で確認できるんですけど、自分の意図とかニュアンスが伝わっていないなと思うことが多くて。その感覚のズレをすり合わせる作業をたくさんしました。まるでミリ単位の微調整で、本当に勉強になりました」

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松村北斗との“共闘”の日々

 劇中、鈴芽と行動を共にするのが、扉を締めてカギをかける「閉じ師」として旅を続ける草太。その声を担当した松村北斗も声優初挑戦だった。原とは8歳という年齢差だが、「私が好きなアニメの話で盛り上がって……いえ、松村さんとはアニメの話しかしてません(笑)。私が早口でば~っ! と話すのを『そうだね、わかるよ』とお兄ちゃんのように優しく聞いてくださって」と、よき空気感が伝わるよう。

 一緒のシーンでは「本当に心強かったです」と共演者としての松村に感謝を示す。長いアフレコ期間を過ごし、「初日はとても不安で。すると隣で発声練習をしながら、松村さんが『出来ない~!』と叫んでいらして。それでちょっと、肩の荷が下りました(笑)。大丈夫だよ! と肩を叩いてくれるような頼もしさのある方も素敵ですけど、一緒に戦ってくれているのを感じて嬉しかったんです」と“共闘”の日々を振り返る。

 そうして完成した映画を観て、「言葉で表せないくらいに素敵な映画で」と感激した様子を隠さない。続けて、「たくさんの方が寝る間も惜しんで、ギリギリまで制作して。大変な熱意を持って作り上げたことが、画面を通して伝わってきました。早くこの熱を皆さんに感じてもらいたいと思いましたし、是非映画館の大画面で、大音量で観てほしいです!」と声に一層の力を込める。

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難役に挑む19歳、演じることへのストイックな思い

 そんな彼女、実は女優の仕事を始めたのは6歳からというキャリアの持ち主。13歳のときに『はらはらなのか。』で映画単独初主演を果たし、映画『罪の声』では事件に巻き込まれた中学生役、ドラマ「ナンバMG5」では間宮祥太朗演じる主人公のヤンキーな妹、「村井の恋」では片想い中の男子が年上女性に思いを寄せていると知ってシャドーボクシングをする女子高生(?)と、一筋縄ではいかない役を数々演じてきた実力派。人知れず抱えているものがあるなど、裏の顔を持つ役が多い理由を本人は「なんなんですかね? 暗い役が似合うのでしょうか(笑)。でも、いろいろな顔を持つキャラクターは好きなので、演じるのは楽しいです」というから頼もしい。

 日ごろ演じる上で意識しているのは「まず演じるキャラクターの役割を考えます。それで具体的には、出来るだけ動きながらお芝居しようと思うんです。こういうキャラクターならどういう仕草をするか? 癖は? と考えて」というから、声優を経験した今、表現の“手札”が増えたのは事実。更なる進化が期待できるだろう。

 今年は高校を卒業して社会人1年目にあたる年で、「ギリギリのタイミングまで、大学進学を迷いました。けれど退路を断って進学せず、芝居一本で頑張ろう! と覚悟を決めて。以前とはお芝居に向かう気持も少し違うのかな」とと表情をきりりと引き締める。その選択をした理由については「器用ではないので」と原。高校時代を振り返り、「学校の勉強をしながら、お芝居に100%打ち込めていないと思う瞬間があって。学業と両立できる自信がなかったのが大きいです」と演じることへのストイックな思いをのぞかせる。

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 一方で、「高校生活を謳歌できなかったところがあるので、制服を着て遊園地とか、いろいろなところに行きたいんです」と楽し気に話す様子はごく普通の19歳の女の子。高校の制服で遊園地? よくわからなくなっているこちらの様子をきょとんと不思議そうに眺めながら、「高校時代はブレザーでしたが、セーラー服が好きで! 以前あるオーディションのとき、その役のイメージに合わせてセーラー服を選んだことがあって。自分のものを持っているんですよ」とファッションとして制服を楽しんでいるのだと教えてくれた。

 子役から着実に歩んできた女優としてのプロ意識と、年相応のかわいらしい女の子の面と。賢くバランスを取りつつ歩んでいく未来が見えるよう。『すずめの戸締り』のヒロインに抜てきされるという「スゴイこと」の真意を少しずつ実感する日々に「合格発表のとき、とんでもないことが起きてしまった! といろいろな気持ちが押し寄せてきました。とりあえず目の前のアフレコに集中しよう! と、そうした気持ちを心の扉の中に閉じ込めたんです。今も完全に実感が湧いたわけではありませんが、映画を観てくださった方の顔を見たとき、本物の実感が湧くのかもしれないなと思っているんです」。(取材・文:浅見祥子)

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