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ボリビアでは母親がマッチョに!性表現に関してもオープンになってきた傾向

第22回東京国際映画祭

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フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督
フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督

 18日、六本木ヒルズ内のムービーカフェで第22回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている映画『ボリビア南方の地区にて』の記者会見が行われ、監督のフアン・カルロス・ヴァルディヴィア、出演者のニノン・デル・カスティーヨら総勢5名が来場した。

第22回東京国際映画祭コンペ作一挙紹介

 本作は、上流階級と先住民族との関係を通じて、南米にあるボリビアの現在を切り取ったドラマ。社会的な変革が進行しつつある国で、上流階級の家族が最後の日を迎えるまでを描いている。映画を観たマスコミの評判も上々で、会見では熱を帯びたやり取りが繰り広げられていた。マスコミの女性が「女性の描き方が繊細(せんさい)でわかりやすく、女性が観ても共感できるような描かれ方をしていた」と切り出すと、監督は「ボリビアにはたくさんの変化が起きていて、性に関しても自由に表現するようになってきています。ボリビアというのは非常に女系の社会なので、本作でも女が支配しているんです。母親たちがマッチョになって、男がとても弱くなってしまうということも描いています。ボリビアの社会は多様性があって、許容性もあるということです」とボリビアの社会情勢について説明をしていた。

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 さらにスタイリッシュで斬新なカメラワークが特徴的な作品だけあって、会見では撮影、美術などの技術的な面について質問が多かった。「全編に渡って時計回りの動きを繰り返したカメラワークの狙いは?」という質問が出ると、監督の表情にも熱が帯びてきて、「非常に重要な質問です。それこそがこの映画のコンセプトなんですが、時間というのものは、線ではなく円で動くということなんです。将来は過去や現在の続きということ。だから輪を描いてカメラが動いているんです」とそのカメラワークの哲学を明かしていた。

 イタリアの鬼才パゾリーニ監督と、スピルバーグに触発されたと語るヴァルディヴィア監督。斬新なカメラワークはもちろんのこと、ボリビア的な思考を軸に沿えながらも、新たなストーリーテリングに挑戦する刺激的な演出にも注目したい。

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