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さようなら、池部良さん!お別れ会に『雪国』岸惠子ら約200人が出席 温かい人柄浮き彫りに…

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映画『雪国』で共演した岸惠子、故・池部良さんを偲ぶ
映画『雪国』で共演した岸惠子、故・池部良さんを偲ぶ

 10月8日に92歳で永眠した俳優の池部良さんのお別れ会が29日、ホテルオークラ東京で行われ、映画で共演した女優の八千草薫岸惠子をはじめ、篠田正浩監督らが来場して故人を偲んだ。

 池部さんは1941年『闘魚』で映画デビュー。その後、軍隊に召集されるが戦後に俳優復帰し、映画『青い山脈』『雪国』、高倉健主演の『昭和残侠伝』などで戦後を代表する二枚目俳優として活躍。また、著書も多数あり「そよ風ときにはつむじ風」が「日本文芸大賞」を受賞するなど文筆業にも力を注いでいた。

 会場には故人にゆかりのある著書やポスターなどが展示され、関係者約200人が来場。二枚目として知られる池部さんだが現場では人を和ませるのが好きだったそうで、出席した俳優たちからは故人の温かい人柄や俳優としての素晴らしさをうかがわせるエピソードが口々に語られた。

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 映画『雪国』で共演した岸は、「セリフを覚えない人」と楽しそうに当時を振り返った。「だってわたしの1分以上の長セリフのあと、『あ、雨やんだね』のひと言を忘れるの。なんで忘れるのって聞くと『今、蚊が飛んでてね』ってうそばっかりですよ。雪で蚊が飛ぶわけないのに。そういう言い訳が面白くてね」と池部さんの人柄に思いをはせていた。

 また、篠田監督は石原慎太郎都知事原作の映画『乾いた花』のオファーをした当時の様子を振り返った。故・菊田一夫氏演出の舞台「敦煌」がうまくいかず降板したばかりだった池部さんは、オファーにやって来た篠田監督に「篠田、僕を冷やかすのか。映画俳優としてのおれはセリフ3行も言えないって評判だぜ。おれと仕事をやるっていうのはどういう魂胆だ」と断られたという。また容姿の素晴らしさをほめても、「演技力を期待しないのかい?」と返されたそうだ。それでも「歩くだけで結構です。あなたの立っている美しさはどんなに上手い俳優がまねしてもできないものです。それが映画の命になると思います」と口説き落としたという篠田監督。撮影初日、池部さんは台本7ページのワンカットのシーンをNGなしで撮り上げたと、役者魂あふれるエピソードを明かした。

 この日は司葉子光石研地井正浩らも出席。故人を偲んだ。なお、12月22日から池袋・新文芸坐にて「お別れ上映会」が行われる。映画館ロビーには一般の方向けに献花台も設けられる予定。

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