『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が『アベンジャーズ/エンドゲーム』と同じぐらい重要作である理由

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どうなる?『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(連載第1回)

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』の興奮が冷めやらぬ中、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の公開(6月28日公開)が迫っています。スパイダーマン映画としてはもちろん、MCU映画としても見逃せない。(文:杉山すぴ豊)

ファンにとって2つの意味で期待の作品

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
今度はどんな活躍をするのか!『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』より

 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2つの意味でファンにとって期待の作品です。

 1つはいまスパイダーマンが改めてブームだからです。昨年秋、プレイステーション4でスパイダーマンのゲーム「Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)」がリリースされ日本でも大ヒット。

 さらにスパイダーマンのライバルともいうべきヴィラン(悪役)を主人公にした映画『ヴェノム』(2018)がスマッシュ・ヒット。そして今年、アカデミー賞をとったアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)が公開されました。

 こうした流れの中、待望の実写映画である『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が公開されるわけです。スパイダーマン好きにとっては最高にハッピーなイベントとなるでしょう。

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スパイダーマン:スパイダーバース
スパイダーマンって何人いるの?『スパイダーマン:スパイダーバース』より - Sony Pictures Releasing / Photofest / ゲッティ イメージズ

 もう1つはマーベル・ファンにとって見逃せない作品だということです。先ごろリリースされた予告編では、その冒頭でトム・ホランドくん演じるスパイダーマンことピーターが“ 『アベンジャーズ/エンドゲーム』をまだ観ていない人にはネタバレの部分があるから気をつけて”みたいな異例の呼びかけをします。

 そうこの『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は物語的に『アベンジャーズ/エンドゲーム』の続きとなる、MCU最新作であり、今後のMCUを占う作品だからです。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』って?

スパイダーマン:ホームカミング
トム・ホランド自身のキャラも相まって大ヒット!『スパイダーマン:ホームカミング』より - Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 では『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』はいかなる作品なのか? すでに発表されているプロットや予告編等から判断すると、こういう内容になりそうです。

 物語は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後の世界。アイアンマンはもういません。スパイダーマンことピーターは喪失感にとらわれながらも前に進みます。そして仲間たちとともにヨーロッパ旅行に出かけます。楽しい夏休みになるハズでしたが、そこにあのS.H.I.E.L.D.(シールド)のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が現れピーターにあるミッションを与えます。

 別次元から来たベックという超人とともに、突如現れた怪人たちと戦うことでした。そう『アベンジャーズ/エンドゲーム』によって時空に穴が開き別世界とつながってしまったというのです。

アベンジャーズ
今後のアベンジャーズは…?『アベンジャーズ』より - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 一体世界はどうなってしまったのか? そしてピーターの運命は? スパイダーマン好きにとって注目すべきは、今回舞台がヨーロッパということです。基本的にスパイダーマンはニューヨークを守るヒーローの一人であり、従ってメインのアクションはクモの糸(ウェブシューター)でビルからビルへ移動するあのスイングです。

 しかし今回でスパイダーマン映画としては7本目。今までとは違う見せ場を作るためにニューヨークではない街を舞台にしたのでしょう。なおコミックでもスパイダーマンがロンドンに行くエピソードがあります。有名な時計台ビッグベンのまわりをスイングする印象的なシーンがあるのですが映画でも再現されるでしょうか? 

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ヴィラン・ミステリオ?コミックとは違う?

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
ベック(ジェイク・ギレンホール)は敵か味方か? 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』より

 またベックというキャラも注目。このベックことクエンティン・ベックは原作コミックではミステリオと呼ばれる怪人となり、本来はスパイダーマンの敵です。特殊能力を持っているというよりも特殊な装置を使います。元は映画のスタントマンで特殊視覚効果(特撮)のエキスパート。だからさまざまなイリュージョンと身のこなしでスパイダーマンを苦しめる。

 コミックでのデビューはグリーン・ゴブリンやウィルソン・フィスク(キングピン:『スパイダーマン:スパイダーバース』のメインのヴィラン)よりも早いのです。ファンにとってはまだ映画に登場していない大物古参ヴィランというわけです。今回ついに映像化。しかも演じるのがジェイク・ギレンホールというのもポイント。かつて彼はトビー・マグワイアの代役としてスパイダーマンを演じると噂のあった人物でもあるのです。

キングピン
ウィルソン・フィスクことキングピン。『スパイダーマン:スパイダーバース』より

 ところが予告等を見る限り、今度のミステリオはファンの想像していたキャラとは少し違うようです。

 先ほど触れたように“別次元から来た”と。これが“事実”とすれば(実はミステリオはコミックではトリックやイリュージョンを使うヴィランなのでもしかすると皆をだましている?)、この『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』はMCUの中でも極めて重要な作品となります。つまりMCUにはさまざまなパラレル・ワールド(別の世界)が存在する、ということを認めたことになるからです。

 これは非常に便利な設定で、例えば『アベンジャーズ/エンドゲーム』で消えてしまったキャラも、別の世界では生きている、という風にすることもできるようになるわけです。

 つまりMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)が、マーベル・シネマティック・マルチバース的なものになった、というわけですね。

 そう考えると『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』がMCU映画として極めて重要ということがわかっていただけるかと思います。スパイダーマン・ファンはもちろん、MCUファンにとっても見逃せません!

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杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)プロフィール

アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画についての情報をさまざまなメディア、劇場パンフレット、東京コミコン等のイベントで発信。現在「スクリーン」「ヤングアニマル嵐」でアメコミ映画の連載あり。サンディエゴ・コミコンも毎年参加している。来日したエマ・ストーンに「あなた(日本の)スパイダーマンね」と言われたことが自慢。

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