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ハデなテレビCMがなくても…本当に面白い日本映画100本!新世代に発信-映画秘宝

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高良健吾 映画秘宝EX ゼロ年代日本映画100より
高良健吾 映画秘宝EX ゼロ年代日本映画100より

 ここ何年かの日本映画ブームは若い世代の映画人口を一気に増やし、実際に製作&上映される日本映画の数も10年前と比べると飛躍的に増えた。その映画の内容も多岐にわたっており、『海猿』『踊る大捜査線』などのシリーズに代表されるメジャーな作品だけでなく、本当に面白いといえる良質の日本映画も数多く輩出された。映画雑誌・映画秘宝は、MOOK「映画秘宝EX ゼロ年代日本映画100」で2000年=ゼロ年として、2000年に入ってから公開された映画の中で「いま観るべき新世代の100本+α」として若い世代に向けた日本映画の指針ともいうべきガイド本を発売した。『海猿』で日本映画に興味を持った若い世代に次に観てほしい映画のリストでもある。

 100本+αの映画のカテゴリー分けが、「青春映画」「部活映画」「実録映画」「ガールズムービー」とシンプルなこのガイドブックで紹介されている映画に共通しているのは、青春のど真ん中にいる若者の目線で観て共感を呼ぶ映画ということ。万人向けというよりは読者がしぼられているところが潔い。

 「青春映画」の筆頭に紹介されるのが窪塚洋介行定勲監督で金城一紀原作の直木賞受賞小説を映画化した『GO』。「窪塚洋介という従来の枠にはまらないタイプのスターを誕生させ、作品が内包していた越境のテーマもポップな演出スタイルもすべてが新たな胎動を感じさせた(轟)」と本文で紹介されるこの映画は、確かに21世紀の邦画の明るい夜明けを感じさせた。また岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』では主演の市原隼人蒼井優、『パッチギ!』では沢尻エリカなど、今では日本を代表する若手俳優の原点ともいえる作品が紹介されている。

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 また、「ガールズムービー」には、宮崎あおいの演技が光る『害虫』やブルーハーツの名曲にのせたガールズバンドの物語『リンダ リンダ リンダ』など、「ヤンキー映画」には松田龍平と新井浩文の演技が強烈な印象を残した『青い春』など、「家族の映画」では小泉今日子のキレた演技が話題を呼んだ『空中庭園』やオダギリジョーと同時に香川照之の演技に注目が高まった『ゆれる』など、いつもちょっとぶっとびぎみの映画を紹介してくれる映画秘宝が真正面からまじめに日本映画を紹介しているところに説得力がある。

 また次世代を代表する俳優の注目株として紹介される、高良健吾のすべての出演作には名作も数多くあり、廣木隆一監督の『M』、中村義洋監督の『フィッシュストーリー』、最近では『マジでガチなボランティア』や『おにいちゃんのハナビ』など映画ファンとしては見逃がせない映画の一つ。良質な日本映画を旅するには高良健吾から入ってみるというのも一つの手だ。また。30,000文字におよぶインタビューからは高良のリアリティーあふれる演技の秘密がのぞける。そのほかにも中村蒼、賀来賢人、本郷奏多、成海璃子、柄本佑、谷村美月らの青春まっただ中の俳優たちが彼らからとらえた「演技」ということについてとことん語っている。写真もすべてフィルムで35ミリ、4×5、8×10での撮りおろしで、映画のワンショットかのような深みのある美しい色彩と構図で永久保存版に仕上がっている。(編集部・下村麻美)

映画秘宝EX ゼロ年代日本映画100 A4/112ページ/1,300円+税は洋泉社より発売中

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