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セザール賞受賞俳優ヴァンサン・カッセル、名優の父親持つゆえの苦労明かす

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ヴァンサン・カッセル
ヴァンサン・カッセル - Photo-Nobuhiro Hosoki

 映画『憎しみ』などで個性派俳優の地位をフランスで確立し、今やアメリカでも活躍するようになったヴァンサン・カッセルが、『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男』(2部作・英題は『Mesrine: killer Instinct/ Public Enemy No.1』)について語ってくれた。

映画『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part 1 ノワール編』場面写真

 同作は、フランスで強盗、逮捕、脱獄を繰り返し、「社会の敵No.1」と呼ばれた伝説のギャング、ジャック・メスリーヌの壮絶な人生を映画化した犯罪ドラマで、ヴァンサンはフランスのアカデミー賞といわれるセザール賞の最優秀主演男優賞を受賞。本作は名実共に自身の代表作となった。

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 ヴァンサンは、出演経緯について「まず、ギャングスター映画であることに興味を持ったんだ。メスリーヌは、フランスでは今でもヒーロー的な扱いを受けている存在だからね」とカリスマ的犯罪者の魅力が一因であることを教えてくれた。

 メスリーヌが注目を集めたのは、逃亡中にインタビューに応じるなどしてメディアをうまく利用していたからでもある。ヴァンサンは、映画の主人公としてメスリーヌを取り上げることで、必要以上に神格化するのではないかという不安もあったようだ。そのために役づくりの上でも脚本家や監督と話し合いを重ね、「ダークな部分をしっかり描くことにこだわったんだ。それは、人種差別的な発言や女性に対する暴力などが含まれている」と決してメスリーヌを肯定的に扱ったばかりではないことを説明してくれた。

 フランスを代表する名優、ジャン=ピエール・カッセルを父に持つヴァンサンは、メスリーヌとの共通点については「自分のアイデンティティーを確立しようと必死になっているところだね。僕は、父に俳優として認めてもらうのに苦労したよ」と自身の姿を役柄に投影していたことを明かした。

 自身の境遇と重なる主人公の姿を演じた本作で映画賞を受賞し、俳優としてのキャリアを盤石としただけに思い入れも強いに違いない。最近はハリウッドにも活躍の場を広げているヴァンサンの今後に注目したい。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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