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『ミッドナイト イーグル』竹内結子 単独インタビュー

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『ミッドナイト イーグル』竹内結子 単独インタビュー

何かを守りたい、そんなメッセージが詰まっています

取材・文:小林陽子 写真:鈴木徹

高嶋哲夫の同名小説を、邦画史上最大スケールの山岳サスペンス・アクション作品として映画化した『ミッドナイト イーグル』。山岳でのアクションを中心に人間模様、サスペンスが深く描かれたこの作品には、女優・竹内結子が物語のキーパーソンとして登場する。芯(しん)の強い女性をクールに演じた彼女に、役柄に対する思いや、この作品を通して思う、平和への願いを熱く語ってもらった。

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クールだけどパワーのある女性を熱演

竹内結子

Q:『ミッドナイト イーグル』はスケールが圧巻でしたが、作品をご覧になっていかがでしたか?

実際に台本を読んだときよりも完成品を観たときの衝撃の方がすごかったですね。「あ! こんなすごいことになっているのか……」と思って、普通の観客のような気分で観ました。

Q:物語のキーパーソンを演じられていましたが、ご自身と似ている部分はありましたか?

慶子は、自分から行動を起こすという人ではなく、知らず知らずのうちに大きい渦に巻き込まれていく役柄でした。作品を観て普段のわたしと似ていると思っていただければ、役柄としては成功だと思います。わたしから見て、慶子という女性は「いろんなことを我慢し過ぎている人だな」と思います。慶子を見て「竹内さんの素と似ているな」と思われた方がいたとしたら、わたしももう少し楽に生きたほうがいいんだなってことですね(笑)。

Q:役柄での難しさはありましたか?

難しい点で言えば、感情を抑える人だったので、何も言わずただ見つめているという状況って、どうしたらいいんだろうと思いましたね。慶子は感情を表に出すということがあまりないんです。でも、彼女が発した一言が、すべてを集約させてしまうこともあるので、それを表現するのは難しかったですね。言葉が少ないながらも、そこにはとても深いものがあるんです。どんなことがあっても問題を受け入れることができるんです。器が広いのか、懐が深いのか、それとも何かをあきらめているのか分かりませんが、慶子は強いんだと思いました。感情を我慢したままためておけるって、相当なエネルギーが必要じゃないですか。大沢たかおさん演じる西崎を否定したまま生きていくっていうのも、1人の女性としてとてもエネルギーのいることだと思います。彼女は自分自身を許せないままいる人だと感じながら演じていました。

銃を使ったアクションに挑戦

竹内結子

Q:銃を使ったアクションシーンもありましたね。

構え方とか動きを教えてくださる方の指示に従ってやっていました。また監督から、自分しかいない状況なので、守る気持ちを強く出すようにと指示されました。以前、仕事で海外に行ったときに銃を体験させてくれるところがあって、いろいろな銃を触った経験はありました。かなり大きなライフルもあったんですが、全部固定されていたので、そのときは銃の重さはまったく感じなくて(笑)。でも、銃って嫌な感じだなって思いましたね。引き金を1回引くだけで、どれだけの威力があるのか……考えただけでもゾッとします。うかつに人に向けられるものではないし、それを平然とカバンにしまっている慶子って、ある意味平和だなって思います(笑)。だって、もし安全ロックが外れていて、カバンの中でどうにかなってしまったら怖いじゃないですか!

Q:雪山の現場には行かれましたか?

行ってないんですよ(笑)。山のふもとには行ったんですけどね。ただ、スタッフの方から雪山の厳しさはうかがいました。一日5食は食べないと体がもたないとか、現場にはその名残があるのか、とにかくチョコレートがたくさんあって、おやつには困らなかったとか、冗談で凍死しかけた(笑)とか、そんな話は聞きましたね。

Q:子役の佐原弘起君とは息がピッタリでしたね。

彼は、お母さんまっしぐらでした(笑)。撮影が終わるとトコトコって走っていって、お母さんとずっと一緒にいたので、撮影以外ではあまり構ってもらえなかったです(笑)。彼は、プロとしての意識もあって、何も言わなくてもこちらの緊張感をくみ取ってくれるんです。走って逃げるシーンでは、何かを察知してギュッと手を握り返してきてくれて、子ども心の素直さが伝わってきましたね。頭で考えるというのではなく、いろんなものを肌で感じて返してくれるんです。

Q:映画に対する期待は?

実際台本を読んでみて、分からないことがいっぱいあったんです。映画を観たときも、こういう専門的なものはちょっとよく分からなくて。でも、何だかワクワクさせられて「わぁ~どうなるんだろう」と最後まで観てしまった自分がいたので、観客の皆さんもまずは純粋に楽しんでいただけたらと思います。

ただのアクション映画じゃない!

竹内結子

Q:世界公開されるそうですね?

この作品ってスケールの大きいアクション映画とは違うと思うんです。目線を変えているというか、銃撃戦に重点を置いているというよりは、人間ドラマとしての部分が大きいので、また違った意味合いで楽しめる作品だと思います。

Q:最後に、この映画を通じて伝えたいメッセージを教えてください。

この作品には大切な何かを守りたいという人々の物語が描かれているので、そういう気持ちを感じとっていただけたらうれしいです。あとは個人的なことなんですが、エンドロールで慶子と、おいの優が歩いているシーンを観ていただきたいですね。街は平和だと思いつつ、いやもしかしたらこの裏では、何か起きているのかもしれないって思ったんです。そう思えば、明日が何か違うものに見えるかもしれません。


長野ロケでは、地元で有名なチョコレート屋さんに立ち寄ったという話をうれしそうに話してくれた竹内。劇中では、感情を表に出さないタイプの女性をクールに演じていたが、本人はとても気さくで飾らないタイプのようだ。そんな竹内が願う「この映画を観て、少しでも世の中が変われば」という思いが、一人でも多くの人に届くことを期待したい。

(C) 「ミッドナイトイーグル」パートナーズ

『ミッドナイト イーグル』は11月23日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開

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