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『ポセイドン』カート・ラッセル 単独インタビュー

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『ポセイドン』カート・ラッセル 単独インタビュー

取材・文・写真:FLIXムービーサイト

6月3日から公開される『ポセイドン』で、娘との関係に悩む元ニューヨーク市長、ラムジーを演じたカート・ラッセルが来日した。上下が逆さまになったセットの中、チューブを通して送られてくる酸素だけが頼りだったというハードな撮影は、どれほどの過酷さを要求されたのか? そして55歳になっても、なお若手に負けないアクションを体当たりで演じているカートの若さの秘訣とは? アメリカで最も愛されているおじ様ヒーローにそのすべてを語ってもらった。

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<ホースからの空気を頼りに行われたハードな撮影>

カート・ラッセル

Q:『ポセイドン』の撮影は映画を観る限り、とても大変そうでしたね。どのくらいハードだったのでしょうか?

僕の場合は肺炎にかかるほどハードだった(笑)。君の言うとおり、本当に大変な撮影だったよ。ああいう環境では必ず誰かが病気になったりするんだ。水の中のシーンは、3週間半にわたって、撮影の終盤に行ったんだけど、すべてがひっくり返った状態で、水に25フィート浸かっているセットを使用したんだ。大変だったのは、出入りに時間がかかりすぎるために、一度セットの中に入ったら出られなかったこと。誰かがホースで空気を送ってくれるのだけが頼りで、それも心理的にキツかったね。

Q:セット自体は、危険な環境ではなかったのですか?

100%安全ではなかったね(笑)。というのも、セットの壁からたくさんのケーブルが出ていて、それが水の中を通って照明やカメラにつながっていたんだ。だから、常に感電の心配があった。それが撮影で1番、僕を悩ませたことかな。物が飛んできて当たったり、燃えているものが当たったり、何かにぶつかってケガをするなんてことは、どんな撮影にもつきものだからあまり気にならなかった。

Q:精神的にもかなり過酷そうですね。おぼれる恐怖はなかったのでしょうか?

この映画では誰もがおぼれる過程にあるようなもので、助かる人もいればおぼれてしまう人もいる。僕の場合は究極ともいえるシーンがあってそれはちょっと、ひやっとしたね。あのシーンは観る方も動揺すると思うけど、演じている方もかなり動揺していたんだよ(笑)。

<おぼれるという、原始的な恐怖を描いた『ポセイドン』>

カート・ラッセル

Q:『バックドラフト』では火、『ポセイドン』では水と戦っていますが、どちらの方がパワフルでしたか?

パワーという意味では同等だと思う。ただ、火の方が予測不可能で、僕自身も火の方が怖いかな。火事で死ぬのも、生き延びるのも恐ろしいことだと思うよ。おぼれ死ぬという恐怖は、誰もが持っている原始的な感覚で、この映画はその恐怖を利用している作品だ。人間が持っている原始的な恐怖を映画化することで、人は、他人が見せてくれるその恐怖を一歩引いて観察することができるんだ。スクリーンに映し出される恐怖が現実的で説得力があればあるほど、ドラマチックで人を引きつけるんだと思う。『バックドラフト』も『ポセイドン』も映画館で観るべき映画だよ。特に『ポセイドン』はね。

<ラムジーは、娘に過保護すぎるよ!>

カート・ラッセル

Q:ラムジーと娘の関係はちょっとギクシャクしていますが、ラッセルさんと娘さんの関係はうまくいっていますか?

僕はあんなに過保護じゃないね。もっと友達に近いかな。僕のキャラクターは、このクルーズで娘を理解しようと努力しているんだけど、それができない。彼は、とにかく過保護なんだ。でも、それは、ニューヨーク市長だったころや、消防士として人の命を救っていたときに娘のそばにいてやれなかったという罪悪感からきているんだと思う。他人の人生に関わっていながら、自分の娘の人生に関われなかった……。でも、娘をとても愛しているというのは、あの大惨事の中での彼の行動からとても伝わってくると思うよ。

<ペーターゼン版『ポセイドン』に参加できて、本当にラッキー!>

カート・ラッセル

Q:この映画のオリジナルは、70年代に大ヒットした『ポセイドン・アドベンチャー』ですが、演じている上で、オリジナルを意識した点はありますか?

この映画はウォルフガング・ペーターゼン監督のバージョンで、僕は彼の作品に出演するという意識しかなかった。僕はオリジナル版の『ポセイドン・アドベンチャー』を観た記憶はあるけど、脳裏に焼きついているわけじゃない。オリジナル版は1972年に製作されていて、映像を観ると、変な意味ではなくて、「古臭さ」が感じられる。あの映画はあの当時の映画なんだ。だから、これはまったく違う作品だと思う。もちろん僕たちがオリジナル版を古いと感じるように、この映画も35年後には古いと思われるだろう。でも、ペーターゼン監督がなぜこの作品を撮りたかったのかはわかるよ。彼はこのストーリーの超リアルバージョンを作りたかったんだと思う。僕らはそれに参加できたわけで、とても幸運だったと思っているよ。

<若さの秘訣はかわいい孫を持つこと!>

カート・ラッセル

Q:日本の中年男性の中にはラッセルさんのようになりたいと思っている人も多いと思いますが、クールなお父さん、おじいさんになるためのアドバイスをお願いします。

まずはかわいい孫を持つことかな(笑)。僕は最高の子どもたちに恵まれたと思っている。子どもたちは、4人いるんだけど、一緒にいるのが楽しいし、ほかの父親と同じように子どもたちと関わりを持つようにしている。子どもがいることを幸せに思うし、一緒に過ごしたり、見守ったりできることに幸せを感じるよ。“人はありのままの自分であるべき”というのが僕のモットーなんだ。もし、自分の子どもたちが、“自分探し”の途中で現実を直視するのが難しいときには、友達としてではなく親として「これが現実なんだ。君が望んでいたものとは違うかもしれないが、目標を達成するためにはこの現実を受け入れることが必要だ」とアドバイスをしてやるのが親の大事な役目だと思う。おじいさん業に関しては、とにかく楽しむだけさ。孫との時間を満喫するだけでいいんだから、最高だよ!


「今は、孫と過ごす時間が一番楽しい!」と語ったラッセルは、そんな「おじいちゃん発言」が不自然に聞こえるほど若々しい。今では、ハリウッドのトップスターとなった娘のケイト・ハドソンとの関係も、映画のなかのラムジー親子とはかけ離れているほどの仲の良さだとか。「ケイトも大変ななか、一生懸命に母親業を頑張っているよ」と目を細めて言うカート・ラッセル。お孫さんのためにも、これからもどんどん活躍しつづけて欲しい。

『ポセイドン』は、6月3日より全国にて公開。

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