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見たことある!マーベルヒーローになったコワモテ脇役ジョン・バーンサル!

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Photo by Gregg DeGuire / WireImage

 大ヒットゾンビドラマ「ウォーキング・デッド」で主人公リックの奥さんとデキてしまっていたあの彼、覚えていますか? 数々のヒット作で味のある務め、次代の名脇役になるかと思った矢先、まさかのマーベルヒーローに大抜擢されてしまった俳優ジョン・バーンサルを特集します!(編集部・入倉功一)

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■14回も鼻を骨折!

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パニッシャーのボロボロぶりは地だった?「Marvel デアデビル」Netflixにて独占配信中

 「ウォーキング・デッド」で保安官リック・グリムス(アンドリュー・リンカーン)の元相棒シェーン役を務め、海外ドラマファンに顔を知られる存在になったバーンサル。

 ボクシングや野球などで過去に14回も骨折したという大きな鼻、がっしりとしたアゴ回りなど、正統派ハンサムではないものの、男らしい野性的な魅力を全身から放っています。一度見たら忘れられない特徴的な顔面は一見、年齢不詳ですが、1976年9月20日生まれの現在40歳です。

 父親は弁護士で、生まれはワシントンD.C.。しかも祖父は音楽家と、ちょっとコワモテな見た目からは想像のつかない家庭に育ちました。そんな彼が主に演技を学んだのは、何とロシア。演劇を教えてくれていた先生の助言を受けてモスクワ・アート・シアタースクール行きを決心し、ロシアで野球選手をしながら学校に通いました。The Moscow Times のインタビューによると、ロシア行きを決めたときはロシア語なんて一言も知らなかったのだとか。彼の演技からにじみ出るタフさは、まさにこの地で育まれたものなのかもしれません。

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■「ウォーキング・デッド」でブレイク

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シェーン役の演技でドラマに厚みを持たせた。AMC / Photofest / ゲッティ イメージズ

 2002年ごろから「LAW & ORDER クリミナル・インテント」をはじめ多くのドラマに出演し、映画『ナイト ミュージアム2』(2009)でアル・カポネを演じたりもしますが、「ウォーキング・デッド」まではなかなか芽が出ず。しかし、地道な努力に裏付けられた演技力を同作で発揮します。

 ゾンビパニック発生時、こん睡状態にあったリックの代わりに、彼の妻ローリと息子のカールを守り、そのままローリと男女の関係になってしまうシェーン。しかしローリは生きて再会したリックの元に。友情と嫉妬の間で次第に心のバランスを失っていくシェーンの心情を体現したバーンサルの演技が、本作が濃厚な人間ドラマとしても評価される大きな要因となったのは間違いありません。

 バーンサル自身は2012年~2013年のシーズン3で「ウォーキング・デッド」を卒業しますが、ここから脇役として快進撃を見せます。卒業の同年に、監督マーティン・スコセッシ、主演レオナルド・ディカプリオ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に出演。さらにロバート・デ・ニーロシルヴェスター・スタローンが共演したボクシング映画『リベンジ・マッチ』でも脇役を務め、大物監督&俳優たちとタッグを組みます。

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『ナイト ミュージアム2』ではアル・カポネ(中央)役でコミカル演技も披露!20th Century-Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そして翌年、ブラッド・ピットが主演・製作総指揮を務めた『フューリー』では、たった一台のシャーマン戦車“フューリー号”で、ナチス・ドイツの大軍に立ち向かった5人の兵士のうちの一人クーンアス役を務めます。

 荒くれ者ぞろいの戦車兵の中でも、クーンアスはお調子者で常に文句をまき散らし、映画の主人公ともいえる新兵ノーマンをいびるなど、空気を読まないDQN臭を放つ男。しかし、戦場では頼れる仲間の一人でもあり、クライマックスに向けた戦いの前、ノーマンに「俺と違って、お前は良いやつだ」と和解を求めるシーンは、コワモテだけど、どこか表情に良心がにじむバーンサルの魅力あってこそのキャラクターといえるでしょう。

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■いい人?悪い人?ギリギリの演技が魅力!

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『フューリー』では粗野でお調子者だけど、どこか憎めないクーンアスを演じた。Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そう、バーンサルの魅力といえば、『フューリー』に代表されるような、気のいいワルを体現したような演技。観ているこちらも、バーンサルの演じる人物が良い人間なのか、悪い人間なのか判断ができず、自然にその演技に引き付けられてしまうのです。

 メキシコの麻薬カルテルを追う女性FBI捜査官の戦いを描く『ボーダーライン』では、汚職警官のテッドを熱演。テッドはカルテルに雇われた悪徳警官ですが、監視のため主人公のケイトに近づくときの優しい笑顔は、まさにバーンサルだから表現できたといえるでしょう。

 その後も『WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズ』『ザ・コンサルタント』などに出演し、脇役として活躍していくのか……と思われた矢先に、Netflixが配信するマーベルのオリジナルドラマで、まさに当たり役ともいえるキャラクター、パニッシャーを演じることになります。

■理想のパニッシャーが誕生!

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バーンサルのパニッシャーがついに本格稼働する!Netflixオリジナルドラマ「Marvel パニッシャー」2017年 全世界同時オンラインストリーミング

 パニッシャーことフランク・キャッスルは、ギャング同士の抗争で妻と息子を失った元軍人という設定の人物。法律やモラルに縛られることなく悪人どもを処刑するため、警察にもほかのスーパーヒーローにも追われる異色のヒーローです。

 特別なパワーは持っていませんがマーベルでも屈指の人気を誇っており、過去3度にわたって実写映画化されています。しかし、パニッシャーの性格が優しすぎたり、暴力描写だけに気合を入れすぎてしまったりと、どれも今一歩、成功とはいえない結果に終わっていました。

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「Marvel デアデビル」Netflixにて独占配信中

 しかし、Netflixの「Marvel デアデビル」で初登場したパニッシャーは、良い人間なのか悪い人間なのかわからないバーンサルの魅力を十二分に生かしたキャラクターで、完璧の一言。デアデビルを殴り合いで打ち負かすほどの戦闘力に、容赦なく悪党を殺していくキリングマシーンぶりが素晴らしいだけでなく、悪人にも再生のチャンスを与えるべきだというデアデビルとの対立構造のおかげで、これまでにないほど複雑な人間性が浮き彫りになっています。「デアデビル」への登場だけでなく年内にはオリジナルシリーズの配信も決定しているとのことで、マーベル屈指の傑作になることが期待されます。

 こうして、見事に完璧なマーベルヒーローとなったバーンサルですが、日本でもヒット中の『ベイビー・ドライバー』への出演など、脇役としての活躍も順調。これからも、マーベルヒーローに名脇役と、二足のわらじで映画ファンを楽しませてくれそうです。

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