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男性から女性の体に生まれ変わる過程を赤裸々に描き出すピュ~ぴるに自身もゲイの『ぐるりのこと。』橋口監督も共感

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左から松永大司監督、橋口亮輔監督、ピュ~ぴる
左から松永大司監督、橋口亮輔監督、ピュ~ぴる

 9日、渋谷のユーロスペースで映画『ピュ~ぴる』の公開トークイベントが行われ、現代アーティストのピュ~ぴる、本作のメガホンをとった松永大司監督、そして『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』の橋口亮輔監督が出席した。

映画『ピュ~ぴる』場面写真

 映画『ウォーターボーイズ』で妻夫木聡、玉木宏らと共演するなど、俳優としての顔もある松永監督だが、この日は尊敬する橋口監督をゲストに迎えて、やや緊張気味。実は松永監督、『ハッシュ!』に出演ことがあるらしく、それを聞いた橋口監督も最初は「どこに出てたっけ?」と思ったのだという。しかし、しばらく考えた後に記憶がよみがえったようで、「最初に高橋和也が働くゲイバーの場面があって、そこに登場するイケてないホモの役だったんですよ! あれはホモが狙う微妙なラインでダサい服を着せたんですけど、あの時の子が監督ですか……。ご出世なされて」としみじみと語る橋口監督の姿に会場は笑いに包まれた。

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 自身もゲイであり、そのアイデンティティから作品を生み出すことの多い橋口監督は、本作について「マスコミ的には、体を改造するとか、整形するといったことをセンセーショナルに打ち出しがちだけど、でもピュ~ぴるさんはアーティストとして本物じゃないですか。これしかないんですよね。血を流しながらも必死に生きている。世の中と戦っているなと思いました」と性同一性障害の現代アーティストであり、自身の変わりゆく肉体を赤裸々に描き出す作品を作り続けるピュ~ぴるに共感している様子。しかしだからこそ、ピュ~ぴるの置かれた状況も理解できるようで、「おれもそうだけど、いろんなことを言われるんだろうな、大変だなと思いました。正直に生き過ぎると血を見ることが多いですよ。でもその姿は必ずご覧になる方に伝わるはず。今はうそくさい映画が多いからこういう映画が必要ですよね。この映画は松永君の人柄がすごくよく出ていて、素直で優しく語られている。いい映画だなと思った」という橋口監督の温かなコメントに思わずジーンとしてしまったピュ~ぴると松永監督だった。

 本作は、米のカルチャー誌「ペーパー・マガジン」や、イタリア版「VOGUE」誌などで取り上げられるなど国際的にも注目を集める現代アーティストのピュ~ぴるが、「彼女」へと変ぼうしていく8年の過程を追いかけたドキュメンタリーだ。(取材・文:壬生智裕)

映画『ピュ~ぴる』は渋谷のユーロスペースほかにて公開中

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