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気づいたらいる!あらためて観たい“相棒”俳優マイケル・ペーニャ

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Kris Connor / Getty Images

 あの大ヒット映画の影にヤツがいる? ブラッド・ピットマット・デイモンニコラス・ケイジなど数々の映画スターと共演し、オスカー常連の名匠たちともタッグを組む名バイプレイヤーとして、映画メディアでも取り上げられる機会が増えたラテン系俳優マイケル・ペーニャの魅力を、出演作とともに紹介します!(編集部・入倉功一)

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■オスカー作品に連続出演のミラクル!

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アカデミー賞に輝いた『クラッシュ』出演時のペーニャ。Photofest / ゲッティ イメージズ

 ペーニャは1976年1月13日生まれの41歳でアメリカ・シカゴ出身。両親はメキシコ人で、高校卒業後、『ペーパー・ムーン』などの名匠ピーター・ボグダノヴィッチが手掛けたテレビ映画『いつも心に太陽を2』(1995)のオーディション合格をきっかけにキャリアをスタートさせます。

 ハリウッドに活動の拠点を移した直後はチョイ役ばかりで、当初はつらい俳優生活を過ごしたそう。そんなペーニャに転機が訪れたのが2004年。立て続けに出演した『ミリオンダラー・ベイビー』『クラッシュ』という2本の映画が、年度をまたいでアカデミー賞作品賞を受賞するミラクルを達成しました。2006年には、『バベル』がまたも作品賞にノミネート。『アメリカン・ハッスル』『オデッセイ』と現在までに5本の出演作が作品賞にノミネートされています。まさに名作の陰にペーニャありと言われる日も遠くないかも?

■相棒ならペーニャにやらせとけ!

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『ワールド・トレード・センター』ではニコラス・ケイジと共に、地下に閉じ込められる警官を演じた。Photofest / ゲッティ イメージズ

 ペーニャのブレイクスルーとなった映画のひとつに、巨匠オリヴァー・ストーンが911で起きた実話を映画化した『ワールド・トレード・センター』(2006)があげられるでしょう。高層ビル崩落という大惨事から生還した2人の警察官を描いたこの作品でペーニャは、ニコラス・ケイジ演じる主人公ジョンと共に崩落に巻き込まれる警官ヒメノを好演。瓦礫の下でひたすら励まし合うしかない極限状態を耐え抜いた直後にジョークを飛ばせる粋な男役は、これから続くペーニャの相棒俳優としてのキャリアのきっかけになったとも言えます。ちなみにペーニャは遡ること6年前にケイジ主演のアクション映画『60セカンズ』にも出演しています。

 彼の魅力の一つは、どんなスターとも相性バツグンな、出しゃばりすぎない“ちょうどいい”演技。そのためか主人公の相棒役を務めることも多く、ベストセラーミステリーが原作のアクション『ザ・シューター/極大射程』では、マーク・ウォールバーグ演じる元海兵隊のすご腕スナイパー、ボブ・リー・スワガーを助けるFBI捜査官ニック・メンフィス役で出演。無実の罪をきせられたスワガーを逮捕する立場にありながら、人のよさが災いして一緒に陰謀に巻き込まれてしまうニックは、人懐こい笑顔が特徴的なペーニャにぴったりの役でした。

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ここでも相棒役の『エンド・オブ・ウォッチ』。Open Road Films/Photofest / ゲッティ イメージズ

 死と隣り合わせのパトロール警官の日常をフェイクドキュメンタリー形式で追った『エンド・オブ・ウォッチ』では、ジェイク・ギレンホールふんする主人公テイラーの相棒ザヴァラ役で出演。ここでもペーニャは、一歩間違えたら射殺される危険な日々にありながら、テイラーと固い絆で結ばれた陽気なブラザーを喜々として演じています。全身から発せられている“イイヤツ感”がビシビシと伝わってくるだけに、衝撃の結末が待ち構えるラストには涙を禁じ得ません。このブラザーぶりが監督のデヴィッド・エアーに気に入られたのか(?)ブラッド・ピット主演の戦車映画『フューリー』で操縦手ガルシア役を務めています。

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『アントマン』のルイス! これで彼を知った人も多いはず。Walt Disney Studios Motion Pictures/Photofest

 だが何と言っても、ペーニャの最高峰“相棒”演技といえばマーベル映画『アントマン』でしょう。アントマンことスコット・ラングのムショ仲間で、困ったスコットをサポートする頼れる仲間ルイスを好演。「ちょっと聞いてくれよ~」と始めてから、本題を忘れて話が脱線しまくるおバカキャラは監督もお気に入りで、予定よりシーン数が増えたという逸話も。当然ながら続編『アントマン・アンド・ザ・ワスプ(原題) / Ant-Man and the Wasp』への出演も確定しているそうです。

 勢いに乗ったペーニャは、先日公開された『バッドガイズ!!』アレキサンダー・スカルスガルドと悪徳警官コンビを演じ、相棒キャラを不動のものに。新作は2人組の白バイ警官の日々を描いたテレビドラマ「白バイ野郎ジョン&パンチ」をリブートした『チップス(原題) / CHIPS』。ここでも相棒を演じています。

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■トム・クルーズともつながってる?貴重なラテン系スターとして大注目!

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『バッドガイズ!!』ではアレキサンダー・スカルスガルドと共演。Stephane Cardinale / Corbis via Getty Images

 41歳の渋みと同時に、少年のような親しみやすい笑顔を武器に、善人から悪人、インテリからバカまで演じられる幅広さが強み。大作でもドラマ性を重視した映画を選んでおり、今後も「気づいたらそこにペーニャがいた」という活躍を見せてくれそう。主演を務めたSFスリラー『エクスティンクション(原題) / Extinction』も仕上げ段階ということで、こちらの出来栄えも楽しみです。

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インテリもおバカな役もこなせるバイプレーヤー。Photo by Kris Connor / Getty Images

 ちなみにペーニャは新興宗教サイエントロジーの会員でもあるそうです。深酒をやめようとサイエントロジーのプログラムを受けたことから始まり、創始者であるL・ロン・ハバードの「勉強の技術」は「脚本を理解する助けになり、役者としての自分を高めてくれた」と The Guardian のインタビューで言及。宗教というより習い事のような意識だそう。2007年には熱心な信者として知られるトム・クルーズ主演の『大いなる陰謀』に出演していますが、そこに団体レベルのつながりがあったのかは何とも言えないところです。

 それはともかく、ハリウッドにおける人種的配慮という面でも、ゴキゲンなブラザーから生真面目なFBI捜査官まで演じられるラテン系俳優として、貴重な存在として活躍することは間違いないはず。バディものやこれは! という大作映画を観るときは「どこかにペーニャがいるんじゃないか?」と注目してみても面白いかもしれませんね!

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