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オスカー最有力候補『ザ・キングズ・スピーチ』…左利きの矯正、どもりを抱えたイギリス王

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ヘレナ・ボナム・カーター、コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ
ヘレナ・ボナム・カーター、コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ - Samir Hussein / Getty Images Europe

 現地時間10月21日夜、第54回ロンドン映画祭で開催されたヨーロッパ・プレミアに先立ちトム・フーパー監督映画『ザ・キングズ・スピーチ/The King’s Speech』(原題)の会見が行われた。会見には、フーパー監督に出演のコリン・ファースヘレナ・ボナム・カータージェフリー・ラッシュが登場した。

 本作は、エリザベス女王の父君にあたるジョージ6世の吃音(どもり)をテーマにしている。ジョージは、左利きの矯正、痛みをともなうギブスをはめてのX脚の矯正と、幼少期から矯正され続けたことも原因となり、吃音を抱えたまま大人になる。「王冠をかけた恋」として有名な、長兄エドワードが離婚歴のある女性との結婚で王の座を降りたことから、王位を継承する。時代は、王が国民に向けて重要なスピーチをする場面が増えた、第二次世界大戦に突入しようかという頃だ。主演のファース、夫を暖かくサポートする王妃役のカーター、吃音の奥に潜む、王の心理的な問題にまで目を向けるスピーチ・セラピストのライオネルを演じるラッシュとも、素晴らしい演技を見せている。

 「正確さには心を砕いたよ。長期のリサーチをしたし、それは俳優達も同様だった。歴史、事実が自分にとっては大事だったんだ。ドラマチックな成り行きが事実であったことを照合していかなくてはならなかった。ラッキーなことに撮影9週間前にライオネルの孫がたくさんの資料を物置から探し出してくれた。ジョージ6世の医療記録にも出ていなかったようなこともわかったんだ」とフーパー監督は実話を映画化するにあたっての苦労を語る。「この映画は奇跡の回復の話ではない。映画の最後でもジョージ6世は、まだ吃音に対処している。ハリウッド的なクライマックスは避けたかった。障害を持ったほとんどの人は、完治させることが問題というより、障害とともに生きることが問題なんだ。それがこの映画にとって大事だった」という。

 ファースも「今も家族が生きている実在の人物を演じることの責任を感じた。同様に同じ問題を抱える人に対しても責任があった。この映画は答えを与えるものではなく、正直にそれを描くことで進んでいったんだ」と監督と同じ気持ちで演じていたようだ。ファースの名演には、『シングル・マン』で惜しくも逃したオスカーを今度こそ手中にするのではと、期待する声が大きい。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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