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ジュリア・ロバーツの新作を抑えて、ニコラス・ケイジ主演映画がトップに!-3月24日版

全米ボックスオフィス考

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「どうしてなのかしら……」「どうしてだろうね……」(『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』より)
「どうしてなのかしら……」「どうしてだろうね……」(『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』より) - (C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 今週のランキング争いは、強豪がそろっていたものの、ボックスオフィスにてナンバーワンとなるのは、ジュリア・ロバーツクライヴ・オーウェンの共演映画『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』であるだろうというのが業界内の大方の予想であった。そんな専門家たちの予想を大きく裏切って、3月20日から22日の週末全米ナンバーワンに輝いたのは、何とニコラス・ケイジ主演のサスペンス・パニック映画『ノーウィング』(原題)だった!

 2,460万ドル(約24億6,000万円)の収入を上げたこの映画は、奇妙な数字が羅列されたメモの謎を究明しようと奔走する主人公(ニコラス)の周囲で次々と世紀末への予兆が始まり、メモに書かれた数字との恐ろしい関係が明らかになっていく……というオカルトとパニック映画の要素が混じった娯楽大作である。(1ドル100円計算)

 本命視されていた『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』は、ラブコメという女性にアピールするジャンルであり、客層に多少の偏りがあったのかもしれない。ちなみに『ノーウィング』(原題)は、63パーセントの観客は25歳以上で、男女の割合は半々という配給会社の行った観客のリサーチ結果が出ており、まんべんない客層にアピールしたという、『ノーウイング』(原題)の勝因が明らかとなった。

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 続いて第2位だが、ここでも番狂わせが起きた。今度こそ『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』の出番かと思いきや、何と今週の第2位は1,780万ドル(約17億8,000万円)の売り上げで、R指定のコメディー映画『アイ・ラブ・ユー、マン』(原題)だったのだ。主演はポール・ラッドジェイソン・シーゲルというコメディー界では人気者の二人だが、一般的に見ると非常に地味なキャスティングの作品である。

 『アイ・ラブ・ユー、マン』(原題)の観客は、以前大ヒットした作品でキワドイコメディー映画『寝取られ男のラブ♂バカンス』『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』を観たファンが多かったものと思われるが、『アイ・ラブ・ユー、マン』(原題)が、女王ジュリアのラブコメを尻目にして、第2位を獲得するとはかなり意外な結果だった。

 第3位に甘んじてしまったその『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』の売り上げは1,400万ドル(約14億円)。ライバルの『ノーウィング』(原題)が4,300スクリーンで封切られたという事実に比べると、2,900スクリーンで封切られた『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』は、第1位になれなくて当然と思われるかもしれないが、第2位ではなく第3位に甘んじるとは、関係者も悔し涙を流しているに違いない。

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 第4位は、映画『レース・トゥ・ウイッチ・マウンテン』(原題)。先週の予想通り、第1位から大きく落下して、1,280万ドル(約12億8,000万円)の興行収入だった。

 第5位は、とどまるところを知らずに滑り落ちていく映画『ウォッチメン』で680万ドル(約6億8,000万円)。封切り以来、17日を経過した週末時点で興行収入のトータルは9,810万ドル(約98億1,000万円)と、製作費にかかったといわれる1億5,000万ドル(約150億円)からはほど遠い数字。この17日間に記録された62パーセント減の落下ぶりは、過去のコミックブック映画化作品と比べても史上最悪の記録だという。評論家たちの間では、劇場公開が終了するまでに、大台の1億ドル(約100億円)に乗るのがやっとであろうと予想されており、何とも痛々しい限りである。

 次回ランキング入りが期待される作品を2本ご紹介しよう。来週ナンバーワンの座を狙うのは、映画『モンスターvsエイリアン』。オッチョコチョイではみだし者のモンスターたちが、地球をエイリアンから救うべく立ち上がる……のだが、ドジな彼らのレスキュー隊はドタバタの大騒動を繰り広げ、強力なお笑い劇が展開するという内容。テレビドラマ「24 TWENTY FOUR」ファンの方々に耳寄りなのは、地球軍の将軍役で声の出演にキーファー・サザーランドが参加しており、ジャック・バウアーさながらのダミ声で叫びまくっているのが笑える!

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 今週末は、引き続き春休み真っただ中のウィークエンドということもあって、子どもを連れた親たちが一気に『モンスターvsエイリアン』に流れる可能性があり、今週第1位だった『ノーウィング』(原題)の強敵は世紀末ではなく、ドジなアニメ・モンスターたちになりそうである。

 このほかにランキング入りが期待されるのは、映画『ザ・ハンティング・イン・コネチカット』(原題)というオカルト作品。映画『エクソシスト』『オーメン』シリーズのファンにはお勧めの、実話を基にした恐怖映画である。(取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)

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