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『愛についてのキンゼイ・レポート』リーアム・ニーソン単独インタビュー

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『愛についてのキンゼイ・レポート』リーアム・ニーソン単独インタビュー

取材・文:高山亜紀 写真:FLiXムービーサイト

『キングダム・オブ・ヘヴン』の剛健な父親ゴッドフリー、『バットマン ビギンズ』ではバットマンを鍛え上げるデュカード、そしてジェダイ戦士、クワイ=ガン・ジンを演じた『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』。スクリーンのリーアム・ニーソンはいつも偉大なカリスマだ。最新公開作『愛についてのキンゼイ・レポート』では偉人で、そのうえ異端児だったキンゼイ博士を熱演。チャレンジングな役づくりから、異色作ゆえの周囲の反応まで、穏やかな物腰で丁寧に語ってくれた。

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キンゼイ博士は執着心の塊

Q:指導者的な役柄は多いですが、キンゼイ博士はセンシティブな面もありますね。演じてみてどうでしたか。

複雑な人物でしたね。すごい執着心がある人なんです。何せ、20年かけて、タマバチを800万匹も集めたような人なんだから。僕も400万までは見たんですよ。いまでも科学博物館にディスプレイされていますからね。彼は性についても非常に混乱していました。そして、アメリカ社会における若者の性の無知さに驚き、その部分の知識の欠落を埋めようとして、必死に研究を続けた人でもあります。その点では彼の目的は、ほぼ達成されたんじゃないでしょうか。とてもいろんな面を持っている人物で、演じていて魅了されましたね。

Q:実在の人物を演じるのと、架空の人物を演じるのとでは、役づくりは変わってくるのでしょうか。

実在した人物を演じるときには、やはり責任感を感じます。この人物の真のエッセンスを出せるかという挑戦がありますから。今回はキンゼイ博士が亡くなる一年前にインディアナ大学で講義した模様がテープに残っていましたので、それを手本に、彼の話し方のリズム、動きなど、肉体的な特徴をすべてとらえました。ただし、僕が一番関心のあったのは、彼の魂をとらえることができるかどうか。きちんとこの人を演じられるかどうか、監督とはいろいろ話し合いました。彼をいかに正しく再現できるか……難しかったですね。

ローラは親友

Q:キンゼイ博士とローラ・リニーが演じた奥さんは第三者から見れば、一風変わった夫婦ですが、とても強い絆で結ばれていましたね。

そうなんです。僕は、この映画自体、まさに2人のラブストーリーだと思っています。彼らは本当に強く結ばれていたんです。彼は奥さんの存在があったからこそ、いろんな目的を達成できたんじゃないでしょうか。確かにキンゼイにはゲイなど、複雑な関係はあったのですが、それでも奥さんとの関係は強靱だったようですね。今回は相手役がローラだったので、演じやすかったんですよ。彼女は僕と僕の妻の親友で、共演もこれで三度目になりますから。

ストレートな性描写

Q:かなり性描写がストレートですが、奥さん(女優のナターシャ・リチャードソン)はご覧になったのですか。

もちろん。妻は心から気に入ったようでした。ただ、試写室に妻が彼女の家族(ナターシャの母はヴァネッサ・レッドグレーヴ。妹はジョエリー・リチャードソン。どちらも超有名女優。叔母のリン・レッドグレーヴは本作に出演している)と現れたときは、ちょっと気恥ずかしかったですけどね。家族で観に来るなんて! 実は妻は僕の一番の批評家なんです。彼女が試写を見ている間は気が気じゃなかったですよ。もし、ノートにびっしり問題点をチェックしていたら、どうしようなんてね。まぁ、今さら、ダメ出しされても、やり直せないんだけど(笑)。見終わって、彼女が「すっごく良かった! いい映画だわ」と言ってくれたときはホッとしました。ただし、僕の母はこの映画は絶対見ないって言い張っているんです。キンゼイという名前すら口に出さないほどなんですよ。

Q:私もこの映画を家族で観るのは躊躇(ちゅうちょ)しますね。

それは僕も同感です(笑い)。

『愛についてのキンゼイ・レポート』 は8月27日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて公開。

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