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エジンバラ国際映画祭、セックスでスピリチュアルな体験?

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左から共同監督の1人ロバート・キャノン、監督のコリーナ・ヴィラリ=マクファーレン、主要登場人物のニック・チャーターズ
左から共同監督の1人ロバート・キャノン、監督のコリーナ・ヴィラリ=マクファーレン、主要登場人物のニック・チャーターズ - Photo:Yukari Yamaguchi

 エジンバラ国際映画祭でイギリス・プレミアが開催されるドキュメンタリー映画『スリー・マイルズ・ノース・オブ・モルコム』(原題)の共同監督ロバート・キャノンとコリーナ・ヴィラリ=マクファーレン、主要登場人物となったニック・チャーターズに話を聞いた。

 スウェーデンのモルコムから3マイルほど北の森の中で、年に一度行われるノー・マインド・フェスティバル。自分のこれまでの人生と、ここで行われるスピリチュアルな体験をわかち合うことで、自分を見つめ直そうというこのシェアリング・グループには、世界各国から千人にものぼる参加者が集うという。その中の一つのグループを追ったドキュメンタリーがこの作品だ。タントラ教のセックスシーンなども含まれる本作だが、登場人物らのキャラクターの良さに映像の美しさも手伝って、この体験を終えた各人のその後を応援したくなるような後味の良いものに仕上がっている。

 歌手で詩人の北欧美人レジーナ、家族のことで悩みを抱えるピーター、こういうのは大嫌いだといいながら参加してきたニックといった個性的面々や、このユニークなフェスティバル自体どうやって見つけたのだろう?

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 「映画的なドラマがあって、撮るのに5年間も費やさなくて済むような(笑)ドキュメンタリーの題材を探してたとこに、こんなのがあるよって友だちが教えてくれたの。これだ! って思ったわ」とコリーナ、「グループ分けされる前に、参加してきた人たちの中に入って、撮影することに同意してくれる人を募ったんだ。何の知識も期待もなく入ってきた参加者が少なくとも1人はほしかった。そこにこのニックが現われたっていうわけ」とロバートは話す。

 「キーラ・ナイトレイが3人のガードマンに囲まれながら歩いていったのとすれ違ったよ。キーラ、大好きだよーって近寄って行ったら面白かったかな?」とインタビュー前に皆を笑わせていたニック。このシェアリング・グループのようなものに惹(ひ)かれるタイプには見えないがと聞かれ「こういうのは大嫌いだよ。何だか知らないまま友だちについてきちゃったんだ。映画もやってみればって言われて。大したことでもなさそうだし、まあいいかって」とコメント。やってみて後悔はしてない? との質問には「恥ずかしくもあるけど、こうしてここにいられることを楽しんでもいるよ」との答え。

 映画中では、何だかなーという顔をしながら風変わりなエクササイズをしたりもしているニックだが、グループのメンバーに対しては優しい。火渡りのシーンではビビッている女性参加者を背負って渡ってあげたりもしている。「ニックはまだ映画を観ていないんだ。だからすごくいい味出してる自分のキャラクターに、まだ気付いていないんだよ」とロバートは話してくれた。

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 ドラマとドキュメンタリーの境界を崩すような映画的なドキュメンタリーを作っていきたいと情熱と野心を込めた熱い口調で語る両監督は、東京国際映画祭にも参加したいとラブコールを送りつつ、すでに次の作品のプランも温めているらしい。一方ニックの方は、本作出演後もこれまで通り、自分のやれることをやるだけと気取りのない口調で話す。人生を変える体験ともいわれるフェスティバルも、映画出演の経験も、いつでもどこでも地のままの自分という風なニックを変えることはなかったようだ。(取材・文:山口ゆかり)

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