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年末年始映画特集2022-2023~劇場邦画編~

 感動のラブストーリーや、重いテーマが込められた人間愛の物語、飄々(ひょうひょう)としたコメディー作品、さらには人気テレビドラマの満を持しての映画化作品など、トピックス満載の年末年始の邦画界。劇場の大きなスクリーンと迫力の音響で堪能してほしい話題作が目白押しです。(文・早川あゆみ)

>劇場洋画編
>アニメ編
>配信オリジナル&独占編

『月の満ち欠け』公開中

監督:廣木隆一
キャスト:大泉洋有村架純目黒蓮
128分

 2017年上半期の直木賞受賞作を、『ストロボ・エッジ』などのベテラン廣木隆一監督が映画化したファンタジー。大泉洋が自ら「つらい役」と語る小山内役で主演し、その妻を柴咲コウ、彼の娘と同じ「瑠璃」という名を持つ女性を有村架純、その恋人の三角(みすみ)をアイドルグループ Snow Man の目黒蓮が演じる。妻子を一度に亡くして失意に沈む小山内をある日訪ねてきた三角は、小山内の娘がかつて自身の愛した女性「瑠璃」の生まれ変わりではないかと告げた。拒絶する小山内だったが、生前の娘が描いた肖像画は会ったことのないはずの三角にそっくりで……。俳優陣の切ない表情に胸が締め付けられ、特に目黒は大人の恋愛の一途さで新境地を見せた。時を超えた愛の奇跡に心が震える。

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『ラーゲリより愛を込めて』公開中

監督:瀬々敬久
キャスト:二宮和也北川景子
134分

 第二次世界大戦後、零下40度のシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された捕虜の一人・山本幡男の実話を基に、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』などの瀬々敬久監督が映画化。寒さと飢えと過酷な労働によって死者が相次ぐ劣悪な環境の中、帰国(ダモイ)の希望を捨てずに周囲を励まし続けるも自らは病に倒れた山本を、演技力には定評がある二宮和也が演じる。彼を待ち続ける妻に北川景子、捕虜仲間は松坂桃李中島健人桐谷健太安田顕ら。戦争による悲劇を描いているが直接の戦争映画ではなく、捕虜たちのヒューマンドラマであり、山本夫婦の愛の物語でもある。愛に支えられた山本の生き様と、仲間たちの命を懸けた熱い行動は、戦争を悲しむ現代にも訴えるものがある。

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『夜、鳥たちが啼く』公開中

監督:城定秀夫
キャスト:山田裕貴松本まりか
115分

 『そこのみにて光輝く』の原作で知られる夭折(ようせつ)の作家・佐藤泰志の小説を、同作の映画化で高い評価を得た高田亮が脚本を担当し、『女子高生に殺されたい』の鬼才・城定秀夫が監督した大人の恋愛ドラマ。鬱屈(うっくつ)した日々を送る売れない小説家の慎一と、友人の元妻で幼い子どもを抱えた裕子のいびつな半同居生活は、お互いの苦しみと孤独を見つめ合うようなものだったが、ある日、変化が訪れる。NHKの大河ドラマ「どうする家康」や映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』などが控え、硬軟取り混ぜた多彩な顔を見せる山田裕貴が、破壊衝動を持て余し、どこか投げやりに生きていた慎一を熱演。裕子役の松本まりかも、やるせない思いで愛を求めるシングルマザーを好演している。ほのかに見える希望の光の美しさが心に染みる。

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『ケイコ 目を澄ませて』公開中

監督・共同脚本:三宅唱
キャスト:岸井ゆきの三浦友和
99分

 聴覚に障害がありながらもプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子の生き方に着想を得て、『きみの鳥はうたえる』の三宅唱監督が映画化。クランクインの約3か月前からボクシングのトレーニングを行い、劇中で使われる手話の習得にも取り組んだ岸井ゆきのが主人公のケイコを演じ、彼女の理解者のジムの会長に三浦友和がふんした。ゴングの音もセコンドの指示も聞こえないハンデを背負いつつ、じっと“目を澄ませて”戦い続けるケイコは、一方で逃げ出したい思いも抱えていた。そんな中、ジムの閉鎖が決まるが……。心のざわめきや決意を眼差しで表現した岸井のいさぎよい佇まいからは、前を向く確かな勇気がもらえるだろう。16ミリフィルムの独特の色調が味わい深い。

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『Dr.コトー診療所』公開中

監督:中江功
キャスト:吉岡秀隆、柴咲コウ
135分

 2003年からテレビシリーズ2本、スペシャル2本が放送された医療ヒューマンドラマの映画化作品。16年ぶりの物語には、絶海の孤島で医師を続けていた外科医“Dr.コトー”こと五島健助を演じる吉岡秀隆をはじめ、柴咲コウらレギュラーキャストが集結。スタッフも変わらず、ロケも同じ与那国島で行われており、懐かしい風景と主題歌「銀の龍の背に乗って」がスクリーンで堪能できる。おなじみキャラの粋な登場やお約束のセリフなど、ファンにはうれしい仕掛けも満載。医療危機、超高齢化など日本社会の縮図のような問題や、人生に立ちはだかる大きな壁、容赦のない自然環境などに押しつぶされそうになるも、家族のような絆で結ばれた島の人々の姿は胸を熱くする。新キャストとして King & Prince高橋海人、元乃木坂46生田絵梨花が参戦。(高橋の「高」は「はしごだか」)

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『そばかす』公開中

監督:玉田真也
キャスト:三浦透子前田敦子
104分

 『ドライブ・マイ・カー』でその実力を世界に知らしめた三浦透子が主演する、“自分らしく生きる”等身大の女性のリアルを描く映画プロジェクト「(not)HEROINE movies」の第3弾。チェリストになる夢を諦めて実家に戻った蘇畑佳純(そばたかすみ=そばかす)は、もともと恋や愛に興味を持たず、特に孤独も感じないまま生きている。結婚を急く母に無理やりセッティングされた見合い相手とは、うまく友人になれそうだったが破綻してしまった。そんな中、元AV女優で自由奔放な同級生・真帆(前田敦子)と再会した。恋愛至上主義が蔓延する世の中で理解されづらい佳純が、迷いながらも自分の幸せを見つけていく姿がいさぎよく描かれており、清々しい気持ちになれる。

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『ブラックナイトパレード』12月23日公開

監督・共同脚本:福田雄一
キャスト:吉沢亮橋本環奈
109分

 脱力系コメディー『聖☆おにいさん』の原作・中村光×監督・福田雄一コンビが新たに描くのは、世界中の子どもたちにプレゼントを届ける「サンタクロースハウス」の物語。人生負け組のフリーター三春(吉沢亮)は、謎の男クネヒト(玉木宏)にスカウトされて“ブラックサンタ”として働くことになった。個性的すぎる仲間たちと奮闘するも、なぜか謎の組織から襲撃を受けてしまう! 三春役は吉沢亮で、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」後初めての主演映画。『銀魂』シリーズの福田監督ならではの際立ったキャラクターを橋本環奈、中川大志渡邊圭祐らが演じているが、中でも中川はかつてない弾けっぷりを見せている。ロマンチックなクリスマスにピッタリ! ……かはともかく、スピーディーでパワフルな福田節はたっぷり堪能できる。

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『嘘八百 なにわ夢の陣』2023年1月6日公開

監督:武正晴
キャスト:中井貴一佐々木蔵之介
122分

 目利き古美術商と腕の立つ陶芸家のはずがどうにも風采(ふうさい)の上がらない「骨董(こっとう)コンビ」を中井貴一と佐々木蔵之介が演じる、シリーズ第3弾。今回二人が挑むのは太閤秀吉の縁起物「秀吉七品」のうちの幻のお宝「鳳凰」。カリスマ波動アーティストというTAIKOHが絡み、歴史ロマンと欲望が激突する。TAIKOH役は自身もアーティストとして稀有な活動を続ける安田章大関ジャニ∞)。おなじみの友近森川葵前野朋哉塚地武雅らに加え、笹野高史麿赤兒らベテランが存在感と安定感を見せる。ドラマ「束の間の一花」の今井雅子と、『雑魚どもよ、大志を抱け!』を監督した足立紳の安定感のある脚本で、『百円の恋』の武正晴が監督。バディムービーの親密感とハラハラするだまし合いの行方から目が離せない。

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『ファミリア』2023年1月6日公開

監督:成島出
キャスト:役所広司、吉沢亮
121分

 『オリヲン座からの招待状』などのいながききよたかのオリジナル脚本を、『いのちの停車場』などの名匠・成島出が監督した“家族”を描く感動ストーリー。陶器職人の誠治(役所広司)は、追われていたのを助けたことで在日ブラジル人青年マルコスらと親しくなった。劣悪な環境で暮らす彼らは半グレ集団に目を付けられている。一方、アルジェリアに赴任中の誠治の息子・学(吉沢亮)は妻・ナディアとともに事件に巻き込まれていた。誠治役は名優・役所広司で、吉沢亮が学を演じる。在日外国人をめぐる実際の事件などをヒントに、国籍や育った環境、言葉の違いを超えて“家族”を作ろうとする切実な思いを綴っている。殺ばつとした中にも、人を思う温かさが胸を打つ。

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『映画 イチケイのカラス』2023年1月13日公開

監督:田中亮
キャスト:竹野内豊黒木華

 2021年に令和「月9」ドラマナンバー1の視聴率を獲得したリーガルドラマの映画化作品。自ら捜査を行ってしまう破天荒な裁判官・入間みちおと、彼に振り回されるエリート裁判官の坂間千鶴の凸凹コンビが帰ってきた。だが、みちおの赴任先の岡山で起きた史上最年少防衛大臣・鵜城への傷害事件と、他職経験制度で弁護士として活動する千鶴が直面した大企業の疑惑がつながって、今度は国家を怒らせた!? みちお役の竹野内豊と千鶴役の黒木華はもちろん続投し、鵜城役は向井理、千鶴を助ける人権派弁護士・月本役で斎藤工がゲスト出演。『コンフィデンスマンJP』シリーズの田中亮監督のテンポのいい演出で、正義を模索しながら成長していく千鶴、飄々(ひょうひょう)としつつ決意をこめて進むみちおの姿が描き出されており、勇気をもらえる一作だ。

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『レジェンド&バタフライ』2023年1月27日公開

監督:大友啓史
キャスト:木村拓哉綾瀬はるか
148分

 数々の名作を世に送り出し、2023年の大河ドラマ「どうする家康」も手掛ける脚本家・古沢良太と、『るろうに剣心』シリーズなどで常に革新的な作品を作り続けている大友啓史監督がタッグを組んだ歴史大作。総製作費20億円の東映創立70周年記念作品で、天下の“大うつけ”織田信長とその正室・濃姫(帰蝶)の、政略結婚で出会いながらもやがて強い絆で結ばれていく激動の30年を描く。信長役は、11月に驚異的な観客動員を記録して大きなニュースとなった「岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~」での雄姿も記憶に新しい木村拓哉。濃姫は『はい、泳げません』の熱演が光る綾瀬はるか。いまや国民的俳優といえる二人がどんな夫婦愛と生き様を見せるのか、ワクワクが止まらない。

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