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【私的映画宣言】第88回アカデミー賞 賞レース予想

第88回アカデミー賞候補には、自身5度目のノミネートとなるレオナルド・ディカプリオが主演の『レヴェナント:蘇えりし者』が最多12部門、続いてシリーズ30年ぶりとなる『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が10部門、その他『オデッセイ』が7部門、『ブリッジ・オブ・スパイ』『キャロル』『スポットライト 世紀のスクープ』が6部門ノミネートなどと今年も予想が難しい賞レース! また、長編アニメ映画賞に米林宏昌監督の『思い出のマーニー』などもノミネートされ、期待と注目の授賞式となりそうだ。アカデミー賞の前哨戦となるゴールデン・グローブ賞など、数々の映画賞での結果がどのように響くのか? 今年もパーフェクトを狙う私的映画宣言ライターの皆さまに、主要6部門の賞レースを予想してもらいました!

森直人

森直人

個人的な希望としては『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の作品賞&監督賞のダブル制覇になってほしいんですが、『レヴェナント:蘇えりし者』を実際観たとき、「これはめっちゃ賞レース向きだな~」と思っちゃったんですよね。懸念はアレハンドロ・G・イニャリトゥの2連覇になることだけ。主演男優賞のディカプリオは、これで受賞できなかったら浮かばれないよ! ってほどの超力演だったので、ガチガチの本命かと思います。主演女優賞はいちばん悩みました。あえてまだ観ていない『ルーム』ブリー・ラーソンを。助演男優賞のスタローンはキャッチーな存在感で。助演女優賞はゴールデン・グローブ賞だと『スティーブ・ジョブズ』ケイト・ウィンスレットが受賞しましたが、そちらにもノミネートされていたジェニファー・ジェイソン・リーを逆転させる形で選んでみました。

私的ダークホース

作品としては『クリード チャンプを継ぐ男』の方が好きなんですが、演技に心底感動したのはライランス。地味だけど、うますぎでしょ!

相馬学

相馬学

例によって思い入れ抜きの純粋予想でいこう……と思ったが、今年は難解。ブラッド・ピットがオスカー像を受け取る場面は一昨年見たばかりだし、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は少々難解だしと、有力候補には不安要素が目につく。エンタメ分野から殴り込んできた最大のジョーカー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の台頭が予想の難しさに拍車を掛ける。イニャリトゥの2連覇は出来すぎの気もするが、ここは『レヴェナント:蘇えりし者』が無難な線か。場合によっては同作が受賞を独占するケースもあるかもしれない。俳優部門では、ほぼほぼ鉄板の主演女優賞以外は波乱が予想される。“アカデミー会員に嫌われてるんじゃないの!?”と言われていたレオナルド・ディカプリオシルヴェスター・スタローンが受賞すれば式は盛り上がりそうだが……。

私的ダークホース

昨年の『セッション』枠的な低予算映画で正直、受賞は厳しそうだが、意外性もテーマ性も抜群で私的イチ推し。

山縣みどり

山縣みどり

作品賞は『スポットライト 世紀のスクープ』『レヴェナント:蘇えりし者』の対決で、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』以下は当て馬っぽい。この2作品が主要な賞を分け合う感じで、イニャリトゥの2年連続は無いので、監督賞をトム・マッカーシーにというのが順当かな。ジョニデが無視された主演男優はレオが鉄板だけど、業界内人気を考えると真面目な人格者マット・デイモンが獲得する可能性もあったりして!? 助演男優は、スライ(シルヴェスター・スタローン)当確。ただワインスタインのレオ推し余波と『マッドマックス』効果で候補となったトム・ハーディは、ステイタスアップで今後への期待大でしょう。早くからブリー・ラーソンが確定していた主演女優と違い、助演女優は混戦。個人的にはレイチェル・マクアダムスアリシア・ヴィキャンデルの一騎打ちだと思うけど、イマイチ決め手に欠けるんだよね。

私的ダークホース

アカデミー協会員はベテランにリスペクト票を投票するケースが多々。しかもフランス映画界で活躍する彼女はジュリエット・ビノシュマリオン・コティヤールと同列にみなされるのもプラスに作用しそう!?

中山治美

中山治美

「白人ばかり」という批判の前に、日本アカデミー賞かよ! ってぐらいに、そもそも正当な評価がなされてない。2015年の顔と言えば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のフュリオサことシャリ姉(シャーリーズ・セロン)だろう。『クリード チャンプを継ぐ男』スタローンを選ぶのなら、体を張ったマイケル・B・ジョーダンをどうしてスルーする? スタローンなんて何もしてへんで。わかったよ。皆さん、オスカーは功労賞だと思っているんだね。だったら『マッドマックス』シリーズを復活させたジョージ・ミラー、ベテランのランプリング姐さん。ついでにレオにも賞をあげて「アカデミー賞の客寄せパンダ」をそろそろ返上させてやったらどうだ!? と、やけっぱちでこの予想。そんな今年の選考にカツを入れたい人の票が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の作品賞に集まることを期待。

私的ダークホース

窮地に陥ったときに知識は役に立つんやで! という基本的なことを世に再認識させた教育推進映画として価値アリ。

前田かおり

前田かおり

5度目のノミネートで悲願のオスカー像を狙うディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』で復讐心に燃える熊ハンターという役どころとかぶり過ぎて、必死の形相の彼を見るたび、もうここらで一度あげとけばって気もする(笑)。ただ受賞しても、白すぎるオスカー批判のせいでうれしさも半分かも。ディカプリオって、つくづくオスカーとの相性が悪いなぁ。監督賞は、個人的にはオリジナルから30年経っても『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で相変わらずパワフルなジョージ・ミラー御大に取ってほしい。が、今回の騒動でアカデミー会員の票がメキシコ人監督イニャリトゥに集中する予感が。もっとも作品賞に関しては、アカデミー会員好みな『スポットライト 世紀のスクープ』に落ち着くんじゃないかと。楽しみなのは助演女優賞のアリシア・ヴィキャンデル。脚本賞にノミネートされてる『エクス・マキナ(原題) / Ex Machina』では超美形ロボット役。勢いある北欧女優、絶対取るとみた。

私的ダークホース

あまりの地味な姿にドラマ「ウルフ・ホール」の主人公トマス・クロムウェルと同一人物とはわからなかったよ!! 冒頭の冷戦時代の職業スパイ男のお仕事ぶり、スタローンよりも私はこっちにKOされました。

小林真里

小林真里

本命不在の作品賞は、豪華アンサンブル映画ということで票が集まりやすい『スポットライト 世紀のスクープ』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のいずれかが受賞するだろう(『レヴェナント:蘇えりし者』も侮れないが)。激戦区は助演女優賞で、一途な愛を全身全霊で体現したルーニー・マーラも見事だったが、ここは2015年を代表する女優アリシア・ヴィキャンデルを支持。今に始まったことではないが、今年の白人ばかりの「多様性を欠いた」ノミネートには確かに驚愕した(作品賞『ストレイト・アウタ・コンプトン』と助演男優賞イドリス・エルバのノミネートは確実だと思っていた)。オスカー・ボイコット運動など大論争を受け、映画芸術科学アカデミーがルールを一部変更すると宣言したので、まだ始まりに過ぎないが変革の一歩になることを期待したい。

私的ダークホース

新天地でたくましく目覚ましい成長を遂げる若き移民女性の変化を、機敏にかつ華麗に演じきったシアーシャは天才だ!

斉藤博昭

斉藤博昭

はっきり言います。今年度、主要6部門で確実なのはディカプリオだけ! 当初は混戦とみられていた主演男優賞、ライバルが次々と脱落していき、有力視されたファスベンダーの勢いもフェイドアウト。アカデミー会員もようやく重い腰を上げることになるでしょう。イニャリトゥの2年連続監督賞は避けられるとして、作品賞と痛み分け。その作品賞も『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『スポットライト 世紀のスクープ』を含めた3強の接戦が最後の最後までもつれるのでは? 大逆転への淡い期待は主演女優賞。ブリー・ラーソンは“たまたま”な印象も強いので、年齢の高い会員たちでシャーロット・ランプリングへの票が水増しされる気も……という判断はともかく、演技のキャリアが集積されたクライマックスの彼女の表情が、どうぞ正当な評価を受けますように!

私的ダークホース

予想で推したルーニーも本来は主演枠でしょ! 女優としての運気が確実に「来てる」ので大穴当選も現実感アリ。

高山亜紀

高山亜紀

壮大な映像美に魅せられ、すっかり『レヴェナント:蘇えりし者』推しだが、果たして、レオは鉄板なのだろうか。熊に襲われ、凍った激流に流され、木の根を食べ、馬の体内で寝ても、それでもオスカーを取れなかったら、その方がおいしいと思うのは私だけ? トム・ハーディのすごみに比べると、憔悴(しょうすい)していけばいくほど、美しく見えたレオ。その唯一無二の存在を賞に値すると思うかどうか。大自然と対極の小さな部屋で生きることを強いられた母と息子の物語『ルーム』。これまた素晴らしかった。恐怖と安心感が秒単位で交互に入れ替わる前半と自由が不安を増幅させる後半。ブリー・ラーソンと子役のジェイコブ・トレンブレイは複雑な感情を抑えることをせず、観る者の心を千々にかき乱す。ジェイコブくんが助演男優賞にノミネートされなくて本当に残念。最後に壇上で二人の笑顔が見たい。

私的ダークホース

すさまじい受難の数々と生への執着。レオよりひどい目に遭ってた気がする彼女。オスカーはないだろうが、伝説に残る演技!

今祥枝

今祥枝

『スポットライト 世紀のスクープ』『レヴェナント:蘇えりし者』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』あたりで前哨戦が割れていて、例年にも増して作品賞はよくわからない。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の扱いが本当に悩ましい。監督賞は大本命と思っていたリドリー・スコットが選外でこちらも悩ましい。スコットにスティーヴン・スピルバーグ、脚本賞でアーロン・ソーキンあたりが選外なのは、昨年に続き新顔にもチャンスをやろう的な傾向なのか。とはいえジョージ・ミラーのエントリーはうれしい限り。レオナルド・ディカプリオシルヴェスター・スタローンは「獲らせたい! 獲ってほしい!」のパワーが勝るのか否か。終盤にきてぐぐっときている『レヴェナント:蘇えりし者』が勢いのまま行くなら、去年のようにアレハンドロ・G・イニャリトゥ祭りになる可能性もあるのかなあ……。意外にも『マッドマックス 怒りのデス・ロード』祭りなら歓迎!

私的ダークホース

エミー賞、トニー賞受賞で今が旬のクランストン。『トランボ(原題)』の演技も素晴らしかった&業界内の評判も良さそうだし受賞の資格は十二分。

ライター9名の予想!

授賞式は、日本時間2月29日(月)

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