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ナマナマしいラブシーンとは?『地下鉄に乗って』監督が激白!

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篠原哲雄監督
篠原哲雄監督

 浅田次郎の名作「地下鉄に乗って」がいよいよ来週公開される。公開に先立ち、監督の篠原哲雄に話を聞いた。ベストセラーである原作を映画化するにあたって、篠原がもっとも気を使ったところ……、それは「絶対に起こらないけれど、もしかしたら起こるかもしれない」、そんな感覚をそのまま映画でも出すというところだった。

 小説のなかでたびたび出てくるタイムスリップシーンも、映画化では映像となって現われてくる。「小説を読んでいると、タイムスリップのシーンは文章で分かります。ああ、変わったんだなと。それを映画では、きちんと映像で表現しなければいけなくて……。そこをどのように表現するか、とてもこだわったんですが、結果的に地下鉄のなかを疾走していくというシーンにつなげました」原作の雰囲気を大切にしつつ、ベストセラー小説を味付けしていった篠原監督。映像へのこだわりのみならず、役者の演技ひとつひとつに関しても、こまかく話し合いながら決めていったという。

 作中、主人公の不倫相手であるみち子が物語を誘導していくなかで、監督がもっとも力を入れたシーンが、後半に出てくるラブシーンだ。「彼女のなかで、本当は愛してはいけない人を愛してしまっている自分。でもそんな理屈を感情が大きく超えていく。そんな、人間が持つ感情のほとばしりを表現したかったんです。彼女のなかで、主人公に対する愛がわあっと湧き上がった瞬間に、タイムスリップしていくという重要なシーンになったんです」。

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 監督の言うとおり、堤真一が演じる真次と、岡本綾が演じるみち子とのラブシーンは、見ている側も息を飲むほど生々しく描かれているが、このシーンには、監督もかなり苦労したようだ。「ああいうラブシーンで、どこまで見せられるか、どこまで撮れるかというのは、『地下鉄に乗って』のように一般的な映画だと、それが大変難しい問題になってくる。R-15もついちゃいけなくなってくる。そうすると露出を少なくしながらも、役者から感情をあふれさせなければいけない。そして形だけではなく、美しくなければいけないとなってくる」

 「結局はみち子から、感情があふれる表情を作るよう、演出していったんです。そういった意味では役者は理解してくれていた。表情だけで、肉体の動きを一切見せないようなラブシーンは逆にナマナマしいんです。今回は、秘め事を撮るような、といいますか抑えた表現をするように心がけながらも、カメラワークでいかに人物を追うか、本当に気を使って撮影しましたね」前作『欲望』では、男女の交わりを大胆に描写した篠原監督だが、表情だけで人間の持つリアルな部分を見せなければいけないという制約のなかで、もう2度と出会うことのできない男女が最後に触れ合う美しいラブシーンを作り出した。

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 衝撃のラストが待ち受ける本作だが、監督は「真次が見つめる指輪にどんな思いが込められているか……、現場では、その何かを伝えようと思いながら撮影しました。そこはいろいろな意味で解釈できるので、彼らの愛の形を観ることで何かを感じて欲しいと思いますね」と語った。

 父の愛、息子の愛、母の愛、そして女としての愛……タイムスリップという非現実的な経験から時代を通して描かれたそれぞれの愛をどう受け止めるか? 浅田次郎原作『地下鉄に乗って』は10月21日、いよいよ公開される。

『地下鉄に乗って』は、10月21日より丸の内ピカデリー2ほかにて公開
『地下鉄に乗って』オフィシャルサイト metro-movie.jp

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