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「全裸監督」撮影現場へ!山田孝之×満島真之介×玉山鉄二、村西とおるを語る

全裸監督
「全裸監督」より。左から伊藤沙莉、山田孝之、満島真之介、柄本時生、玉山鉄二、後藤剛範

 1980年代のバブル時代に “AVの帝王”と呼ばれた村西とおるの半生をつづった本橋信宏のノンフィクション小説をもとに連続ドラマ化するNetflixオリジナルシリーズ「全裸監督」。2018年12月3日、本作の撮影現場で取材会が行われ、主人公・村西役の山田孝之をはじめ満島真之介玉山鉄二、総監督を務める武正晴が、地上波では放送不可の描写を含む本作について思いを語った。

 「前科7犯。借金50億。米国司法当局から懲役370年求刑」。原作の帯にはこんなコピーが用いられている。また「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ! おれがいる。」とも。英語教材の販売員、ゲーム機設置販売、ビニ本(立ち読み防止のためビニール袋で包装された成人向け雑誌)の制作・販売業と業界を渡り歩き、AV監督に。いかなる相手も陥落させる巧みな話術を武器に成功を収めてきた村西だが、時には指名手配・逮捕されるなど、ドン底と絶頂期のふり幅が尋常ではない。本作では、『百円の恋』で脚光を浴びた武監督が、愛すべき人たらしの村西と、彼を取り巻く人々の濃密な人間模様を、実際に起きた出来事をベースに軽妙に描き出す。2018年10月上旬にクランクインし、2019年1月中旬にアップ。ハワイロケも行われた。

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村西とおるらの事務所。上に“撮影用”のベッドが

 この日撮影されたのは、ビデオ制作会社「サファイア映像」に女子大生の恵美(のちの黒木香/森田望智)がやって来るシーン。村西(山田)のほか、その相棒的存在である荒井トシ(満島)、出版社川田企画社長の川田(玉山)ら“村西軍団”が円卓で食事をとっており、緊張した面持ちの恵美をにぎやかに歓迎する。

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後ろにはAVのVHSが……

 主演の山田は、原作を読み村西の人生について「何よりもこの方が生きているということがすごいと思います」とその破天荒な生きざまに驚きを隠せない。「描写や表現の方法が地上波や映画でもなかなか難しいと思うので、刺激的な作品になるのではないかと、ぜひやりたいと思いました」

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AV業界で大成功を収めるも指名手配、逮捕と村西の人生は波乱万丈!

 山田は撮影前に村西本人に会う機会があったと言い、「村西さんとお会いして、どういうしゃべり方をされるのかなど観察していたんですけど、相手によって、話す内容によって、すごく変える方」とその印象を述懐。ドラマ版ではフィクションも交えているため、本人を再現するというよりもあくまで台本に描かれている村西を、自分なりに解釈して演じるというアプローチをとった。

 「ドラマでは村西さんの人生を凝縮しているので、捕まって刑務所に入ったと思ったら、数シーン後にはもう出てきたりと展開が速いんです。それは結構、演じる側としては大変なんですよ。あまりにも波が激し過ぎて。なので、そこは頭で考えないようにしていますが、例えば英会話の教材を売るといった時にパチッとスイッチが入って切り替わる人、という意識ではやっています」

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山田孝之を演出中の武総監督

 また総監督の武は、AV業界に君臨した村西をリアルタイムで見知っていたそうだが、原作でその後の壮絶な人生を知って衝撃を受けた。「学生時代にアダルトビデオの専門店でアルバイトをしていたこともあって、懐かしかったです。僕は映画業界で監督をやっていますが、本を読んでまだまだ頑張らなきゃと勇気づけられました。すごいパワーのある先輩だなと。実際に撮影前にご本人ともお会いしたのですが、感激しましたね」

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風俗店が並ぶ80年代の歌舞伎町のセット

 パンチパーマをかけて臨んだ満島は、80年代を生きた村西らのエネルギッシュな人間模様に魅了されたようで、当時の風俗をめぐる話で父親と盛り上がったそう。「性的なことって普段あまり家族間で話せないですし、聞くのも恥ずかしいですけど、親との会話がすごく弾んでいます」。満島はさらに、日本のAV業界がいかに力を持っているのかも強調する。「僕、昔レンタルビデオ屋で働いていたことがあったんですけど、AVがないとビデオ屋は厳しいんですよ。映画やドラマに比べても、すごい数がまわっているんですよね。そうした密やかな世界を、僕らがこうして表立ってやれていることが楽しいです」

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歌舞伎町のセット、パート2

 一方、玉山は、プロデューサーのある言葉に刺激を受けたという。「当時、村西さんが本当に破天荒なことをたくさんされていたにもかかわらず、コンプライアンスを気にして取り上げづらい時代になってしまっていることに歯がゆさを感じていました。彼は、『日本が誇れる輸出品のひとつはアダルトビデオなんだ』と言っていたんですけど、確かにそうだなと。ドラマでは懐かしく愛おしく思えるような時代を表現できていると思うので、そういう“メイドインジャパン”を、もっともっと海外の方に知っていただき、日本って面白い国だと思ってもらえたらうれしいですね」

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80年代を駆け抜けた男たちの行く末は……?

 村西の事務所のセットには、AVのポスター、撮影用と思われるベッド、ランニングマシン、ジュークボックスなどがあり、VHSやベータカム、ワープロなどから80年代の匂いが漂う。そして、目を引くのが当時の歌舞伎町を再現したセット。キャバクラやのぞき部屋、デリヘル店、ノーパン喫茶、小料理屋、雀荘などがひしめく古き良き猥雑な雰囲気で、美術スタッフの並々ならぬこだわりがうかがえる。(編集部・石井百合子)

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」は8月8日Netflixにて全世界独占配信

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