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帰ってきた蛙男、とうとう海外進出!FROGMANに直撃インタビュー

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知的でダンディーなFROGMAN氏
知的でダンディーなFROGMAN氏

 全編Flashアニメーションで制作された驚異の映像世界が話題を集めた、映画『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~』。その生みの親にして自身のコンテンツ制作ブランド“蛙男商会”代表のFROGMAN氏が、1年ぶりにスクリーンに最新作を引っ下げて戻ってきた。今回、自身の処女作でもある「菅井君と家族石」を劇場版に仕上げた FROGMAN氏に、劇場公開に至るまでの道のりや現在を取り巻く環境などさまざまな話を語ってもらった。(この映画のフォトギャラリーはこちら)

■映画版ならではのスケール感は必須だった!

Q:今回の『菅井君と家族石 THE MOVIE』はデビュー作の映画化ですが、今の心境はいかがですか?

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 いずれはFlashアニメで映画を作ることになるだろうと漠然とは思っていましたけど、まさかここまで大きなプロジェクトに発展するとは思っていませんでした。当時は“このままでは島根県で死ぬ!”って思いながら作っていましたからね。別に島根県で朽ち果てて死んでもいいんですけども(笑)。

Q:映画化第1弾の『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~』の反響も大きかったですよね。

 正直、ヒットするとは思っていなかったんです。いわゆる楽屋ネタも多いし、悪ふざけの映画ですし。日本ではまずそういう映画自体がウケないし、どちらかといえば主人公が死んでしまうような感動作に人が入りますよね。しかもこの映画はエアポケット的な作品で、ヒットする要素が皆無ですから(笑)。それなのにあんなにもたくさんのお客さんが劇場に足を運んでくれて、感謝しています。続編も作らせてもらえるとは本当に思っていなかったんです。そんななか『菅井君と家族石 THE MOVIE』が公開の運びに至ったわけですが、内容が決まる前に映画化だけ決まっていたというのは、かなり異例なことだとは思いますけどね(笑)。

■“菅井君”をたった1人で作ってみたら、反対に映像というものがわかってきた

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Q:今回のテーマは“ブレイクスルー”ですね。デビュー作だった「菅井君と家族石」自体、FROGMANさんがメジャー街道へ躍り出る“ブレイクスルー”的な作品でした。思い入れも強そうですが……。

 ええ。もともと実写の世界で映画監督になりたくて映画やテレビドラマの世界に身を置いていましたが、その夢はかなわなかったんです。それでデジタルの世界で映像を作れないかとFlashアニメ制作に手を出して、活動のフィールドを変えたわけですね。限られた島根の環境では脚本を書いてくれる人もいない、絵を描いてくれる人もいない、声を入れてくれる人もいない。もう自分1人でやるしかなかったわけです。それで実写の世界では考えられないようなアプローチで“菅井君”をたった1人で作ってみたら、反対に映像というものがわかってきたんですね。衣装や効果音のタイミングなどを自分で考えているうちに、イマジネーションが豊かになりました。極限に追い込まれて視点を変えざるを得なかったのに、かえって目的の場所、映画監督に到達するのが早くなったんです。WEBの世界に行ったはずなのに、今は映画の世界で仕事をしている。実際、こうして映画を作っている現在を考えると、本当に奇妙な巡り合わせを感じてしまいますね。

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■そして今度は海外進出!

Q:今度は海外進出! 『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~』がニューヨークインディペンデント映画祭への正式出展作品ノミネートが決定して、海外配給に向けて調整中とのことですが……。

 僕の妻が一番驚いています(笑)。『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~』ですらほとんどの媒体にそっぽを向かれてパブが出なかったんですよ。確かにアニメのようでアニメじゃないし、そもそも映画ではないと言われてしまえばそれまでなんですけど、多くの人に知ってもらうには賞が効果的と思ったんです。それで海外の、つまり外国の方々なら“ジャパニメーション”の一種ということで振り向いてもらえて、せめてカラチ国際映画祭にでも引っ掛かれば注目してもらえるはずだと(笑)、片っ端から出品してハクをつけようとしたんですね。そうしたら軒並み落選していくなか、どういうわけかニューヨークインディペンデント映画祭だけがOKになりまして。これでまかり間違って賞でも獲ろうものなら、第3弾の『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II~島根は鳥取の左側です(仮題)~』への扱いかどうなるのか、期待は高まりますよね。

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Q:最後に、ますます発展を続ける“蛙男”の今後の展望を聞かせてください。

 実は別に蛙が好きではないのですが(笑)、当面の目標は映画をヒットさせることですね。それは映画に携わる人間であればノルマでもあったりするのですが、自分が作るものが世間で何らかの“さざ波”を作り出さなければ意味がないと思うんです。あとはやっぱり実写作品を撮りたいなっていうのがあり、また現在考えている企画もあって、今のプロジェクトってそれを作るためのステップだったりするんです。島根に住んでたおっちゃんがFlashアニメで有名になったからといっていきなり実写映画が撮れるはずもないですから、『菅井君と家族石 THE MOVIE』で僕のストーリーテリングのほどを観ていただいて、実写化のお話がくることを願っています。物語を撮りたい人間だとわかっていただけると思うんですよね。もともと実写映画は撮らないと宣言してFlashアニメに移行したわけでもないので、実写化のお話がきたら20,000パーセント撮るつもりです!

 「菅井君と家族石」をはじめ、FROGMAN氏が作り出す毒気の強い作風とは違い、本人は至ってマイルドでダンディーな紳士といったたたずまい。シニカルな語り口は作品中でも観られるものの、徹底して批判するのではなく、途中で放棄してしまうスタイルが温厚な人柄を如実に反映している。映画ネタ、島根ネタが独特のテンポで洪水のように流れ出す『菅井君と家族石 THE MOVIE』。 ポップコーン片手にFROGMANワールドを堪能してほしい。

映画『菅井君と家族石 THE MOVIE』は2月16日よりTOHOシネマズららぽーと横浜・川崎ほかにて全国公開
オフィシャルサイト kaeruotoko.com

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