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「気持ちいい」出産!河瀬直美監督最新作『玄牝-げんぴん-』サンセバスチャン国際映画祭で受賞に期待!

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自然なお産をありのまま描き出す映画『玄牝-げんぴん-』
自然なお産をありのまま描き出す映画『玄牝-げんぴん-』 - (C) Kumie

 映画『殯(もがり)の森』で第60回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞し、第62回カンヌ国際映画祭では日本人初のみならず、女性初として功労賞が贈られた世界的監督・河瀬直美の新作映画『玄牝-げんぴん-』は、自然分娩をそっと見つめながらも、観る者の思考を巡らすドキュメンタリーだ。本作は先日行なわれたトロント国際映画祭でワールドプレミア上映され、現在スペインで開催中の第58回サンセバスチャン国際映画祭のコンペティション部門に出品されている。

映画『玄牝 -げんぴん-』場面写真

 『玄牝-げんぴん-』は、愛知県岡崎市で「自然なお産」を行なっている吉村医院を舞台に、同院の院長や妊婦たちなどへのインタビューから自然分娩をありのまま描き出すドキュメンタリー映画。同院が行なっている自然なお産とは、院長の考えのもと、薬や医療機器など人工的な介入をせず、女性本来が持っている「産む力」を信じて出産する方法だ。出産に向けて心と体づくりの大切さを伝えるため、院内に建つ江戸時代中期の古民家は、まき割りや戸板拭きなど昔ながらの労働が行なえるよう妊婦たちに開放している。

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 映し出される妊婦たちは、一様に自然分娩を選んだことで、出産に対する不安や恐怖がなくなったといい、分娩台ではなく畳の上での実際のお産シーンでは、「気持ちいい」や「ありがとう」といった出産を終えたばかりの母の声がこだまする。お産は痛くて苦しいものだと思っている人や、出産につらい思い出がある人は目からウロコかもしれない。ただ、人工的な介入で救える命があることも事実で、単に自然なお産に臨む妊婦たちの生き生きとした姿をとらえるだけではなく、出産という行為自体を静かにそっと見つめているのだ。美しい映像もさることながら、観る者それぞれが思いを巡らすことのできる秀逸な作品だ。

 スペイン語圏で最も歴史と名声のあるサンセバスチャン国際映画祭で、世界の作品と競い合っている本作。受賞といううれしいニュースが飛び込んできてほしいものだ。第58回サンセバスチャン国際映画祭は25日まで開催。

映画『玄牝-げんぴん-』は11月6日よりユーロスペースほか全国順次公開

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