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同性愛者を体当たりで熱演!いま最もアツい演技派

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『his』藤原季節(ふじわら・きせつ)【第143回:イケメン調査隊】

インタビュー INTERVIEW

Q:『アイネクライネナハトムジーク』の役柄はとても印象的でしたが、同じ今泉力哉監督の映画『his』に続けて出演することになりました。

監督からはなにも聞いていなかったので本当かな? と。最初はもちろんただうれしかったのですが、題材のこともあって、緊張しましたね。その前に出演した「すじぼり」という作品は、自分が19歳で役者を始めて、やってきたことのすべて出し切ったんです。そのシーンで思いつくアイデアや瞬発力、感情と、持てる限りすべてを全身全霊で。でも『his』はその逆、なにもしないでおこうと思っていました。そこにはカメラすらなく、僕と相手役の宮沢氷魚と、僕の娘である空を演じた(外村)紗玖良ちゃんだけ。3人でご飯を食べて生きて、それだけで。

Q:その状態に至るには、多くの準備が必要ですよね?

半年ほど台本を読み続けていたので、台詞は全部入っていました。それで日比野渚という役になりきるため、その気持ちを考えていきました。ぎりぎりの状態で井川迅(宮沢)に会いに行くので、彼の自己嫌悪や居場所のない感覚、さらには「死にたい……」という感情までもを想像して演じて。そうしたらこれはマズい、という状態になってしまったんです。これまでとは違う領域での勝負でしたから、役者に向いてないかも……と思うくらいに追いつめられました。

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Q:空ちゃんとの空気が自然でした。

うれしいです。僕、子どもが好きというか、好かれるんですよ。電車で知らない子に手を差し出すと、子どもがタッチしてきますから。僕が悪人じゃなくてよかったな! と思うくらい、ついてきちゃう。でも、娘役の紗玖良ちゃんは人見知りだったんです。それで無理にこの子のテリトリーへ踏み込むのは止めよう、この子から近づいてきてくれたらいいなと思っていました。

Q:子ども扱いせず、対等に接する人だと見抜かれたのでは?

その代わり、ケンカもしました。2~3日、もう口をきかない! みたいな。僕が子どもですよね(笑)。それで3日後くらいの学校でのロケの途中に、「探検しよっか!」と音楽室へ連れていきました。それで「ゴメンね……」「いいよ」と鉄琴を叩きながら仲直りしたんです。

Q:今泉監督の印象は?

この映画の“船長”であるはずなのに「どこ行くんだろうな~」って船がどこに向かっているか知らないんですよ!「ここ、どこ? あれ!?」って。ずっとそんな感じなんです(笑)。でもだからこそ、正解のない映画ができるのかなと。人を好きになる気持ちや誰かが亡くなったときの心の整理の仕方に、正しい答えなんてないですよね。今泉さんの映画は答えがないのにどこかに真実があると思わせ、なぜか感動してしまう。どうやってこんな映画をつくるんだろう? と思っていましたが、答えはすべて『his』の撮影のなかにありました。

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一問一答 PRIVATE

Q:好きな映画は?

一つに絞るのはかなり難しいですね……でも『タイタニック』かな。踊っているところなど、タイタニック号が沈むまでが好きなんです。エンタメ系も大好きで。

Q:ほかに好きな映画は?

宮崎あおいさんの出演した『初恋』。三億円事件の話で、当時の男たちがジャズバーでたむろするんですけど、それに憧れちゃって。なんだろうこの時代のロマンティシズムは! と。当時の男って、自分はどういう人間だろう? という自身のアイデンティティーを探ろうとする気持ちと政治というものが近いんですよね。国の危機感を自身のものとして捉えている。そんな男たちのセクシーさと言ったら! 半端ないなと。

Q:ちょうど同じ時代、1969年を舞台にした映画『止められるか、俺たちを』にご自身も出演されてますよね?

脚本家の荒井晴彦さんを演じました。あの映画に出演した女優さんが、「最近の男の子と比べて、当時の男性って年上に見えますよね?」と。それに対して、「いまの子は情報を選択できるようになって自分が見たい情報しか見ない。だから若く見える」とおっしゃった人がいて。確かにそうだと、スマホを2年間触りませんでした。

Q:スマホを手放したことで、どんな気づきが?

電車に乗っても本を読むくらいでまあ……やることがない。それでパッと目を上げたら、スマホをいじる人たちのつむじが見えるわけですよ。これがスマホを手放した人間が見る景色なんだと、自分の視野が広がった気がしました。1970年代ならみんなが顔を上げているわけだから当然ケンカも起きやすいし、出会いも多くなるだろうなと。

Q:男の色気についても思うところが?

いまの時代、相手のことを知りたいと思ったら「好きな食べ物は?」とメール等で尋ねればすぐ答えが返ってくるかもしれないけど、当時は公衆電話まで走るか、つぎの約束まで「なにが好きなんだろう……?」と想像し続けなきゃいけない。それで「どんな店を予約したら喜ぶかな?」と相手のことを考えたり。そうしたところで人としての奥行きが生まれ、いまの男とセクシーさに差がついたのかなと。

Q:好きな女の子のタイプは?

手が大きい人。変わってます……自分にないものを感じているのかも。手が大きいと、強い女性に見えるのかもしれません。僕は10年ほど剣道をやっていましたが、自分より強い女の人が好きでした。

Q:女性に打ちのめされたい?

いやいや(笑)。でも強い女性がずっと強かったら面白くない。弱さを見せたときにギャップを感じてグッときます。

Q:理想のデートは?

まず、理想のデートにお金は必要か? という問題があります。お金をかければいいデートができるはずで、お金をかけないと彼女を喜ばすのは無理だと思い込む人もいますよね。でもそれで卑屈になってしまったら、女の子とうまくはいかない。だから理想は、自分が卑屈にならないデートです。

Q:「お金がないから」と男性を卑屈にさせない女性がいいということでもありそうですね?

そういうことでしょうか……。でも確かに「今日はお金がないから800円で入れる美術館へ行く?」とか、ただ高いレストランへ連れていくより、そういうことを喜んでくれる人がいいかも。

Q:目標の俳優は? 以前はライアン・ゴズリングとおっしゃっていましたが?

たくさんいて選べません。『ラ・ラ・ランド』でライアン・ゴズリングに影響を受けてプロテインを飲みまくって体をつくったら、似合わなくて大変なことになったんです(笑)!

Q:ではいまこの瞬間、憧れる俳優は?

恥ずかしい……! 素直に言っていいですか? 北野武さん。あと、もう一人いいですか? 内田裕也さん。ロックンロール!『水のないプール』とか、『十階のモスキート』『コミック雑誌なんかいらない!』と脚本・主演を兼ねた映画がサイコーで。演技もサイコーですし、俳優としても憧れています。歌も大好きです。『コミック雑誌なんかいらない』でのビートたけしさんの演技も。休日は北野武さんの本を読み、内田裕也さんの自伝を読んで。樹木希林さんの自伝からも内田裕也さんを研究してます。

Q:つくりこんだ名演より、存在や顔が大事?

ああ……そうかもしれません。最近、演技派は計算してできるものではないとも思っているんです。

取材・文:浅見祥子 写真:奥山智明

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インフォメーション MOVIE INFO

『his』

愛がなんだ』などの今泉力哉が監督を務め、同性カップルが周囲の理解を得るため奔走する姿を描いた人間ドラマ。LGBTQの人々が直面する社会の偏見や法的問題が盛り込まれている。ドラマ「偽装不倫」などの宮沢氷魚と、今泉監督作『アイネクライネナハトムジーク』などの藤原季節のほか、松本若菜松本穂香鈴木慶一根岸季衣堀部圭亮戸田恵子らが出演。

藤原季節プロフィールPROFILE

生年月日:1993年1月18日
出身地:北海道
身長:173cm
血液型:B型
趣味・特技:剣道(二段)

芸歴:2014年、映画『人狼ゲーム ビーストサイド』で俳優デビュー。『イニシエーション・ラブ』『ライチ☆光クラブ』『美しい星』『全員死刑』『止められるか、俺たちを』『アイネクライネナハトムジーク』など多数の映画に出演。ドラマ「すじぼり」(U-NEXT)で連続ドラマ初主演を果たす。初主演映画『のさりの島』(2020年公開予定)などがある。

映画『his』は1月24日(金)全国公開

(C) 2020映画「his」製作委員会

公式サイトはコチラ>

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