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マーベル VS. DC!2019年のアメコミ映画から目が離せない!

アメコミヒーロー映画から目が離せない
2019年もアメコミヒーロー映画に大注目! - ABC Photo Archives / ABC via Getty Images

 衝撃的な『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、そしてアメコミヒーロー映画の新たな可能性を見せてくれた『ヴェノム』など、2018年もアメコミヒーロー映画の当たり年でしたが、2019年はもっとすごい! 2019年はリブート版『ヘルボーイ(原題) / Hellboy』(2019年4月12日全米公開)や『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(実はこの作品もアメコミ原案です。2019年夏公開)など、マーベルやDC以外のアメコミヒーロー映画で注目すべき作品もいくつかあるのですが、ここではマーベルとDCに絞って、注目すべきポイントを見ていきましょう。(文:杉山すぴ豊)

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2019年のマーベルとDC

アベンジャーズ
マーベルヒーローの代表格『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』より - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 まず2019年は「マーベルにとって区切りの年、DCにとって始まりの年」ということです。

 マーベル系作品においてはアベンジャーズを核とするマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成ともいうべき『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)が公開されます。

 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』をご覧になった方はお気づきかと思いますが、強敵サノスの粛清から生き延びたのは、ほぼ初期のアベンジャーズのメンバーばかりであり、これからMCUを支えていきそうな(今後続編が作られると噂されている)ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)とかブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)などの新規MCU登場ヒーローたちが消えているのです。

ジャスティス・リーグ
DCヒーローといえば『ジャスティス・リーグ』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 一方、クリス・エヴァンスクリス・ヘムズワースらが演じたキャプテン・アメリカやソーは「これで最後」的なメッセージを発信しています。つまり『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、初期アベンジャーズたちが新ヒーローたちを“復活”させるために活躍し、次のMCUに向けてのバトンを彼らに渡していく、壮大な“引継ぎ”映画になるのかもしれません。

 実は『アベンジャーズ/エンドゲーム』で明らかになっていないのがヴィラン(悪役)の存在です。というのも予告を見る限り、サノスはもう望みを果たしたから、戦いから足を洗っている(?)。あのアーマー(鎧)を“かかし”のように立てているシーンが予告にはあります。ということは、もうサノスとの戦いが映画のポイントではない気がするのです。ならば“新たな脅威=ヴィラン”の登場? 

 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に出なかったアントマン(ポール・ラッド)とホークアイが今回大活躍しそうですが、ジェレミー・レナー演じるホークアイことクリント・バートンは、今回ローニンというキャラで登場! なんと東京という設定でのアクションシーンがありそう。この『アベンジャーズ/エンドゲーム』の前に新ヒーロー(そしてMCU初の、女性キャラ名が単独冠の)『キャプテン・マーベル』(2019年3月15日公開)、その後にトム・ホランドのスパイダーマン映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年7月5日全米公開)が公開されます。

 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』には噂ではこれまでのスパイダーマン・スーツに加え新たなスーツが2つ登場するらしい。またジェイク・ギレンホールが原作では人気のミステリオという怪盗キャラを演じます。キャプテン・マーベルは女性ヒーロー、スパイダーマンは若者ヒーローです。

 MCUは、『アイアンマン』(2008年)から始まって“大人の男ヒーロー”が作品を引っ張ってきたわけですが、これからのMCUは“女性と若者”が牽引する、という意思表明かもしれません。この両作品にサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーが登場というもの興味深い。なぜなら『アイアンマン』の時にニック・フューリーが登場したからMCUが始まったわけですからね。

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MCUの大転機?

 2019年はMCUにとっての大転機の年になりそうです。

 転機といえば映画『X-MEN』シリーズ。『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年6月公開)はジェームズ・マカヴォイマイケル・ファスベンダージェニファー・ローレンスらによる映画『X-MEN』シリーズの最終作といわれています。というのもタイトルの“ダーク・フェニックス”は原作コミックで有名なエピソード。最強のテレパス、ジーン・グレイ(演じるのはソフィー・ターナー)のダークな別人格が覚醒し地球はおろか宇宙の危機にまで発展するというものです。

 このエピソードはヒュー・ジャックマンたちの『X-MEN』シリーズの最終作となった『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006年)のベースにもなっていますから、クライマックスにふさわしいストーリーということになります。また映画『X-MEN』シリーズを作る20世紀フォックスはディズニー傘下となることが決まっており、それに伴い、MCUの中で『X-MEN』を再構築するといわれていますから、そういう意味でも2000年から続いてきた“20世紀フォックスの映画『X-MEN』シリーズ”の区切りとなるでしょう。

 さてDCですが、2018年は異色のアニメ映画(傑作!)『ニンジャバットマン』しか劇場公開されませんでしたが、2019年は一気に3作品が公開。海の豪快ヒーロー『アクアマン』(2019年2月8日公開)、体は大人心は子どもと、某名探偵とは逆の魔法ヒーロー『シャザム!【仮!】』(2019年4月19日公開)そしてアメコミ界の最強ヴィランことジョーカーのオリジン(誕生秘話)を描いた『ジョーカー(原題) / Joker』(2019年10月4日全米公開)です。

 興味深いのは、これまでDCといえばバットマン、スーパーマンで引っ張ってきましたが2019年は新たなヒーローで幕を開けようということです。考えてみればマーベルもスパイダーマンかX-MENだった時に『アイアンマン』をヒットさせブレイクしたわけですよね。

 そういう意味で『アクアマン』『シャザム!【仮!】』から新たなDC映画の世界が始まるのかもしれません。この2作についていえるのは『ダークナイト』(2008年)や『マン・オブ・スティール』(2013年)に比べトンマナ(雰囲気、世界観の一貫性)が“明るい”こと。DC映画は“渋さ”で売ってきたところもありますが、豪快で楽しいヒーロー映画になりそうです。一方、その“渋さ”は、R指定になるともいわれている『ジョーカー(原題)』が担ってくれそう。

ホアキン・フェニックス
『ジョーカー(原題) / Joker』でジョーカーを演じるホアキン・フェニックス - Michael Tran / FilmMagic / Getty Images

 魅力的なヴィランが多いのがDCの特長ですが、『ジョーカー(原題)』が成功すればヴィラン主役の映画が続々と公開されるかもしれません(実際、マーゴット・ロビーが演じたハーレイ・クインを主役にした女子系クライムアクション『バーズ・オブ・プレイ(原題) / Birds of Prey』も2020年2月7日全米公開を目指して準備中)。2019年はDCにとって新たなる始まりの年になります。

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2つの異色作

 さて最後に異色作を2つ。まず日本公開はどうなるかわかりませんが『デッドプール2』を再編集し新たな撮影シーンも追加したPG-13指定版デッドプール映画『ワンス・アポン・ア・デッドプール(原題) / Once Upon a Deadpool』(2018年12月12日全米公開)。これはもしかして、20世紀フォックスがディズニー傘下になることの布石で、子どもも観られるデップー映画へのチャレンジ? 

 そしてもう1つ、『ヴェノム』を観た方ならご存じのアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019年3月8日公開)。『ベイマックス』(2014)以来のマーベル・ヒーローアニメ映画ですね(ただし『ベイマックス』はディズニー配給、『スパイダーマン:スパイダーバース』はソニー配給)。

 パラレル・ワールドにその世界ごとのスパイダーマンがいて、彼らが次元を超えて集まる、というスパイダーマンだけでアベンジャーズしました……みたいな作品ですが、さまざまなスパイダーマンを観ることができて楽しい。女子コスプレーヤーに人気のスパイダー・グウェン(ある世界では、ピーターではなく彼の恋人グウェンが蜘蛛にかまれ女スパイダーマンになっている)がスクリーン初登場。このアニメで人気が出れば実写映画化も?

 2019年は、昨年以上にアメコミヒーロー映画から目が離せませんね!

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杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)プロフィール

アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画についての情報をさまざまなメディア、劇場パンフレット、東京コミコン等のイベントで発信。現在「スクリーン」「ヤングアニマル嵐」でアメコミ映画の連載あり。サンディエゴ・コミコンも毎年参加している。来日したエマ・ストーンに「あなた(日本の)スパイダーマンね」と言われたことが自慢。

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