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最高賞はデヴィッド・ボウイの息子が監督した『ムーン』に!‐エジンバラ国際映画祭

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向かって左から、ダンカン・ジョーンズ監督、プロデューサーのスチュアート・フェネガン、ショーン・コネリー
向かって左から、ダンカン・ジョーンズ監督、プロデューサーのスチュアート・フェネガン、ショーン・コネリー - Photo:Yukari Yamaguchi

 6月28日、エジンバラ国際映画祭で各賞発表に伴いアワードセレモニーが開催された。同映画祭の最高賞にあたるマイケル・パウエル賞は、ダンカン・ジョーンズ監督の映画『ムーン』(原題)に与えられた。
 
 同賞はイギリスの新人監督の作品が対象となるもので、オールスターキャストが話題を呼んだ映画『ブギウギ』(原題)など11作品がノミネートされていた。ダンカン監督がデヴィッド・ボウイの息子ということでも話題を呼んだ本作では、月で孤独な作業に取り組むサムをサム・ロックウェルが演じている。ケヴィン・スペイシーが声を務めているロボットと話す以外は、ほぼ全部が一人芝居。3年の契約がもうすぐ完了し、やっと孤独からも開放されるというところで意外な展開を見せ始めるストーリーが、画面に常時サムがいるような本作をスリリングに見せて飽きさせない。ダンカン監督は、映画祭のパトロンでプレゼンターを務めたショーン・コネリーから渡された記念の額を感慨深げに抱きしめた。
 
 同じくイギリス作品の中での最優秀俳優賞(PPG賞)は、映画『フィッシュ・タンク』(原題)の新人女優ケイティ・ジャビスがさらった。本作は15歳の少女の物語で、映画『エンジェル』のマイケル・ファスベンダーなども登場している。ケイティが演じる家族とも友だちともうまくいかない少女と、母親が連れ込んだ男として登場するマイケルの間に醸し出される親密さが、父と娘の関係に向かうのか、友人か、あるいは……というセクシュアルなテンションの中でストーリーは進んでいく。マイケルのカリスマ的な魅力と、ケイティのとがった繊細(せんさい)さのバランスが二人の関係により危うさを加える。
 
 観客賞は、大人にも楽しめるアニメ作品との声が高かったトム・ムーア監督の映画『ザ・シークレット・オブ・ケルズ』(原題)が獲得した。そのほかの主な賞は、最優秀インターナショナル新人賞がカイル・パトリック・アルバレズ監督の映画『イージアー・ウィズ・プラクティス』(原題)、最優秀ドキュメンタリー賞がアリオナ・ファン・デル・ホルスト監督の映画『ボリス・リシー』(原題)となった。また、ケリー・ジョージ・フクナガ監督の映画『シンノンブル』(原題)がスキルセット新人監督賞に輝いた。同賞は監督第1作目か2作目の革新的な作品の監督に与えられる。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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