「べらぼう」歌麿の“別れ話”が悲しすぎる…「究極の恋愛ドラマ」「蔦重のばか」

横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の9日放送・第43回では、長年蔦重(横浜)に密かに思いを寄せていた喜多川歌麿(染谷将太)が苦渋の決断を下す展開となり、SNSでは歌麿の心中を慮る声や相変わらずの蔦重の鈍感ぶりに反応する声で沸いた(※ネタバレあり。第43回の詳細に触れています)。
「裏切りの恋歌」という何とも意味深なサブタイトルがつけられた第43回。蔦重が歌麿の描く五十枚の女郎絵の完成を前に胸を高鳴らせる一方、歌麿は物憂げな表情。やがて、蔦重はひょんなことから歌麿が西村屋と組むと耳にする……。
蔦重の亡き母つよ(高岡早紀)は歌麿の恋心に気付き「このままじゃあの子は“一生”“これっぽっちも”あんたの気持ちに気づかないよ」と案じていたが、その言葉通り蔦重はいつまで経っても気づく気配がない。意中の相手に思いを馳せる遣手(やりて)や水茶屋の娘らに「いい面してる」と目を細め「恋心を描いていた」という歌麿に対し、蔦重は「おきよさんみたいな人見つけたのか!」「ここんとこのおまえを見て、いい人を探してんじゃねえかって」と目を輝かせ、視聴者たちの「違うよ」「そういうとこだぞ」「何言ってんの?」とツッコミが相次ぐ中、歌麿は「俺に女ができんのがそんなにうれしいのかって…」とガッカリ。
「で、誰なんだよ?」(蔦重)、「言えねえな。俺が好きなだけで向こうは脈なさそうだし」(歌麿)、「俺が橋渡ししてやるよ」(蔦重)、「いいよ…」(歌麿)、「じゃあ、うまくいったら教えてくれよ」(蔦重)と噛み合わない会話が延々と展開。歌麿は「“俺が”恋をしていたからさ」とまで言っており、おそらく蔦重以外の人は全員気付くのではないかというほど恋心を匂わせていたが、ここまでしても蔦重は全く気付かず、歌麿はおもむろに「俺、蔦重には言わねえよ」「蔦重とはもう組まない」と決別を切り出した。
この一部始終にSNSでは一斉に「あんただよ」「鈍すぎて…」「蹴とばしたい」「地雷を踏み抜く蔦重」「この鈍感は治らないんだろうなぁ」「この期に及んで気づいてない蔦重」「この阿呆!」「グサグサくるからやめて」と蔦重へのツッコミが。
訳が分からず「なんでもするから考え直してくれ」と混乱しながら頭を下げる蔦重に対し、歌麿はかつて西村屋に指摘された、絵に自分の名よりも蔦重の名が上に記されている件を持ち出し、さらに「じゃあ俺を、あの店の跡取りにしてくれよ」「あの店俺にくれよ」とあえて無理難題を突き付け、最後は「おていさん(橋本愛)と子をとびきり大事にしてやれよ」と打ち切った。
歌麿の「蔦重は俺の欲しいモノなんて何一つくんねえんだ」という言葉にも成就しない恋の哀しみが感じられ、歌麿に対して「蔦重には言わないよ…ではなく、言えないよ…だよね」「積もり積もったものがあるわな…」「歌はもう限界なんだな…」「精一杯の決別」「究極の恋愛ドラマ」「別れ話が悲しすぎる」「切ない」と同情、共感が寄せられ、蔦重に「なんでもなんて言うから…」「もう歌を自由にさせてほしい」といった意見も。
蔦重にとって歌麿は弟であり、当代一の絵師。歌麿の心中を表すかのように降り注ぐ雨の演出も効果的で、蔦重が心を込めて歌麿にしたためた謝罪の手紙(やはり歌麿の気持ちには気づかず)が余韻を残し、今後の二人の関係が注目される。(石川友里恵)


