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『ALWAYS 三丁目の夕日』堤真一、吉岡秀隆単独インタビュー

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『ALWAYS 三丁目の夕日』堤真一、吉岡秀隆単独インタビュー

取材・文: 森祐美子、写真: FLiXムービーサイト

『ALWAYS 三丁目の夕日』は、東京タワー建設中の昭和33年を舞台にした心温まる物語。個性豊かな下町の面々が繰り広げるほのぼのとしたエピソードが、観る者を優しい気持ちにさせてくれます。『ジュブナイル』『リターナー』と、これまでSF映画を撮ってきた山崎貴監督が、その高度なVFX技術を生かし、当時の町並みを完全に再現しているのも話題です。本作で、売れない小説家・茶川竜之介を演じる吉岡秀隆さんと、茶川と何かにつけて対立する自動車工場の社長・鈴木則文(通称:鈴木オート)を演じる堤真一さんに作品の魅力などを伺いました。

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CGもセットも最高に気に入っています

Q:再現された東京の町並みを、完成した映像でご覧になった感想は?

堤:すごいですよ。ほんとびっくりしました。

吉岡:こういうCGの使い方ってすてきだと思うんですよ。昭和33年の風景を再び見せてくれるっていう。それを、当時を知らない若いスタッフで作り上げたっていうところに意味があるんじゃないでしょうか。

Q:現場で山崎監督ならではの"力"を感じた瞬間はありますか?

堤:僕は監督と同い年なんです。演技について遠慮なくどんどん言ってくれたので、信頼できましたね。一方で、休憩時間になったら子役と一緒に遊んでるんですよ(笑)。だから現場のムードはすごく良かったんです。それを生み出したのは、監督の力だと思います。それからあの素晴らしいセット、空間も良かったです。最初セットに入ったときは、あまりにも精巧にできていたので驚きました。撮影中は、薬師丸さんも僕もずうっと自分たちのセットの中にいました。スタッフの邪魔になったりもするんですけど(笑)。

吉岡:(笑)。

堤:なるべく家の中にいて、どこかに触れているっていう感じでした(笑)。ずっと暮らしている家という設定ですから、その場所に違和感を覚えていたら演じられないんですよね。セットは映像には映らないような細部にまで気が配られていて、とにかく役者が馴染めるというか、ちゃんとその家を愛せるような状況を、監督とスタッフがみんなで作ってくれました。

一緒に演じていて信頼できる相手

Q:監督の演出はいかがでしたか?

吉岡:僕はこれまで昔から知っている監督と何度もお仕事させてもらうことが多くって、監督の意図するものがわりとすぐ読み取れることもあったんです。でも、今回は監督からどういう注文が来るかがわからなくて、緊張感の抜けない現場でした。だけど、今にして思えば、最後まで慣れなかったのが良かったのかもしれないです。役者さんも初めて共演させていただく方たちばかりでしたし、いい緊張感が現場には流れていました。みんなが真剣になって監督の意図を読み取ろうとしていた、それが良かったんじゃないかなと思います。

Q:初めての共演はいかがでしたか?

堤:ちゃんと会話ができるっていうか、一緒にやっていて信頼できるんですよね。そういう方と仕事をすると、芝居をしていることを意識しなくなるので、ほんとに楽しかったですね。演じていると自分が生き生きとしてくるし、これから何が生まれるんだろうっていう期待感も得られました。

吉岡:空き地の土管の上でお金の貸し借りをしているシーンを、僕の好きな監督が「あそこがとても印象に残った、いいシーンだった」って言ってくださったんです。僕もああいう何気ない描写が好きだったりするのでうれしかったですね。あそこのやりとりは、やっぱり鈴木オートを堤さんが演じてくれたから、すんなりとできたんだと思います。共演させてもらってほんとに光栄でしたね。

日本人はちゃんと助け合える

Q:この作品で描かれる人間関係をどう思われますか?

吉岡:うらやましいですよね。みんな困ったときは助け合うんです。きっと当時はみんな貧しくて、そうしなければ生活していけなかったんでしょうね。それぞれの人がお互いの性格をわかった上で、優しい気持ちで見守り合っているっていう力強さがある。いい人間関係だなって思います。

堤:基本的に日本人って、隣近所を大事にしたり、助け合ったりする気持ちがすごく強いと思うんですよ。僕は兵庫生まれで、神戸の震災のときには友達も被災したんですけど、みんな助け合っていましたよ。人は皆根本的に優しい気持ちを持っているから、何かがあったときにはきっと、ちゃんと助け合えると思うんです。この映画でそういうことをふと感じましたね。ここで起こることって、ほんとささいな出来事だらけなんです。でも、そのすべてが、温かいというか、優しいというか、人として当たり前のことが一杯詰まっている。この映画を観た後、温かい気持ちになれました。だから大好きですね。

50年後の夕日を想像して……

Q:吉岡さんは観終わった後どんなことを感じられましたか?

吉岡:この時代の人たちが、未来や未来の僕らのことをなんとなく思いながら、一生懸命生きてくれたおかげで、今があるんですよね。(鈴木家の一人息子)一平くんのセリフに、「50年先だって夕日はきれいだよ」とあるんですけど、僕はこの映画を見終わったときに、「じゃあ今から50年先ってどうなってるんだろう」ってなんとなく考えたんです。そういう意味では、時代をさかのぼって昔のことを描いているけれど、未来につながる映画だし、それもすてきだと思います。とっても健全というか、こういう作品って、ありそうでなかったし。この映画がきっかけで、日ごろ忘れがちだった何かを思い出していただければ、僕たちもほんとに嬉しいです。


優しい口調でその場をなごませてくれる吉岡秀隆と、ときにジョークを交えながら周囲を楽しませてくれる堤真一。ひとつひとつの質問に、真摯(しんし)に答えてくださったおふたり。その姿からは、撮影現場の充実した雰囲気と、お互いの信頼関係が伝わってくるようだった。

『ALWAYS 三丁目の夕日』は11月5日から全国東宝邦画系にて公開。

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