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『シナモン the movie』陣内智則 単独インタビュー

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『シナモン the movie』陣内智則 単独インタビュー

魔法で幸せになるより、自分で頑張って幸せになりたい

取材・文:平野敦子 写真:鈴木徹

シナモンとフレンズたちが魔法の世界で大活躍するアニメーション『シナモン the movie』。お笑い芸人として活躍する陣内智則が、本当はみんなと友だちになりたいのに、なかなか素直になれない“まほうつかい・チャウダー”の声を熱演する。今回は何と1人で7役もの声を使い分けたという芸達者な陣内に、声優としての苦労話や、仲間との友情などについて話を聞いた。

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本当に自分で大丈夫なのかという不安

陣内智則

Q:“まほうつかい・チャウダー”に抜てきされた感想を聞かせてください。

ほぼ初めての声優やったんで戸惑いました。とてもかわいいアニメーション作品なので、「本当に僕で大丈夫なんかな……」と不安でしたね(笑)。まだ出来上がった作品を観ていないんですが、今も「大丈夫なんかな……」という心配の方が大きいです。でも途中でノッてきたんで、やっていてとても楽しかったです。

Q:とてもかわいい“シナモン”のキャラクターは好きですか?

好きです。最初に話が来たときに自分はシナモンの役やと思ったんですよ。「えー、こんなかわいい子無理やな」と思ったんですけど、やっぱり違いました(笑)。僕ね、実は今回7役ぐらいやってるんですよ。後半僕じゃなくてもええんちゃうの……というのがいっぱいありましたね(笑)。ほぼしゃべらずに「うぅ~」とか「うわぁ~」とか「キーッ」とかそういうのを全般にやってましたんで。まぁ、擬音が出てきたら、ほぼ僕やと思ってくれて間違いないと思います。

Q:難しかった点、苦労した部分はどこでしょうか?

台本をいただいたときに、走るシーンとかはしゃべらなくていいと思ってたんです。動くだけのシーンにはセリフがないもんやと思ってたんですよ。それが走るときは“走る声”があるんですよ。ヘッヘッヘッヘッ……とか、息を荒くする声の出し方に戸惑いましたね。

Q:どのあたりからノッてきたのでしょうか?

前半“チャウダー”をやっていて、ノッてきたときに風の音とかコウモリをやったんで、そこでまた見失ったんですよね(笑)。前半と後半の“チャウダー”の声は、若干違うと思います。

Q:また声優さんをやってみたいと思われますか?

“チャウダー”はノドをつぶすぐらいの無理した声を出したんで、次はこのままでいけるようなやつがうれしいですね。素のままの自分で、僕って分かるやつがいいです。“チャウダー”しかり、風の音とかコウモリとかほかの役もきっと僕だと分からないと思うんですよ。なので次は聞いただけで「これ陣内ちゃうの?」と分かる役をやってみたいですね。

もしも魔法使いになれたなら……

陣内智則

Q:もし自分が魔法使いになるとしたら何をしたいですか?

子どものときは「お金持ちになりたい」とか、「おいしいものを食べたい」とか思っていましたね。今も満たされているということはないですよ。ただそれを言うと「何言うてんねんお前、お前もう全部手に入れたんちゃうんかい!」みたいなことを思われそうな気がするけど、まだまだ欲はいっぱいありますよね。もっとお金もらいたい、もっと仕事をしたい、もっと幸せになりたい、もっとおいしいものを食べたい、あとは空飛びたいとか(笑)。きっと魔法使いになったとしても満足しないと思いますね。魔法でお金持ちになるのも何かちょっと嫌やなと思います。やっぱり自分の力で……みたいなことをどっかで思ってしまいますよね。魔法で幸せになるより、自分が頑張った充実感が欲しいですね。

Q:今回声優をやるにあたって奥様の紀香さんから何かアドバイスはあったのでしょうか?

彼女も一生懸命声優の仕事をやって、「もうこれで完ぺきや!」と思ってアニメに自分の声をかぶせたのを聞くと、映像に負けていることが多いから、現場では大げさにやってちょうどいいぐらいだと思うよと言っていました。普通はもうすでにアニメが出来上がっていて、それに合わせて口パクでやるじゃないですか? 僕の場合は、まだ“チャウダー”もできていなかったんですよ。白い紙に鉛筆で書いた“チャウダー”なんですよ。動くんじゃなくて、絵がぽーん、ぽーんと変わるぐらいなんで、コマ送りしているみたいな感じでした。「初めての声優でこれはないやろ!?」と思いましたね(笑)。

深い“きずな”を描く物語

陣内智則

Q:陣内さんにとって仲間や友だちとはどのようなものなのでしょうか?

“芸人仲間”は同じ夢に向かって頑張っている仲間であり、ライバルでもあります。それが純粋に仲間と言えるかどうかは疑問ですけど、子どものときの幼なじみというのも仲間ですし、友だちですし、家族も仲間ですね。幼なじみの友だちもほんまのベストフレンドかと言うたらそうですし、芸人仲間もこれから、家族を作ろうとしているパートナーもベストフレンドです。

Q:シナモンは犬なんですが、陣内さんは犬派でしょうか、猫派でしょうか?

シナモンって犬なんですか!? アハハ、僕ずっとうさぎやと思うてました(笑)。今はベンガルという種類の猫を飼っています。もともとずっと犬を飼っていて犬派やったんですけど、猫を飼って猫もこんだけなつくんやというのを知ったので、今はどちらかというと猫派かもしれないですね。まぁ、犬も猫もどちらも好きですよ。

Q:この映画をどのような方々にお薦めしますか?

テーマは仲間や友だちなんですけど、もっと深いところで言えば“きずな”みたいな感じで、大人向けでももちろんイケると思うんですよね。夫婦でとか、家族でとか、カップルでとか、もちろん子ども同士でという、それぞれのきずなというか「仲間っていいなぁ……、友だちってやっぱりいいなぁ……」って思ってもらえたらうれしいですね。


さすがは吉本の芸人だけあって陣内のしゃべりはよどみなく続き、それだけを聞いていると向かうところ敵なしに思える。だが実は彼は「みんなの足を引っ張っていないか、本当に自分で大丈夫なのか」と心配する、大阪弁で言うところの“気にしい(心配性)”なのだ。一方では、1人7役もこなしながらも、最後までシナモンは犬ではなくうさぎだと思っていたという“天然”の一面もある。「チャウダーっぽいポーズをお願いします」という無理な注文にも気軽に答える“いいやつ”な彼の今後が楽しみだ。

(C) 2002,2007 SANRIO CO., LTD. (C) 2007 C&G Friends

『シナモン the movie』は12月22日より全国公開

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