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『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ついに公開!シリーズの魅力を徹底おさらい

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 1995年にTV放送され、社会現象を巻き起こした「新世紀エヴァンゲリオン」が、2007年から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再始動。2007年に1作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、2009年に2作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、2012年に3作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が公開され、ついに2021年3月8日に最新作にして完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が全国で公開となりました。

 前作の公開から8年、1作目の公開から13年が経過、1995年のTVシリーズの放送開始から数えるとすでに四半世紀も経っていますが、なお絶大な人気を誇るこのシリーズ、その魅力をおさらいしたいと思います。

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空前の社会現象となった「新世紀エヴァンゲリオン」

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズは、1995年のTV放送、1997年の2本の劇場版が製作された「新世紀エヴァンゲリオン」をベースに、新たな世代に向けて制作された4部作のシリーズです。近年では『シン・ゴジラ』の脚本・総監督など、実写映画も手掛ける庵野秀明監督の代表作であり、巨大な人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女と、謎の敵「使徒」との戦いを描く、世界的に人気の高いアニメーションです。

 1995年に放送された「新世紀エヴァンゲリオン」は、スタイリッシュな映像や緻密な設定、ストーリー展開などによって、アニメに馴染みの薄かった層にも幅広く浸透し、一大ムーブメントを巻き起こしました。一人ひとりが個性的でありながら、等身大の人間らしさを兼ね備えたキャラクターに、老若男女問わず多くの人々が共感。一方で、独創的な造形の巨大な人型兵器が繰り広げる華麗なアニメーションは、アニメファンを唸らせ、さまざまな分野のクリエーターに大きな刺激を与えました。

 『ウルトラマン』などの特撮に大きく影響を受けたエヴァンゲリオンの戦闘シーンのしなやかな作画、岡本喜八監督や市川崑監督を彷彿とさせる斬新な演出なども高く評価され、日本アニメの歴史の中でも重要な作品の一つと位置づけられています。

再構築された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズは、新キャラクターが追加され、ストーリー展開も変更されるなど、単純なリメイクとは異なり、新しい物語として再構築されています。

 庵野監督は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ製作時の所信表明で「『エヴァ』はくり返しの物語です。主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です」と語っていますが、その言葉どおりに、主人公碇シンジが、父との確執や対人関係、エヴァンゲリオンに乗る理由など、さまざまな葛藤を抱え、何度もくじけながらも立ち直る姿が描かれています。14歳の少年少女の葛藤と戦いを描くというベースはそのままに、戦闘描写はより迫力を増し、作画やエフェクトが一層豪華に磨き上げられた作品となっています。

 これまでに公開された3本がどんな展開を見せたのか、おさらいしましょう。

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

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 未曾有の危機「セカンドインパクト」の爪痕を残した地球を舞台に、14歳の内向的な少年、碇シンジが使徒と呼ばれる謎の敵との戦いに巻き込まれ、巨大なヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに搭乗し戦う姿を描いています。自分へ関心を示さない父への反発とそれでも愛情を欲する葛藤、なぜ自分が戦わねばならないのかと自問し、何度もその運命から逃げようとするも、上司の葛城ミサトや、同じエヴァのパイロットの少女、綾波レイとの関係を少しずつ築き、エヴァのパイロットとしての自覚を得ていく過程を描いています。

 クライマックスの日本中の電力を集めて陽電子砲を撃つ「ヤシマ作戦」は、シリーズ中でも人気の高いエピソードで、無表情な少女、綾波レイが最後に見せる笑顔は多くのファンを惹きつけました。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

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 TVシリーズの物語を踏襲していた『:序』に対して、2作目の『:破』では新キャラクターが登場し、TVシリーズにはなかったエピソードが追加されるなど、大きな変化を見せました。エヴァンゲリオン2号機のパイロット、式波・アスカ・ラングレーが登場、さらにTVシリーズには存在しなかったもう一人のパイロット、真希波・マリ・イラストリアスが登場し、ファンを驚かせました。さらに、EVA2号機が「ビーストモード」という新しい形態に変化するなど、TVシリーズにはない独自の要素が考察したいファン心理をくすぐりました。

 パイロットとして順調に成長するシンジと、アスカやレイ達との交流、そして、目的遂行のために多くを犠牲にする父に反発し、一度はエヴァンゲリオンのパイロットを辞めながらも、レイを助けるために再びにエヴァンゲリオンに乗り込む決意を固める姿を描いています。

 新キャラクターも加わって新たな展開を見せ、物語が俄然深みを増してくるのが『:破』の特徴。そのタイトルの一文字が示す通り、TVシリーズを破壊し、さらに壮大な世界を描くという意思が強く感じられる作品となっています。

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

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 2作目の『:破』までは、TVシリーズと重なる展開もあったのですが、3作目の『:Q』は完全にオリジナルな物語が展開されます。物語の舞台は『:破』から14年後の世界となり、ミサトたちはネルフに対抗する新たな組織「ヴィレ」を結成。長い眠りから覚めたばかりで事情がわからないシンジは困惑し、急襲してきたエヴァンゲリオンMark.09とともに廃墟となったネルフ本部へ。再び父と対面し、そこで出会った少年渚カヲルとともにエヴァンゲリオン第13号機に乗れと告げられます。

 シンジはカヲルに心を許しひとときの安らぎを得ますが、14年前の自身の行動で“ニア・サードインパクト”が起き、地球に甚大な被害を与えたことを知り絶望するのでした。

 一気に14年後の世界に飛ぶ急展開に驚くファンが続出。さらに完全オリジナルの展開となったことから、『:Q』はより多くの新要素を提示することになりました。ミサトたちがネルフに反旗を翻した経緯、シンジやアスカたちエヴァンゲリオンパイロットの外見が変化していない理由をアスカが「エヴァの呪縛」と表現していたこと、マリがゲンドウのことを「ゲンドウ君」と呼び昔から知っているかのような発言をすることや、人類補完計画の行方など。

 庵野総監督の所信表明には、「『エヴァンゲリオン』は繰り返しの物語です」と記されています。3作を通じて、主人公のシンジは臆病ながらも勇気を振り絞り、その度につらい経験を味わっては挫折することを繰り返しています。他者と関わるのが怖い、でも認められたいという、等身大の14歳の心情を描くことが徹底されており、彼の心の成長の一進一退が痛ましくも切ない余韻を残す作品でした。

 『エヴァンゲリオン』シリーズの魅力は、緻密に練り上げられた壮大な世界観と、少年少女のリアルな葛藤。物語がどのように帰結するのかとともに、シンジの心の旅路がどんな結末を迎えるのかにも注目です。(文章構成:シネマトゥデイ編集部)

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