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第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門19作品紹介(1/3)

5月17~28日(現地時間)に開催される第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門19作品を紹介(コンペティション外を除く)。今年の審査委員長は、映画『オール・アバウト・マイ・マザー』『ボルベール <帰郷>』などで知られるスペイン映画界の巨匠ペドロ・アルモドバル監督。2度のパルムドール受賞経験を持つ名匠ミヒャエル・ハネケに、日本でも高い人気を誇るソフィア・コッポラフランソワ・オゾン、先日のベルリン国際映画祭に続いてのエントリーとなるホン・サンス監督は再び話題のキム・ミニとのタッグ作で選出と、第70回という節目にふさわしい注目度抜群の豪華な顔ぶれがそろい踏み。日本からはカンヌとは相性抜群の河瀬直美監督永瀬正敏と再タッグを組んだ『光』がエントリー。栄えあるパルムドールは誰の手に!(文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香/編集部 浅野麗)

<パルムドール(最高賞)>『ザ・スクエア(原題) / The Square』

第70回カンヌ国際映画祭

製作国:スウェーデン、デンマーク、アメリカ、フランス
監督:リューベン・オストルンド
キャスト:クレース・バング、エリザベス・モス

【ストーリー】 クリスチャンが学芸員として働く美術館では「THE SQUARE」と題する展覧会が予定されていた。ところが彼の愚かな行動が思わぬ事態を引き起こし、自身の、そして美術館の存在すら危ういものにしていく。

【ここに注目】 『フレンチアルプスで起きたこと』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞したスウェーデン人監督、リューベン・オストルンドが初のコンペティション部門入り。監督は本作を「ますます不確かになる世界で共同体意識などについて考えさせられる、強烈な風刺の効いたドラマ」と説明。クレース・バング(デンマーク)やエリザベス・モス(アメリカ)など国際色豊かなキャストが揃う作品になっている。

<グランプリ>『BPM (ビーツ・パー・ミニット)(英題) / BPM (Beats per Minute)』

第70回カンヌ国際映画祭

製作国:フランス
監督:ロバン・カンピヨ
キャスト:ナウエル・ペレ・ビスカヤー、アデル・エネル

【ストーリー】 エイズによる死者が急増していた1990年代初頭のフランス。エイズへの関心を高める運動を行う団体「アクト・アップ・パリ」の新入りのナサンは、最後の力を振り絞り活動する急進派のショーンに刺激を受ける。

【ここに注目】 第61回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『パリ20区、僕たちのクラス』の脚本・編集を担当し、監督作『イースタン・ボーイズ(原題) / Eastern Boys』では第70回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門の最高賞を受賞したロバン・カンピヨ監督の長編第3作。エイズへの関心を高めるべく設立され、過激な活動でも知られる実在の団体「アクト・アップ・パリ」が題材。

<監督賞>ソフィア・コッポラ監督『ザ・ビガイルド(原題) / The Beguiled』

製作国:アメリカ
監督:ソフィア・コッポラ
キャスト:コリン・ファレルニコール・キッドマン

【ストーリー】 南北戦争の最中、バージニア州の森にひっそりとたたずむ女子学園で、重傷の兵士マクバーニーが保護される。快方に向かうマクバーニーだが、唯一の男性をめぐり教師や生徒たちの愛憎が交錯し、事態は思いがけない展開を迎える。

【ここに注目】 『ダーティハリー』ドン・シーゲル監督クリント・イーストウッドのコンビによる、1971年の異色サスペンス『白い肌の異常な夜』をソフィア・コッポラがリメイク。イーストウッドが演じたマクバーニー役をコリン・ファレル、校長役をニコール・キッドマンが演じるほか、ソフィア映画と相性抜群のキルステン・ダンストが教師役、エル・ファニングが生徒役で共演する。

<男優賞>ホアキン・フェニックス/<脚本賞>リン・ラムジー『ユー・ワー・ネバー・リアリー・ヒア(原題) / You Were Never Really Here』

第70回カンヌ国際映画祭

製作国:アメリカ、フランス
監督:リン・ラムジー
キャスト:ホアキン・フェニックス、エカテリーナ・サムソノフ

【ストーリー】 売春のために人身売買される女性たちを助け、その報酬で暮らしている退役軍人のジョー。ある時、ニューヨーク上院議員の娘が拉致監禁され、彼女を救い出す任務を与えられたジョーは、危険な陰謀に巻き込まれていく。

【ここに注目】 衝撃作『少年は残酷な弓を射る』で話題をさらった女流監督リン・ラムジーが、作家ジョナサン・エイムズの同名小説を映画化。ラムジー自身が脚本も執筆し、幼少時代に虐待されて育った悲しい過去を持つ主人公のジョーを、ホアキン・フェニックスが演じている。現代版フィルムノワールと評されるニコラス・ウィンディング・レフン監督『ドライヴ』のようなタッチで描かれたリベンジスリラー。

<女優賞>ダイアン・クルーガー『イン・ザ・フェイド(英題) / In The Fade』

第70回カンヌ国際映画祭

製作国:ドイツ
監督:ファティ・アキン
キャスト:ダイアン・クルーガーウルリッヒ・トゥクール

【ストーリー】 ドイツ北部ハンブルクのあるトルコ人コミュニティーで、爆弾によって愛する家族を失ってしまった一人の女性。悲しみに暮れる彼女だったが、やがて犯人への激しい憎悪を抱くようになり、ついに自らの手で復讐(ふくしゅう)を果たそうと決意する。

【ここに注目】 『愛より強く』『そして、私たちは愛に帰る』『ソウル・キッチン』で、ベルリン、カンヌ、ベネチア世界三大映画祭の受賞経験を持つ、ドイツの若き天才ファティ・アキン監督が手掛ける復讐(ふくしゅう)劇。『イングロリアス・バスターズ』などでハリウッドやヨーロッパを中心に活躍するダイアン・クルーガーが、母国語であるドイツ語を使った映画に初挑戦し、これまで海外で培ったノウハウを本作に注ぎ込む。ドイツを代表する監督と国際派スターの強力タッグに期待大。

<脚本賞>ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ『ザ・キリング・オブ・セイクリッド・ディア(原題) / The Killing of A Sacred Deer』

第70回カンヌ国際映画祭

製作国:イギリス、アメリカ、アイルランド
監督:ヨルゴス・ランティモス
キャスト:コリン・ファレルニコール・キッドマン

【ストーリー】 家庭崩壊に悩む10代の少年。彼はカリスマ外科医のスティーヴンを、自分の家族に取り込もうと思いつく。次第にエスカレートしていく少年の行動により、スティーヴンの暮らしは音を立てて崩れ始めるのだが……。

【ここに注目】 『ロブスター』などを手掛けたギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、コリン・ファレルと再タッグを組み挑んだ、エウリピデスのギリシャ悲劇を基にした心理劇。ニコール・キッドマンやアリシア・シルヴァーストーンら美人女優が豪華共演を果たし、少年の行動をきっかけに復讐(ふくしゅう)のドラマが幕を開ける様子を映し出す。本映画祭とは縁が深い監督だけに、今回も賞レース上位に食い込んでくる可能性は高い。

<審査員賞>『ラブレス(英題) / Loveless』

第70回カンヌ国際映画祭

製作国:ロシア、フランス、ベルギー、ドイツ
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
キャスト:アレクセイ・ロズィン、マルヤーナ・スピヴァク

【ストーリー】 離婚を控えたボリスとジェーニャは、それぞれに新しいパートナーを持ち、12歳の息子アリョーシャのことなど忘れたかのように、新しい生活への準備を進めていた。そんなある日、息子が失踪する。

【ここに注目】 長編監督デビュー作『父、帰る』でベネチア国際映画祭の金獅子賞と新人監督賞を、4作目の『裁かれるは善人のみ』がカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞し、現在のロシア映画界をけん引する監督となったアンドレイ・ズビャギンツェフの5作目。監督自ら「重い体験をする家族についての物語」と表している本作は、イングマール・ベルイマン監督の『ある結婚の風景』から影響を受けた作品だという。

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